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エクリプスレイン  作者: 鳥雛


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42/53

第42話「明日の勝利へ向かう風」

二日目の全試合を終え、

俺たちはホテルに戻り、ロビー脇のテーブルに集まっていた。


時間はもう遅い。

昼間なら賑わっていそうな空間も、

今は照明だけが静かに床を照らしている。


自然と、円になる。


「……明日だな」


レンジの一言で、空気が締まる。


ブロック代表決定戦。

勝てば先へ進める。

負ければ、ここで終わりだ。


「相手、強いよね」


カエデが静かに言った。


「うん」

俺は頷く。

「でも、ここまで来たら関係ない」


その時だった。


「――まだ起きてたんだ」


振り返ると、

そこに立っていたのは、マックス先輩とリリ先輩、そして樹里先輩だった。

二年チームの三人だけ。


「真面目だね、ほんと」


軽い調子で言ったのは樹里だ。


リリは、こちらを見て言う。


「明日、ブロック代表決定戦だからね」


「はい」


少し間を置いてから、

リリは、まっすぐに俺を見た。


「私たちに、リベンジするんでしょ?」


胸の奥が、強く締め付けられる。


過去の敗北。

あの時、何も出来なかった自分。


「……するよ」


俺は、はっきり答えた。


「次は、勝つ」


リリは小さく笑った。


「なら、ちゃんと来て」

「決勝で、待ってるから」


マックスが、軽く肩をすくめる。


「言うね」


「私たちも頑張らないとだよ」


リリはそう言って、二人と並ぶ。


「期待してるからね」


三人はそのままエレベーターへ向かう。


扉が閉まったあと、

ロビーにはまた静けさが戻った。


「……やるしかないな」


レンジが言う。


「うん」

カエデが頷いた。


俺はデッキケースを握りしめる。


まだ決勝じゃない。

でも――ここを落としたら、何も始まらない。


「今日は休もう、先輩たちは先を見据えてる」


立ち上がりながら、言った。


「明日、全部ぶつける」


三人で、エレベーターへ向かう。


静かなロビーを離れる直前、

俺は一度だけ振り返った。


(リベンジだ)


それは誰に言われたからじゃない。

自分で決めたことだ。

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