第15話
とりあえずはウォルス様とお兄さまたちが色々とお話をして、打ち解けることが出来たらしい。良かったぁ。
「あの、俺も皆様4人の事を義兄様とお呼びしても構いませんか?」
「「「「どうぞどうぞ」」」」
「ウォルス様ならウェルカムよ~」
「恩に着ます。マーク義兄…様」
ぎこちないなぁ。ウォルス様は姉弟がいらっしゃらないのかしら?一人っ子?
「ウォルス様には弟妹とかいないんですか?」
「義理の弟妹ならいるけどなぁ、疎遠だ。ともに暮らしていないし。異母兄妹だな。会ったことはあるけど、数えるほどだ。かなり他人に近い。パン屋の常連さんとかの方がたくさん会ってると思うぞ?」
「色々あるんですね、兄妹のカタチ。なんだか踏み込んだことを聞いてしまって」
「何を言うんですか?これからは義理だろうと家族なんですからドンドン踏み込んでください!」
「え~?それじゃあ、聞いちゃう!レナちゃんのどこが好きになったポイント?」
「それは難しいところですね。最初に興味を持ったのは婚約破棄の時のレナ嬢の様子を臣下から聞いた時かなぁ?凛とした美しさを感じた。それが実際に会うとどうだ?美しさに可愛らしさが加えられているだろう?家族を大切にしているところも素晴らしいと思う。こんなかんじだが?」
「なるほどねぇ。わかるわぁ。レナちゃんは私達家族の誇りだもの」
恥ずかしいなぁ。
「ウォルス様のお父様に挨拶とかしなくていいのですか?」
「親父は俺が殺した」
「「「「へ?」」」」
「国がダメになりそうだったからなぁ。そこかしこに俺の弟妹なんていると思うぜ?親父は下町だろうとどこだろうと自分好みの女に手を出していたからな」
「あー、それで二つ名が‘冷酷皇帝’なんですね?」
「そういうこと。俺は親父と違って一途だから。俺が女に狂いそうだったらためらわずにどうぞとどめを刺してください」
ウォルス様はそう言うと、念書を取り出した。そこには『レナ以外の女性に狂った場合とどめを刺すことを許可します。』と書いてあり、ご丁寧にウォルス様の押印までされていた。押印だけじゃなくて玉璽まで押されていたので、決意のほどが感じられます。
兄さまたちは署名をし、念書を受け取りました。ジョン兄さまが持っているそうです。一番物を失くさないタイプだから。
「あ、母上は生きてるから。親父の女好きに泣かされた被害者だな」
男性がフラフラと浮気をしているからといって、女性も浮気して良いかというと、そうではない。それが正妃であるなら猶の事だっただろう。公務もあっただろうし。心身ともに疲れているんじゃないかな?
そこそこの家庭の事情というやつですね。ウォルス皇帝の事情が一番重い…。




