始まりは裏切り
「イジメラレルヒト」が悪いわけではない。
「イジメルヒト」がわるいんです。
あの日私は夢を見ていた。
ハヤクキエロ。
怖くて逃げ出しそうになって……
ただ見えるのは…
一筋の光だった。
「あんたなんか消えてしまえ。」
毎日のようにつぶやかれるこの言葉はもう日常的になってしまった。
そう…イジメ。
私は何が理由でこうなったのかは知らないが、気付いたら、こうなっていた。
はじめははずされているだけだった。
けれど…いつの間にかエスカレートしていってた。
あと一年…あと一年経てばこんなイジメはなくなって高校へ逃げられる…毎日そうおもっていた。
もちろん私だって悔しかった。
毎日蹴られて痛い思いをしているのに笑っているあいつらが許せなかった。
西園寺美華vs私
この戦いは中学校一年生の後半から始まっていた。
私をいじめる奴は美華といって小学校時代は親友だった。
「私の親友は美華だよ♪」
「ありがとう♪私もだよ(^.^)」
修学旅行のメンバーも一緒。
家も近くだから、集団下校の時も一緒。
集団下校以外でも毎日二人で帰っていた。
そんなある日。
「美華ってさぁ…あいつと居て楽しいの?」
「…本当は辛い。けれど、じゃなきゃあの子は一人になっちゃうから…」
「我慢しないでいいんだよ…」
「だけど…かわいそう!」
「うちらがどうにかするからさ…」
「ごめんね…ありがとう。」
…悪口。
大親友が友達に言っていた言葉にひどくショックを受けた。
裏切られたんだ…
憎しみの色で純粋だった心が黒くなり始めていた。
「なんかあいつ臭くね?」
「わかるぅwww近寄ったら菌がうつるわ」
「あぁwww分かる♪」
それからの私は本当に虫よりひどい扱いを受けながら無事小学校を卒業した。
その頃には私は独りだった。
美華はあっちへ行って、いつの間にかイジメを率先していた。