カマキリやばい 世界観はホーキング
続く狩人生活。この世界の恐ろしさを改めて知る出来事。アベさんから教わるこの世界の成り立ちとは?帰れるのか、俺?
#twnovel RPGっぽい異世界なう。いつもの森、狩りの途中だが小休止中。買って貰った鎧、いい。道具ザック、前までは背負うと武器のとがりがゴツゴツして背中が痛かったがそれがない。腕周りは大きく空いてて動きを妨げないし、部分的に金具で補強してあるがほぼなめした皮で成形してあり、軽い。
#twnovel 異世界なう。服も買って貰った奴に着替えた。折角だし。木綿っぽい厚手の生地の長袖長ズボン。部分的にこれ綿入ってる?肩とか肘、膝は一段厚くなってる。柔道着の帯とかみたい。金属鎧着ても痛くないようにかな?革手袋してほぼ冒険者スタイル完成。靴はナイキで顔は日本人だが。
#twnovel 異世界なう。早起きして剣の素振りしたよ。持つと振るとでは大違い。鉄だもんな、鉄。振ってるというか振られてるというか四苦八苦してたら、アベさん起きて来て剣構えて「こうやるんだ」みたいな。おお!見よう見真似で構えて、アベさんが振ったら同じように振る…とついてく。
#twnovel 異世界なう。アベさん、やっぱりタダの猟師じゃねえな。ちゃんと訓練受けてる剣捌き。俺ド素人だけどそれくらい分かる。段々難しくなる型に必死でついてって気づけば汗だく。今日はこれ位にしようって感じになって狩りの支度。で、現在。あ、休憩終わりだ。
#twnovel RPGっぽい異世界なう。怖くて小便を漏らしそうになるという体験をする。森の中で鹿っぽい奴に傷を追わせアベさんと二方向から追い詰め中の事。30mばかり離れたアベさんから甲高い口笛の合図。すげえ勢いで「止まれ!伏せろ!」のハンドシグナル。理由分からないまま従った。
#twnovel 異世界なう。鹿モドキは脚引きずってても少しだったのにと見送ってたら森が一区画丸々動いた!何が起きたか分からない。鹿の身体が身震い一つして動かなくなり宙を登って行く。え?え?って思いながらよくみると巨大な前脚に捉えられてもがいていた。…でかいなんてもんじゃねえ。
#twnovel カマキリ。現世の奴より気持ちグロい色味の。でも大きさが…。鹿を鎌で挟んで3階位の高さまで持ち上げてた。逆三角の顔はワゴンRぐらい、全長は小さく見積もってもバス2台分はある。思わず剣の柄に手をやるがアベさんから再度「動くな!」の合図。アベさんのあんな表情初めて。
#twnovel 異世界なう。鹿はキューキュー鳴きながらもがくが化けカマキリは機械的にバリバリ頭から食った。エグい。大量の血が雨のように降る。器用に左右の鎌を使い文字通り骨まで。食い終わると鎌で顔や目玉をなでくり回し、チキチキいいながら移動し始めた。俺とアベさんのいる方に!
#twnovel 太い樹は上手く避け細い樹は薙ぎ倒しながら奴が近づく。木に身を寄せ屈んだまま息を殺す。進行方向的におれの近くを通りそう!勘弁してくれーっっ!うずくまって俺は石だ、俺は石だ、って念じる。寒気がして鳥肌が立つ。猛烈に小便したくなる。唾飲みたいがなんか上手く飲めない。
#twnovel 異世界なう。木が倒れる音、ガサガサと地面を荒らす音が大音量で迫る。こ、怖えええっっ。俺が身を寄せる木に奴が後脚を掛け、木が大きく傾いだ。硬直。左手がぶるぶる震えるのを右手で押さえる。…けどそれが最接近。音は結構な早さで遠ざかり、森に静けさが戻った。マジかよ…。
#twnovel 異世界なう。アベさん走って来て大丈夫か?みたいな言葉かけてくれて。辛うじて笑い返したが震えが止まらない。硬直に筋肉使い過ぎて肩、腰が痛い。やり過ごせてよかったぁ…と思ったらポロッと涙が。で、急いでちょっと離れたとこで用を足した。いやシャレになんないよアイツは。
#twnovel 異世界なう。この世界の動物、現世のと微妙に違うけど今まで目玉ヘドロ以外はなんか生態系の一部として理解できる範囲の、まあ進化論で括れそうな奴ばかりだったがあんな生き物、物理的に存在可能なのか?キチン質の甲殻であの巨体の自重を支えられてるのか?…筋肉もそうだ。
#twnovel 異世界なう。筋力は筋断面の面積に比例するから、デザインが同じなら巨大になればなるだけ非力になるハズ。アリが怪力なのではなく、小さいからそう見えるだけなんでしょ?けどアイツは実物大のカマキリと似たような手足の太さのバランスで、むしろパワフルにすら見えたぞ?
