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扉の仕様についてサポセンの人と話したい。

第三の試練を前に束の間の休息を取る俺たち。ひょんなことから、俺の携帯の写真フォルダをみたファタリは自分が俺の好きだった先輩に似ていることを知る。「ヒロがうちに優しいのは…うちがこの人に似てるから?」悲しげな彼女の問いかけに…俺は…!

#twnovel RPGっぽい異世界なう。ウェルトゥもいよいよ第三の試練…の前に食事と休憩中。「王」の間の扉の前の広間で。ファタリはボールペンとルーズリーフがお気に入りらしく何かと書いては笑ったりニヤニヤしたりしてる。「それ何?あ、写真の奴!」あ、携帯盗られた!…壊すなよ。


#twnovel 異世界なう。「どうやって見るん?」ひまわ…黄色い花の四角、触って。「おぉ〜、すごい!これ全部向こうの世界の写真?あ、これうち写っとる!」あぁアベさんと撮った奴。まてよ…やばい写真とか無かったよな。「どれがヒロの恋人?」…無いよ。恋人いないから。「つまらんなぁ。」


#twnovel 異世界なう。好きだった人の写真ならあるけど。「どれ?どの人?」卒業後、一回だけ集まった時の飲み会。俺と肩寄せて微笑む先輩。「…この人?」そう。ファタリから笑顔が消える。「…うちに似とるね。」そうだな。俺も最初は驚いた。「ヒロ…」ん?「正直に答えてな…」ああ。


#twnovel 異世界なう。「ヒロがうちに…優しくしてくれるんは、うちがこの人に…ヒロが好きだった人に似とるから…なん?」…逆だな。ファタリが先輩に似てると思ってたから、最初どうしていいか分からなかった。今は違う。ファタリが先輩と違うってハッキリ分かった。似てないよ、全然。


#twnovel 異世界なう。君は君だ。この世界の巫女ファタリ。それを踏まえた上で、俺なりに護りたいと思ってる。あれ?答えになってないか…?「ううん、ええよ。十分。ごめんな、変な事聞いて。へへ。」…機嫌は直ったようだ。恋愛偏差値一桁の俺にあまり難しい質問しないでくれ。知恵熱出る。


#twnovel 異世界なう。「センパイは今?」さあ…しばらく連絡取ってないが。背の高いお金持ちの恋人がいるんだ。幸せに暮らしてるんじゃないかな。「ヒロは?センパイの事、まだ好き?」どうだろ?好きな気持ちが消え去ったっつったら嘘になるな。けど先輩がいない毎日にはもう慣れたよ。


#twnovel 異世界なう。「…横取りしよ、とか思わんの?」巫女の台詞か?それが。…恋人といる時の先輩を一度見たことがあるんだが、すげー幸せそうだったんだよね。見た事ないよな顔で笑って。横取りできたとしても先輩からあの笑顔が消えちゃうなら意味がない。願うのは先輩の幸せだから。


#twnovel 異世界なう。「…らやましなぁ…」ん?ごめん、聞こえなかった。何?「なんも言うとらん!」え?何?わ!こら、携帯を投げるな!…何、怒ってるんだ?結構つつみ隠さず等身大の俺で答えたぞ?割と恥ずかしい分野の事も。で怒られるって…さっきまでニコニコしてたのに。解らんなぁ。


#twnovel 異世界なう。ファタリは怒ったかすねたかしたようで、また落書き作業に戻った。…彼女、俺に何か期待してるのか?例えばそうだとして、その期待に答えていいものか?…そら俺だってファタリは嫌いじゃない。むしろ…けどあと何階かこの塔登ったら永遠にお別れって事もありえるんだ。


#twnovel 異世界なう。そう、異世界なんだよ。ここは。言葉は通じるけど。一番いいエンディングってなんだ?俺と彼女は向こうの世界へ。扉は閉じ、アベさん復職、騎士たちも無事帰る…かな?そうなれた時、彼女はがっかりしないだろうか。憧れの向こうの世界の現実に。あまりに平凡な俺に。


