表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エクリプスレイン  作者: 鳥雛


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/34

第22話 「第2回戦 ― 西陽台高校 vs ピュアハート女子学園『ガールズトーク』」

準決勝から試合の描写を一人ずつ書いていきます。

◆ 試合前:ステージ中央、予想外の距離感


ステージに入ると同時に、

ピンク色のユニフォームを着た三人組――ピュアハート女子学園『ガールズトーク』が、

まるで友達に話しかけるような軽いノリで近づいてきた。


センターのミアが、ひらひらと手を振る。


「やっほ~。西陽台の子たちでしょ?

 ねぇ、君らのさっきの試合見たけどさ……強いね?」


急に距離が近い。

ハルトは思わず一歩後ずさりする。


「あ、えっと……どうも……?」


ミアはさらに詰めてくる。


「特に君。風属性のハルトくんだよね?

 “風属性の爆発力”ってやつ、ほんとすごいって噂だよ?」


続いて、落ち着いた雰囲気のエリカがカエデに向かって微笑む。


「地属性……手堅くて美しい構築、憧れます。

 私、回復主体なので相性はどうでしょうね……?」


カエデは穏やかに頷く。


「お互いベストを尽くしましょう」


そしてレンジの前に立つアイリは、

少し挑発的な笑みを浮かべていた。


「火属性のレンジくん。

 “速攻のレンジ”って呼ばれてるって聞いたよ?」


「……誰がそんなこと言ってんだ」


「さぁ? でも今日は倒しちゃうかも」


挑発と笑顔が混じるこの距離感――

油断すると全部持っていかれそうな妙な空気。


審判の合図が鳴る。


三戦、同時に開始。


---


◆ ハルト vs 鈴木ミア ― 風の速攻 vs 光の妨害と解除


開始と同時に、ミアが軽快に笑う。


「ねぇ、ハルトくん。

 風属性の爆発力がエグチって聞いたけど……ほんと?」


「証明してみせるよ」


同時召喚。

開示。


ミアの初動ユニットの発動より早く、

ハルトは 《風霊の疾走》 を叩き込んだ。


速度と優先権を同時に奪取。


ミアの目が一瞬だけ驚きに揺れる。


「先手はやはりハルト君かぁ!」


だが光属性。

ここで黙ってはいない。


ミアはハルトの攻撃に対して《守護結界》を放つ。

バフを付与して、ハルトのユニットからの攻撃を防御する。


「これで反撃ね?」


「それもわかってるっ」


ハルトは魔法を投入。

《逆巻く風痕》で速度と攻撃を上げていく



ミアの口元が吊り上がる。


「……こっちの防御を先に使わせたんだ?

 ほんっと狙いすましてくるね」


ハルトはすべて正面から受け止め、

一気に盤面構築へ移った。


「ここで……畳みかける!」


ハルトのエースモンスターワールキングを召喚し、

ミアのユニットは全滅し処理しきれず崩れる。


「わぁ~……ダメだ。完敗っ」


ミアは拍手しながら笑った。


ハルト、勝利。


---


◆ カエデ vs 佐藤エリカ ― 地の蓄積と固定化 vs 光の回復


二人の試合は、一見静かだった。

しかし盤面の情報量は最も多い。


開示。


カエデは地ユニットを置くと同時に、

《大地の設置》で後続の固定化を準備する。


エリカは 《輝きの祈願ヒーリングチャージ》 で

微量の回復+手札圧縮。


「地属性……やっぱり盤面が硬いですね」


「光の再誕も十分厄介ですよ。

 あなたのペースにされると不利ですから」


召喚のたびに、

カエデは地層を積み上げるように盤面を厚くしていく。


エリカはそれを淡々と回復で相殺し、

じわじわとリズムを作る。


中盤――

エリカの強化回復魔法が刺さる。


「今です。

 《聖光の再誕リブースト》!」


エリカの盤面が息を吹き返し、

カエデの突破ラインを押し返す。


だがカエデは落ち着いていた。


「待ってました。そのタイミング」


カエデは 《地鎧の顕現》 を発動。


エリカの回復ペースを突破し、

盤面の圧が一気に乗る。


エリカの口元が震える。


「……読まれてましたね」


「ええ。あなたの丁寧な構築、好きですよ」


最後の地撃が光の陣を貫き――

エリカの盤面は崩れた。


カエデ、勝利。


---


◆ レンジ vs 田中アイリ ― 火の猛攻 vs 光の妨害


レンジの開始は最速だった。


「初動から燃やす。文句あるかよ?」


アイリは涼しい顔で笑う。


「はい、ちょっとだけあるよ?」


同時召喚。

火属性の初動ユニットが攻撃バフを受け、

一ターン目から主力の火力ラインへ突入。


アイリの盤面が押し込まれる。


「くっ……火属性らしいね。

 でも――」


アイリがカードをかざす。


《光流の再編リセット


アイリのユニットが復活する。


「お前……!」


「焦ってる。焦った火属性はね――燃え尽きるのが早いんだよ?」


アイリの中盤光魔法が連続ヒット。

《光壁》によってレンジのバーンが通りにくくなる

火の速度が殺されてしまう。


レンジは強引に突破しようと火力魔法を使うが――

光の妨害に阻まれ、最後の攻撃が通らない。


「……クソッ!」


アイリが柔らかい声音で言う。


「でもね、攻め方は好きだったよ。

 次はもっと上で会おうね?」


盤面が焼け落ち、レンジの敗北が確定する。


レンジ、敗北。


---


◆ 控室:勝者と敗者、そして“次へ”


最初に戻ったハルトは肩で息をしていた。

スピードに全力を注ぎすぎて、手が震えている。


「……勝てたけど、しんど……」


その直後にカエデが入室し、

ハルトの背中をぽんと叩いた。


「あなたの試合、綺麗だったわ。

 風の連動、あれはアートよ」


「そっちも完璧だったな」


二人はレンジの試合をモニター越しに見守る。


だが映るのは、

光の妨害に押し切られ、怒りと焦燥を隠せないレンジの姿。


決着。

敗北。


控室の扉が荒々しく開く。


「……悪い。落とした」


レンジは悔しさを隠さず、

手袋を乱暴に外して椅子へ投げた。


ハルトは小さく笑いながら言う。


「お前はいつも通りだったよ。

 今日は相手が悪かっただけだ」


カエデも優しく続けた。


「次、三人で勝ちにいけばいいだけ。

 ほら、顔を上げて」


レンジは二人を見て、

悔しそうに笑う。


「……ありがとよ。

 次は必ず燃やして勝つ」


三人は拳を合わせる。


“第三試合は、三人で取りにいく”

そんな空気が自然に――、

控室に広がっていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