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エクリプスレイン  作者: 鳥雛


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第2話「初めての部室」

放課後の校舎には、春の柔らかい日差しが差し込み、長い廊下に新入生たちのざわめきが残っていた。

風間ハルトは少し遅れ気味に歩きながら、胸の奥で緊張とわくわくが入り混じるのを感じていた。

中学までは特に熱中するものもなく、毎日をただ流されるように過ごしてきた自分――

しかし、高校では、何か変わりたいという気持ちだけは確かにあった。


「ハルト、こっちだよ」

カエデが軽やかに歩きながら声をかける。

彼女はいつも柔らかい笑顔で、しかしどこか芯の通った雰囲気を持っている。

その後ろ姿を見ていると、なんとなく安心感と同時に、自分も頑張らなきゃと思わせられる。



女性がこちらに気づくと、ゆったりとした動きで立ち上がり、軽く会釈をした。


「ハルトくん、こちらが副部長の白浜りり先輩です」

カエデの声が、部室の静けさの中に柔らかく響いた。


白浜りり先輩は優雅に近づき、微笑みを浮かべる。

「はじめまして、副部長の白浜りりです」

上品な声、自然な立ち振る舞い。ハルトの胸は思わず高鳴る。

こんなに落ち着いていて、しかも優しい人と、これから同じ部活で過ごすのかと思うと、少しだけ背筋が伸びる。


「は、はじめまして。風間ハルトです」

小さく頭を下げる。緊張で手のひらに汗が少し滲むのを感じながらも、自然に背筋が伸びていた。


カエデは隣で微笑み、ハルトの様子を見守るように立っている。

「ハルト、中学の時のデッキ、まだ持ってるの?」

「うん。家に置いてあるよ。一応コレクションとしてね」

「そっか…あー、それじゃ今日は出来ないかぁ」

少し残念そうに言うカエデに、ハルトは胸の奥でほっとする気持ちと、期待が入り混じった。


「あら、カエデちゃん。ほとんどのカードなら部室にあるし、ハルトさんにここで組んでもらってもいいのでは?」

白浜りり先輩の声は品格に満ちているだけでなく、ほんのりとした温かさがあった。

「待って待って、俺はまだやるとは…」

ハルトは口ごもるが、心の奥では少し楽しみでもあった。

「えー、いいじゃん、やろうよぉ」

カエデが軽く肩を押すようにして、笑顔で促す。



ハルトは深呼吸をひとつし返事をする

「わかった、やってみるよ」


白浜りり先輩は優雅に手を振り、テーブルを指す。

「どうぞこちらでご自由に。まずは雰囲気に慣れてくださいませ」

その声には上品さだけでなく、初心者でも安心させる力があった。


カエデが隣でにこりと笑う。

「焦らなくていいよ、ハルト。思い出しながらで大丈夫」

その言葉に、ハルトの肩の力が少し抜ける。


テーブルの上にカードを並べながら、ハルトは心の中でつぶやいた。

(中学時代の無気力だった俺とは違う…変わろうと思っている)

カードに触れる感覚、手に取るたびに蘇る戦略や思い出――

すべてが新しい挑戦の始まりのためにあると感じた。


部室の静かな空気の中で、窓から差し込む光がカードを柔らかく照らす。

心臓は少し早く打ち、手がわずかに震える。

しかし、これは不安ではなく、期待の震えだった。


カエデが小さくつぶやく。

「ハルト、楽しもうね」

その言葉は魔法のように、ハルトの心を落ち着かせ、同時に胸を熱くさせた。


すると、扉の向こうから明るく自信満々の声が聞こえた。

「ちわーす!俺の名前は火野レンジ!将来プロレイナーになる男だ」

振り返ると、そこには火野レンジ――一人の男が立っていた。

「とりあえず誰かとバトルをしたい!そこの男!どうだ!?」

そう言い放ちハルトを指さす。

「あらあら、いきなり来て騒がしいですね、ハルト君挑まれてるけどどうですか?」


ハルトは一瞬、目を見開く。

(ついに、この時が来た…)

深呼吸をひとつして、デッキを握り直す。

心の中で、久しぶりに全力を出す準備をする自分がいた。

「わかりました、その勝負受けて立ちます!」


部室の空気は再び静まり、しかしどこか張り詰めた緊張感が漂う。

これから始まる新しい日々――

カードゲームの世界で、自分は何を見つけ、何を失い、何を得るのか。

ハルトの胸の奥で、小さな炎が確かに燃え始めていた。

基本ルールは段階的に書いていきたいと思います。

バトル構想とか考えてはいるもののわかりにくくなることもあるので

形式を整えていきたいです。

ひとまずは自分の書き方で書いていきますので厳しい感想等々よろしくお願いいたします。


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