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エクリプスレイン  作者: 鳥雛


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第17話 「ショップ:かちゅうのくり」

車内、運転席に座る瑞希先生は満面の笑みでハンドルを握っていた。

「今日は一年生が初めて私の車に乗るからね。交通違反はしないけど、“無駄を削る公道最速理論”は少しだけ見せちゃうわよ」


助手席に座るカエデは肩を震わせ、後ろのハルトとレンジはシートベルトを握りしめる。

「……それってなんですか?……」

「なんか不穏な言葉……」


瑞希先生はアクセルを軽く踏み、黄信号は安全確認の上で流し、加速は法定速度内で最短到達。ブレーキも効率的にフワッと減速し、車線変更も迷いなし。

「これが合法の範囲で最速に走る、私のテクニックよ。慣れれば楽しいからね」


後部座席で静かに座っていたリア先輩が口を開く。

「瑞希先生、落ち着いてください。今日は一年生も乗っていますし、事故だけは避けてください」


瑞希先生は軽く手を振り、笑顔で答える。

「大丈夫よ、リアくん。事故なんて起こさないわ。ただ少し緊張感を味わわせたいだけ」


カエデは思わず小声で呟く。

「……怖いけど、なんかワクワクする……」


ハルトも窓に手をつき、レンジは青ざめながらも少し興奮気味。


瑞希先生はアクセルを少し調整。車は安定してショップの前に到着した。


「ついたわ、ここがアニメもトレカも揃っちゃう ショップ「かちゅうのくり」よ」



店内、部員たちはカードを手に取り、戦術を確認しながらデッキを微調整する。

樹里先輩は手にしたカードを見つめながら目を輝かせた。

「このカードをこうすれば、デッキの動きが……」


「ふふ、流石はペンドラゴン様・・・超ロイヤルレアが美しい…3枚買おうかしら…」


カエデやハルトは思わず後ずさる。

「先生、ちょっと落ち着いて……それ1枚10万円…」


リア先輩がすっと近づき、穏やかに声をかける。

「瑞希先生、落ち着いてください。熱意はわかりますけれど、部員たちの前であまりテンションを上げすぎると混乱します」


瑞希先生ははっと手を止め、少し顔を赤らめて笑う。

「ごめんなさい……つい、夢中になってしまって、ジュル」


リア先輩は微笑みながらカードを軽く指で整え、瑞希先生の手をそっと落ち着かせる。

「今日は部員たちの練習を見守るのが目的です。カードを愛でるのは、後でゆっくり楽しみましょう」


瑞希先生は深呼吸して頷き、気持ちを落ち着けた。

「うん、そうね……ありがとう、リア君」


カエデも安心したように微笑む。

「……先生、少し落ち着いたみたい」



部員たちは思い思いにカードを確認し、戦術を微調整する。

ハルトとカエデは相談しながら序盤の揺さぶりを強化するカードを選び、レンジは火属性速攻デッキのコンボを最終確認。

樹里先輩やりり、マックス先輩もそれぞれの戦術を見直し、チーム全体で補完関係を意識していた。


しばらくするとレンジが提案する。

「ちょっと試しに戦ってみるか」


奥のバトルテーブルには、見慣れないプレイヤーが座っていた。落ち着いた空気と上品なカードケースから、強者の雰囲気が漂う。


レンジ

「俺と対戦してもらおう!」


リア先輩が小声でレンジに耳打ちする。

「無理はしないこと。自分のデッキを信じて落ち着いて」


相手は軽く微笑み、

「手加減なしで」と応じる。


バトル開始。

レンジの火属性デッキは攻め込むが、強者は冷静にカウンター。

火力を受け止められ、一度押されるレンジ。

しかし諦めず、手札とフィールドを見比べ、タイミングを狙ってコンボを仕掛ける。


「これで……最後だ!」


ぎりぎりで強者の防御を突破し、ライフを削り切る。

息を整え、満足げに小さく頷くレンジを、ハルトたちは静かに見守った。


強者はにこやかにカードを片付け

「今度はメインデッキでぜひ対戦したいですね、あなた達、西陽台高校の人でしょ?

今度の高校生大会に出るならぜひリベンジさせてください」

と言い去っていく


「あの強さでサブデッキか・・・しかもあの制服、隣町の時都高校だね」

レンジの勝利はサブデッキ相手の小さな勝利だったが、部員たちは次の対戦への闘志を感じ取った。



戦いの熱気が落ち着くと、部員たちは再びカードを手に取り、雑談しながらデッキを確認する。

カエデとハルトは相談しつつカードを選び、樹里先輩やりり、マックス先輩も自分のペースで確認。


瑞希先生は購入を諦めたウォータ・ペンドラゴンの超ロイヤルレアをスリーブに入れ、頬ずりしていた。

「うふふ……やっぱり可愛い……私のロイヤル仕様の子……」


部員たちは思わず笑い、ショップ内は笑顔と談笑で満ちる。

今日のデッキ調整は、レンジの初勝利や先生のロイヤル仕様ペンドラゴンへの愛も含めて、部員たちに楽しい思い出を残した。


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