第4話 ~王国陛下視点
馬鹿な子ほど可愛いとはいうが加減があるだろう。
イズライールはその加減を大きく越えてしまった。
ちょっと私と王妃が国を留守にしている間に、長年婚約者として連れ添い侯爵令嬢のレナ嬢。彼女だって王太子妃教育を受けて来てたというのに、突然の婚約破棄。そして、可愛いからという理由でノワールヌネ男爵家のラーラ嬢と婚約。
はぁ。何を考えているのやら。
レナ嬢のマカロン家は侯爵家。対してノワールヌネ家は男爵家。ラーラ嬢にしても、教養・知識・品位に欠け、とてもじゃないが一国の王妃として相応しくわない。
偶然にも王妃が懐妊していたので、第二王子でも産まれれば、イズライールは廃太子。と思っていたのに、まさかイズライールがあんな卑怯な手に出ると思わなかった。手を貸した部下もどうかと思うが。
イズライールによる謀反。公にはとてもじゃないができない王家の恥部だが、王妃の安全が確保されたあかつきには直ちにイズライールとラーラ嬢を王家の塔へ幽閉してしまおう。
「陛下、お話があります」
このように、私と周りの人間を簡単に話が出来るようにしたあたり、息子は本当に馬鹿だと思う。
「宰相か、入れ」
「人払いをお願いできますか?大事な懸案なので…」
「私と宰相の二人きりとするように」
部屋には私と宰相の二人となった。
「陛下、大変なことになりましたね。事情なんかを聞きました。玉璽は役に立つ日が来ると思いませんでしたよ」
「私もアレは形だけのものだと思っていた。まさかアレを使うことになるとは……。ん?その情報はどこから?
「陛下もご存じですよね?私の息子の一人が情報屋をしてまして、色々と情報が入ってくるのです。例えばノワールヌネ男爵家は人身売買を行う組織と繋がっているとか、偽装通貨も作っているらしいですよ?それで最近いきなり台頭してきたのですね」
「うーむ、ますますもってそのような家の娘を王家に迎えることはできないな」
「しかし、王妃が人質になっている?」
「そこまで知っているのか?」
「推測だったのですが、そうでなければ納得がいかないのです。陛下は本当に男爵家の娘を正妃として迎える事を許可したのか?偽の玉璽はどうして使われることになったのか?」
「そこで、息子からの提案なのですが、王妃をマカロン侯爵家で保護することは不可能でしょうか?」
「王妃の身の安全が確保されたなら安心だ。すぐに手配しよう。あ、玉璽」
「こんなこともあろうかと、こちらでも偽物の玉璽を用意しました。さあどちらが本物でしょうね?」
「流石宰相だな。では、その玉璽を使って王妃のマカロン侯爵家移動を流布するとするか」
「ついでに、殿下とラーラ嬢を幽閉してしまえばいいのでは?」
「偽物の玉璽を持って幽閉されると迷惑でなぁ。偽物とはいえ玉璽は玉璽」
「その時はその時です。今ここにある玉璽こそ本物。という事です」
「そうだな」
二人のおじさんが笑い合うような光景となった。
図らずも、オッサンだけが出る回となってしまいました。狙ったわけじゃないんです。結果論です。イケオジを想像しましょう!




