第9話
「情報操作とは?」
「こちらの情報でも殿下の幽閉と脱走の話は出ているかと思います。王国の国王陛下はイズライール殿下の愚かさにほとほと呆れているのです。そんな中でイズライール殿下の脱走です。アジトの場所は既に突き止めています。ケビン兄さまが。
私はアジトを襲撃するのかと思ったのですが、『国王陛下が崩御なされた』という情報をこちらの方から逆に流すのです。どうでしょう?私の父は宰相をしているのですが、左遷でしょうね。新たな宰相は殿下と共に幽閉されていた令嬢のお父上が妥当じゃないかと思います。他の重要ポストにもこの馬鹿げた殿下のプチクーデターに賛同した人がつくのではと考えています。そこを一網打尽にしよう。というのがお父様とケビン兄さまが考えた作戦です。
因みに、この間国王陛下と王妃は我が家で保護をします。現在も王妃様は保護をしています」
「王妃は妊娠中だとか?」
「はい、ですから余計にイズライール殿下のターゲットとなりやすいのです。相談の上、我が家に来てもらうこととしました」
「玉璽がどうとか言う話は?」
私は笑いを隠せなかった。
「そもそもあれは非常時の偽物です。本物を見慣れていればよくわかるものなのですが。ろくに公務をしていなかった殿下には本物と偽物の区別もつかないようで…」
「さらに玉璽が出てきたという話だが?」
「玉璽がないことには必要書類等作れないので、お父様が偽物を作っていたのです。本来ならば罪になりますが、TPO的にOKです。それによって、王妃様が我が家へ来ることが出来るようになったのです。出産までうちで面倒を見ようという話です。王子だった時に嬰児交換なんかもあり得ますし、暗殺の危険もありますから」
「貴女の実家は危機管理が非常にしっかりしているな。王家もそうだな。本物の玉璽は未だに誰の手にも渡っていないのだろう?」
「恐らく。兄の情報にもありません。これが情報操作です。国民を騙すことになってしまうのが心苦しいのですが、王宮のイズライール殿下派を一網打尽にできるのが一番かと。
それと、王妃様の御子が王子だと非常にいいのですが、コレを機にイズライール殿下を廃太子・王城から追放してしまおうと国王陛下は考えているようです」
「そうだなぁ、王子だと跡継ぎが出来て助かるよな。国王陛下だってそんなに若いわけじゃないし。いま王妃のお腹にいる御子がラストチャンスのようなものか?」
「そうですね。ですので、我が家一同男の子だといいなと思っております。いえ、女の子でもいいのですよ?とにかく母子ともに健康であることが一番ですね」
「そうだな。女王陛下と王配でもいいよな」
「はい、よく国を導いてくれるのならば」
「そのような国ならば国交を結ぶのも吝かじゃないな。機を窺うこととしよう」
皇帝陛下との謁見は緊張した。
私はこの国じゃ爵位もなくただの平民みたいなものだけど、いいのかな?
レナちゃんは皇帝に説明するのが難しいですね。そうだよね、帝国じゃレナちゃんは平民だもんね。