#twnovel 異世界なう。例えば付き合って…一緒に暮らせたとして。時間経過と共に彼女に負担が蓄積して行くんじゃないだろうか?俺がこの世界に来た時感じた無力感や孤立感、世界そのものから疎外されてる感じ…それらが少しずつ彼女から笑顔を奪ったりしないか?先代異世界人カオルのように。


#twnovel 異世界なう。ストレスを抱えて、ふさぎ込みがちになったり、めそめそしたり。で「うち、元の世界に帰りたい…」とか言われて泣かれたら…俺、何もしてやれない。浮気するよな甲斐性もないから一緒にはいるだろうが、そんな彼女と暮らすのは…辛いかもな。好きな相手だからこそ。


#twnovel 異世界なう。…考え過ぎかな、俺。てか扉の制度がよくわかんないから無数のパターンについて検討しなきゃなんなくなんだよ!『命を捧げよ…』とかもありえるわけで。『党に持ち帰り前向きに検討します。今日はこれで。』って言ったら聞き届けてくれるかな?命やらないと暴走したり?


#twnovel 異世界なう。『ダメ や!止められへん!』『見てみ!異世界の怪物が…あんなに!』『扉が壊れて橋になるのを待っとるんや!はよ閉じんと!』…的な?リアル。もしそうなったら…ファタリ、捧げようとするだろな、命。『うちの仕事やさかい…』『よせ!ファタリーっ!』って感じで。


#twnovel 異世界なう。アベさんには命大事にしろって繰り返し言われたが、万一そうなったら俺が行こう。かっこつけるわけじゃないが、なんか俺じゃね?ここに来たこと自体、事故で死んだようなもんだ。なんだかわかんないワープ装置を止める為に、ファタリが死ぬとか…看過できかねますな。


#twnovel 異世界なう。そうなったら…アベさんやファタリは悲しんでくれるかな。父ちゃん、母ちゃん…ゴメンな。俺なりに考えた結論だ。前後の状況がアレだが、命懸けていいって思える相手に逢えたってのは幸せなことなんだよ、きっと。俺は死んでも竪琴の人が歌にしてくれる…間違いなく。


#twnovel 異世界なう。またこれでもかって誇張されまくってるんだろうけどな。平和になったこの世界、陽のさす窓辺でその歌を歌うファタリ…ありだな。男冥利に尽きる死に方ランキングでもかなり上位。ファタリが歌うラストシーンを観られないのがちと残念だが、そこ折り込んでも。覚悟完了!


#twnovel 異世界なう。あ、その前に『王の間』があるんだっけ?忘れてた。『王がきずなと強さを試す』…だったか?こりゃガチのボス戦でしょ?気ぃ重いな…。歴代王チームとの綱引きとか、勝ち抜き腕相撲大会とかにならないかなぁ…タバリィッス用意しとこ。出鼻、王がなんかする前に撃とう。


#twnovel 異世界なう。俺が道具ザックからボウガンと弦の引き具出して準備を始めると。「ヒロ、見てこれ。」ファタリがルーズリーフに描いた落書きを持って来た。ぶ!光輝く剣を持って大ジャンプしてる…これ俺?山のようにでかいクマゴリ真っ二つ!この字は『ギャアアース!』とかかな?


#twnovel 異世界なう。てかファタリ…絵、下手だなぁ。幼稚園の壁に貼ってある「ぼくが わたしが みたゆめ」なんてクレヨンで描いた絵みたいだ。俺もキリッとしすぎだよ。あん時全然こんなじゃなかったじゃん。ズタボロの血まみれの死にかけでさ。「ええやろ、別に。うちの絵なんやから。」


#twnovel 異世界なう。まぁ原作は竪琴の人だし。「それにな…」何?まだなんかあんの?そろそろ機嫌直してよ。「うちには、こういう風に見えてん。あの時のヒロ。その…かっこよかったで。」それだけ言うと、素早く元の座り位置に戻って行った。アベさん、微笑んで何度も頷くのやめて下さい。

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