#twnovel 異世界なう。どうなってんだ…この世界。窓から二つの三日月が並んで見える。(^^)の絵文字みたいに。物理法則とかも微妙にズレてるのかな…俺の世界と。んー…。ま、虫系は全体に大き目ではあったんだ。ハエとか親指の先くらいあるのが飛び回ってるし。帰り道で見かけたアリ。
#twnovel 異世界なう。ダメか、やっぱ画像貼付はエラーになる。…まあアリも人差し指の先から第二関節くらいあるわけよ。…けどあのサイズのカマキリって…。非常識過ぎないか?…明日も朝練。そして狩り。…寝よ。 http://yfrog.com/h04nhzbj
#twnovel RPGっぽい異世界なう。カマキリの恐怖が拭えない。森自体が怖い。今の所ビクついてドジばかり踏んでる。つまづいてこけたり、弦引いてる途中で引き具が外れて指弾いて無茶苦茶痛い思いしたり、音立ててしまって戦車カラス逃がしちゃったり…。変に緊張して微妙にリズムが狂う。
#twnovel 異世界なう。アベさんはドンマイみたいな扱いで許してくれてるがそれが一層申し訳なく…すみません、アベさん。朝練までしてもらってるのに。そう、一つ分かったのは剣は腕、手首で振るんじゃなくて体全体でその慣性を制御して「回す」って感じなのかな、と。クロソイド曲線的に。
#twnovel 異世界なう。アベさん流石だ。ボウガンで戦車カラス2羽と角兎2羽、罠には鱗にびっしり覆われたイノシシみたいなのがかかっており、棘棒で一撃して首落として血抜き中。そか、こういう奴には斬る剣より破砕する棘棒のが有効だわ。大物仕留めたし夜明けたら持ち帰って塩漬けかな。
#twnovel RPGっぽい異世界なう。にしてもアベさん、どういうヒトなんだろ?…元騎士は確定な気がする。それもかなり身分の高い仕事できる騎士だったんじゃ。気になるのはリアル騎士団の目を逃れるようなそぶり。やっぱ手配犯的な?でも悪い事する人に思えないんだがな…ハメられたのか?
#twnovel 異世界なう。アベさんの剣の演武?の見事さ。振った時の風切り音が俺の剣からするそれとまったく違う。太刀筋と刃の向きが完全に一致してるからシッ!って感じの音。俺のはふぉんふぉん鳴る。クロソイドのうねりに合わせて手首の角度を最適に調整し続ける?あの速度で?…厳しい!
#twnovel 異世界なう。相当鍛練してる。一緒に暮らしても自分に厳しい清廉な人物としか思えん。…うーん。今、焚火の番中。カマキリ怖くて時間経つのが遅ーく感じる。暗闇からヌッとあの無感情な顔と鎌が覗くんじゃないかと…ぶるるっ!そしてまた交代のタイミングが分からん。3時間目安?
