最終話:新たな旅路、そして追放
最終話:新たな旅路、そして追放
数年後、レオンとリリィの間に二人の子供—娘が生まれた。歳月が流れ、彼女たちは成長し、ついに自らの力を試す時が来た。彼女たちの名はエリスとレイナ。父親と母親から受け継いだ剣術の技と、特にカウンターを使える才能を持つ二人は、将来を嘱望されていた。
ある日、二人は家を出て、冒険の旅に出ることを決意した。父親の刀を、そして母親の刀をそれぞれ携えて、二人は立派な冒険者になるべくギルドに向かった。
「これから私たちも立派な冒険者になるんだ!」 エリスは元気よく宣言した。
「もちろん!父さんと母さんみたいに、誰にも負けないカウンターを決めてやるんだ!」 レイナも力強く拳を握りしめる。
しかし、ギルドに到着すると、ギルドの掲示板に目を通した後、ギルドのスタッフは顔をしかめた。
「えー!?追放ー!?」
二人は一斉に叫んだ。その声は周囲のギルドの冒険者たちにも響き渡り、数人の冒険者が振り向いた。
「ま、待ってください!どうしてですか!?父さんも母さんも大立ち回りしてたんですよ!」 エリスが驚愕しながら問いかけた。
「うーん、君たちの攻撃力がちょっと…弱すぎるな。」 ギルドスタッフは顎に手を当てて考え込みながら言った。
「え、だって…カウンターだってできるんですよ!あの強大な魔王を倒したカウンターを!」 レイナは必死に訴える。
「いや、カウンターって言っても、君たちの場合…相手に攻撃を受ける前に、しっかり準備しておかないと…」 ギルドスタッフは言葉を続けたが、どこか困った顔をしている。
エリスとレイナは顔を見合わせ、しばらく沈黙した後、どちらも口を開いた。
「「…どうしても、ダメなの?」」
ギルドスタッフはため息をつきながら言った。「正直言うと、君たちの攻撃力、スライム以下なんだよね…。それにカウンターもまだまだ未熟で…まあ、しばらくは修行しないとギルドには入れないな。」
「…えー!?それじゃ、どうやって冒険者になればいいんですか!?父さんも母さんも頑張ってたのに!」 レイナが膝をつき、肩を落として地面に座り込む。
「私たちもあんな立派な冒険者になりたかったのにー!」 エリスも頭を抱えてうなだれる。
ギルドスタッフは手を叩いて笑ってしまった。「まあ、まだ若いし、修行を積んでまた来なよ。そのうちきっと認められるからさ。」
二人はお互いを見つめ合い、しばらくの間沈黙した後、同時に言った。
「「やっぱり、まだまだ修行が足りないってことか…」」
そして、二人は決意を新たに、再び家に向かって歩き始めた。
「でもさ、父さんたちみたいにカウンターが上手く使えるようになったら…」 エリスがにっこりと笑った。
「うん、絶対負けないよね!」 レイナも元気に返す。
その後、二人はギルドから追放されたまま、修行の旅を続けることになった。そして、どこかでまた彼らの伝説が生まれるかもしれない、そんな予感を抱えながら。
「次は絶対追放されないぞー!」