第13話
「泥船は沈むのを回避したようね。すんでのところでなんとかなる?」
「一度流通してしまった贋金を戻すのは難儀だぞ?」
「そうよね」
どうやるんだろ?
大量の本物貨幣がイズライール派貴族の家から出てきた。その貨幣を利用するらしい。
王城の一部を解放し、贋金と本物を交換するという事をし始めた。
お父様が「つかの間の休息……」と言ったのが印象的だったらしい。お父様がまずやったのは贋金にどれだけの金が混ざっているのかを調査。その上で、市井に出回ってしまった貨幣を一枚一枚調査し、3000枚の偽金貨で一枚の金貨と交換。というルールを作った(他にも銅貨とか作ったけど省略)。3人一組のところで精査し、交換。ここで不正は行われないように監査する人員もつけた。
国王陛下は元の重鎮の配置となるように自宅待機となっているもの、左遷させられたものを呼び戻した。
「はぁ?偽貨幣?あり得ないでしょう?そんな事を国家事業としてやったのですか?黒歴史ですね」
と、何も知らない重鎮に言われた時は陛下も複雑そうな表情をしていた。
イズライール派貴族は揃って降爵。爵位も下がったが、領地も国に没収された。命があるだけいいと思う。
イズライールは廃太子で王城追放だけど、付き添う人もいなく、金もなく、爵位もない。ただ顔は国民に知られているので、国民に睨まれるような針の筵のような生活が待っていた。それでも尊大な性格は治らずに、ならずものにボコボコにされたらしい。治療しようと思う人もいない。そんな生活だった。
「こんなはずじゃない。もっと国民に尊敬されて然るべき存在のはずだ。オカシイ」
「そうよ。ほら、きっと追放したレナって侯爵令嬢?あの娘のせいよ。またあの娘の父親が宰相なんでしょう?おかしいわよね?」
そうだ、俺はこんなところで終わるわけがない!
こんな感じでケビン兄さまから情報が流れてきた。
「そんでさぁ。ウォルス皇帝がお前に興味を持ったらしくて、「会いたい」って言ってるんだよね。立場上断れなくて」
ウーン、私は平民みたいなものだけどいいのかな?
皇帝陛下にお会いして単刀直入に仰られた。
「レナ嬢に俺の妃となってもらいたい。王太子妃教育も受けて来ていたし、知識も教養もバッチリだ。もうすぐ、アルロジラ王国とも国交を開こうと思う」
贋金が無くなってからでしょうね。世界的に広がっては大変だから。
「アルロジラ王国と国交を持てば、俺は隣国の侯爵令嬢を娶ったということとなるから全く問題はない。受けてもらえるだろうか?」
この場合、NOと言える貴族はいません。
「はい」
「レナの兄弟の貿易能力・情報収集能力も優れたものだと思っている。アルロジラ王国のマカロン侯爵家にも挨拶に行きたいものだが、俺が国を空けるわけにもいかないからな」
ジョン兄さまは忙しくてお会いできないかもしれません。マーク兄さまは……どうなんでしょう?お父様は王城に詰めているかもしれないなぁ。
「実家にはお母様しかいないかもしれませんよ?あと、アリスティア王妃がいらっしゃるかも」
「レナの家の人間は忙しいんだな?」
「なんだかそうみたいですね」
自分が暇人のような気になってきた。
レナちゃんの家の人って皆忙しいみたいですね。王妃様はそんな中で寂しかったりしないのかな?お付きの侍女さんとかも一緒に来てるのかな?