#twnovel RPGっぽい異世界なう。これまでの粗筋。いつもの帰宅中JR東武線を降りるとそこは見知らぬ森。奇怪な生物に追われた俺は、人目を忍ぶようにして狩人として森で暮らす鎧姿の中年男性アベェに助けられる。帰還方法模索と生活基盤確保を見据え俺とアベさんとの共同生活が始まった。
#twnovel 異世界なう。前後の状況から類推するに、ここは西洋封建社会っぽい異世界。通じない言葉、見なれぬ動植物、夜空には二つの月。だがなぜか携帯はバリ3、携帯の充電は減らない、ツイッターのみ利用可能という不自然さから、俺はこの状況が自分の妄想ではないかと疑う。
#twnovel 異世界なう。そうこうする内に恩人アベさんが狩猟中の事故で命の危機に。無力さに打ちのめされながらなんとかその危機を乗り越えたアベさんと俺の絆は深まって行く。初めての野糞、街への買い出し、巨大蟷螂との遭遇…買って貰った鎧と剣を身に纏い俺は、南越谷への帰還を目指す。
#twnovel RPGっぽい異世界なう。やっぱり今日は鱗イノシシの精肉→樽詰め作業。イノシシは肉の量が多く2樽採れたが…運ぶの重かった。アベ邸での夕食後、アベさんに声掛けて俺の境遇を説明しようと試みる。携帯や筆記用具や髭剃り見せて。ノートにに二つの世界のイラスト描いて…必死。
#twnovel 異世界なう。現世の色々、アベさん興味深げに調べて、要領を得ない俺の説明も真剣に聴いてくれた。で、アベさんの本棚から一冊の古い分厚い本を持って来て。ある頁を開いた。…そこには全然読めない文字と宗教画みたいな挿し絵。…驚いた。世界の成り立ちを描いてるっぽいその絵。
#twnovel 異世界なう。暗闇の中、浮島の様に毛色の違う様々な宇宙が浮いてる。惑星じゃない!シャボン玉のように大小の宇宙!これってインフレーション理論でいうところのチャイルドユニバースじゃ?この世界の宗教観の宇宙ってホーキング宇宙論に近いものなのか?…驚くことは続く。
#twnovel 異世界なう。俺がルーズリーフに描いた俺自身のディフォルメイラスト、アベさんその部分だけちぎってその宗教画の上に…その部分に描かれた小さな宇宙。これ!四角いビルが描いてある!俺の宇宙!ってか世界?アベさんそこから俺絵の描かれた紙片をつつつっとずらして別の宇宙へ。
#twnovel 異世界なう。解ってくれた!ってか過去にも似たような事があってるのか?転落者は俺が初めてじゃないのか。…どおりで。アベさんからみたら俺なんてすげえワケわかんない奴だろうに、親切にしてくれてたのは最初から異世界からの迷子だって解ってくれてたからなのか…。
#twnovel 異世界なう。アベさん更に紙に何か描き始めた。カマキリ!目玉ヘドロ!ちぎってまた別々の宇宙の上に。そしてそこから図の中心の宇宙に指でずらした。成る程…あいつらも別の宇宙からの来訪者か。なんちゅう世界だ、ここは。アベさん、絵の俺にまた指を置き、元の宇宙へ戻した。
#twnovel 異世界なう。意図が分からずアベさんの顔見るとちょっと微笑んで一言、で肩をぽん、と叩かれた。「きっと帰れるよ。」みたいなことだと思う。…不覚にも涙が。アベさん、ありがとう。チャンスがあったら一緒に写メ撮って下さい。帰れようと帰れまいと貴方の事は一生忘れません!
#twnovel 異世界なう。これで帰還方法さえ判れば、心おきなく帰還できる。でも帰還方法って?トリップってランダムっぽいよな?更に「北千住に異世界の騎士が現れた」なんてニュースを聞かないことを思うと、世界間の移動って可逆なのかな?高いとこから低いとこに移動するように不可逆?
#twnovel 異世界なう。判らん。この世界の宗教の偉い人とかと話できたら何か判る…のか?いかんせん言葉がなぁ。不思議なもんでアベさんの言ってる事は雰囲気からなんとなく解るようになって来たが、込み入った話を人に質問したり到底無理。暫くはこの世界、長期戦かな…明日も朝練。寝よ。
#twnovel RPGっぽい異世界なう。アベさんとの朝練。型、素振りを一通りしたあと木剣で模擬戦。稽古つけてもらうのは二度目だが、ちょっとアベさんが本気だすと一捻り。我ながら情けない。インドア派ド文系の俺の戦闘力の低さ。…なんだろうな、アベさん本体すら目で追えないってのは。
#twnovel 異世界なう。なんか剣こっちに構えて「ゆらぁ〜」っていい感じに揺れるのよ。次の瞬間アベさんを見失って、え?って思ったら後ろ取られてる。動きの技術でそういうことが可能なの?俺がすげえ鈍いの?…「ゆらぁ〜」に秘密がある気がするな。今日は天気いい。目標、一匹何か狩る!