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空幻剣士  作者: スイダ
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第一話 転移

初めての作品です。出来が酷いかもしれませんが見ていっていただけると幸いです。

佐藤翔は、何の変哲もない普通の高校生だった。勉強もスポーツも、特に際立った才能があるわけではない。友達との関係は良好だったが、どこかで感じる空虚さ、物足りなさが心の中にあった。世界のどこかに、自分を待っている何かがあるような気がしていた。


「もっと…何かが変わったらいいのに。」


そんな思いを抱えたまま、翔は放課後の帰り道を歩いていた。空は薄い橙色に染まり、少し肌寒い風が吹いている。家に帰ると、夕飯の支度をしている母親の声が聞こえるだろう。そんな平凡な日常を思いながら歩いていたその瞬間、翔の足元が急にふらつき、視界がぐらついた。


「あれ…?」


ふと足元に目を向けたその瞬間、視界が急激に暗転した。強烈な頭痛が襲い、体の力が抜けていく。目の前が真っ白になり、気づいた時には、地面に倒れ込んでいた。


「う…うう…」


意識がぼんやりとしていたが、徐々に周囲の音や匂いが鮮明になっていった。目を開けると、そこには見慣れた街並みではなく、どこか異世界のような景色が広がっていた。


「ここは…?」


翔は驚き、立ち上がろうとしたが、体がふらふらとしていて、すぐに再び膝をついてしまった。目をこすりながら再度視線を上げると、遠くに見えるのは巨大な塔のような建物。その周りには、奇妙な形をした木々や、見たこともない生物が歩き回っているのが見える。まるでファンタジーの世界のようだった。


「夢か…?」


翔はそう思い、もう一度目を閉じてみたが、目を開けても景色は変わらなかった。確かに、現実の街ではなく、まったく知らない土地に立っていることは間違いなかった。


「まさか…異世界転生?」


そうつぶやいた瞬間、頭の中で記憶がひとつの線となって繋がった。確かに、異世界転生をテーマにした小説やアニメを見たことがあった。そのような物語でよく見かける「転生」という言葉が、今まさに自分に起こったことを意味しているのだろうか。


「でも…なんで俺が?」


その疑問はすぐに解けなかった。何も前触れもなく、異世界に転生した自分が一体どうしてここにいるのか、何のために転生したのか、その理由はまったくわからなかった。


周りを見渡しても、特に人の姿は見当たらない。が、遠くから、足音が近づいてくるのが聞こえる。翔はとりあえず、その足音の方向に視線を向けた。そこには、見慣れない服を着た二人の男女が歩いてきた。男は中世の騎士のような装備を身に着け、女は華やかなドレスを着ている。どこか異世界の住人のように見えた。


「おい、大丈夫か?」


男性が心配そうに翔に声をかけた。翔は驚き、急いで立ち上がると、ふらつきながらも彼らの方に向き直った。


「あ、あの…僕、どうしたらいいか…」


「どうしたらいいか、ねぇ。まあ、君が迷子の冒険者って感じなら、うちのギルドに来てみるといい。ちょうど新人を受け入れようとしていたところだからな。」


翔はその言葉に驚き、しばらく呆然としていた。冒険者? ギルド? 何の話だ?


「でも、僕は…どうしてここに?」


「それは俺たちもわからないけど、君みたいな者が転生してくることは珍しくない。ただ、転生者がどんな力を持っているかによって、今後の生活が変わるかもしれない。君も何か特別な力を持っているんじゃないか?」


男の言葉に、翔は胸が高鳴るのを感じた。力、特別な力。そんなものがあれば、きっとこの世界で生きる希望が見えてくるかもしれない。それに、この世界で生きるためには何かしらの役割を持たなければならないだろう。


「ギルドって…?」


「簡単に言うと、魔法や剣を使った冒険をする者たちの集まりだ。そこに加入すれば、少しは生活が楽になるだろう。」


翔はその言葉に頷き、少しだけ心が軽くなった。


「わかりました。行きます、ギルドに。」


新しい世界に転生した翔は、これからどうなるのか、何を成すべきなのか、まだ何もわからなかった。しかし、少なくとも一歩を踏み出すことができた。その一歩が、彼の運命を大きく変えることになるとは、この時の翔にはまだ知る由もなかった。

まだまだ1600字程度であまり書ける量が少ないのですが、慣れていったら増やそうと思います。誤字、脱字ありましたら報告お願いします。

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