第35話「王の躍進と一筋の光」
全国大会、同時進行の三卓。
会場の熱気が、プレイヤーの緊張と期待を包む。
ハルトは自席に着き、深く息を吸った。
手元には、新たに入手したエースカードを組み込んだ光/風複合デッキ。
前日の夜まで構築を練り直し、今ここで初めての全国大会本番で試す。
向かい側には、佐賀県代表「ブリーズ・サーヴァント」。
初戦の緊張を隠しつつ、プロフェッショナルな立ち姿を見せている。
観客席のざわめき。
照明に照らされた卓は、まさに戦場だ。
「……よし」
卓上にカードを置き、呼吸を整える。
デッキを整え、戦略を頭の中で再確認する。
開始の合図。
「「リンク!」」
心を揃えて、二人同時に宣言。
ハルトの心拍が少し早くなる。
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### 一ターン目:探り合いと布石
序盤は守りとリソース確保に専念。
相手の展開を読み、光と風の特性を活かし、速さとタイミングで妨害していく。
「まずは相手の初手を見極める…攻め急ぐな」
ハルトは心の中で自分に言い聞かせる。
相手は火属性バーン特化のデッキで、ライフを着実に削るタイプ。
ハルトは光の魔法で回復と防御、風属性ユニットで相手の動きを封じる。
「光の極意を発動!戦闘以外のダメージを受けた場合、エンドフェイズに同じライフを回復!」
「呪印ドロー!2ダメージ受ける代わりに2回復できる」
観客席のざわめきが、初手の緊張感に包まれる。
「速い……手堅く守ってるな」
「ほう、無名だからといって侮れんぞ」
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### 二ターン目:布石と風の流れ
ハルトは新エースカード召喚の布石をさらに展開する。
狙うは「ワールキング」、そしてその先にある最終兵器「ジ・エクリプス」。
相手は小刻みにユニットを展開し、手札の枚数を減らしながら攻めてくる。
しかしハルトは計算済みだ。光と風の連携で、防御の隙間を縫いながら受け流す。
風属性ユニットで相手の攻撃ラインを押し戻す。
光属性魔法でライフ差を均衡に保ち、手札の駆け引きで相手のテンポを乱す。
観客の視線も卓上に集中。
「光と風の複合か……この構成、侮れない」
「動きが巧妙すぎる、これは要注意チームが現れたな」
卓上のカードたちは、まるで生き物のように動き、戦況を刻々と変えていく。
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### 三ターン目:相手の猛攻とハルトの計算
相手は全力で攻め、手数で押し切ろうとする。
だがハルトは読んでいた。
「ここで受ける。焦ったら負ける」
手札とフィールドを駆使し、ユニットを守りつつライフ回復。
相手のデッキは火力特化だが、ハルトの光/風の連携は相性を覆す。
「もしここで一気に攻められたら…しかし、この布陣なら耐えられる」
相手は焦れ、手札の消耗が激しくなる。
観客も息を呑む。
ハルトは冷静に手札の次の動きを計算する。
「このターンは布石。次で決める」
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### 四ターン目:決戦の時
「――行くぞ」
深く息を吸い、ハルトは最後の一手を準備する。
光と風が卓上に宿り、まるで道筋を示すかのようにカードが整列する。
「つむじ風の王よ!2本の柱を束ね――ここに真の力を示せ!
つむじ風の蝕、ワールドウィンドキング・ジ・エクリプス!」
新エースカードが盤面全体を覆い、攻撃の軌道を決定づける。
相手は手札を確認するが、防御の選択肢はなく、攻撃は無情に命中しライフを削りきった。
「……これが俺の風だ」
卓上のカードが描く風の軌道は、まだまだ戦いの可能性を秘めている。
――全国大会初戦、ハルトはここに、自分の「王の躍進」と「一筋の光」を示したのだ。
カエデ「光属性混ぜてどうだった?」
ハルト「複合だからカード噛み合わないとやばいけど、ライフ回復の布石打てるから使いやすいかも」
作者「複合属性はカテゴリでつながってる属性の方が多いからね」




