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1話

一人の船員が叫ぶ

『船長、人が釣れた』

漁船の船長が気だるそうに船内から出てきた

『人〜?海に捨てとけそんな事より早く網上げろ陽が沈むぞ』

船員が言いずらそうな顔をして言った

『船長この子生きてます』

船長は空いた口が塞がらなかった

ここは陸から何十キロと離れていたからだ。

そして横たわって居たのはまだ青年と呼ぶには若すぎる少年だった。


ペチペチと頬に刺激がありゆっくりと目を開くと

そこには大柄で無精髭を生やしたおじさんが居た

『お前ここが何処だか分かるか?』

僕は状況を理解しようと必死に周りを見渡した

『船ですか?』

『そうだ、お前名前は?』

『蕪木 白』(かぶらき はく)

おじさんは頬を掻きながら言った。

『俺はレイ バードだよろしく』

『まぁそれでだ、なんでお前はこんな海のど真ん中に居たんだ?海水浴にしちゃぁ泳ぎすぎだろ』

『わかりません』

『わからないて言われてもなぁ、じゃ家は何処だ?』

『わかりません』

『なら親の名前は?』

『わかりません……』

気まずい空気が流れてる中扉が開いた

『船長そいつの首元』

『お前ちょっと後ろ向いてみろ』

僕は言われるまま背を向けた、襟足を上げてレイさんは言った。

『あちゃー、上物の呪いかけられてるなお前』

『呪い?』

『あぁ、要するにお前さんは上物の奴隷て事だ』

レイさんは優しくそして残酷な現実を教えてくれた。

僕にかけられた呪いは恐怖を感じたら意識が無くなり、その出来事も覚える事が出来ないらしい。

壊れないようにどんだけ辛い目に遭っても逃げないようにかけられてる。

『明日の朝港に着く、そして俺はお前の持ち主を探して送り届けるつもりだ。まぁ逃げたかったら逃げな』

……いったい何処に逃げればいいんだ

僕はこれから起きる最悪な未来の可能性を考えて、少し寝た。

都市リベール港

船員達は声を張りながら魚を仕分けしてた。

『レイさんあれはどうやってやってるんですか?』

船上なのに川の流れの様に水が動いててその流れにいろんな魚が流れてきたやつを箱詰めしていた。

『魔法だよ、お前見るのは初めてなのか?』

『はい、みんな使えるんですか?』

『勿論使えない奴もいるし人によってはタバコに火をつけるのが精一杯な奴もいる、そいつがどれだけ神に愛されてるかによるな』

僕は目を輝かせずにはいられなかった

都市のデカさ 港の活気 皆が魔法を使い働いてた。

港から20分ほど歩いただろうか、レイさんの家に着いた。

ガチャりと扉を開けるとそこには真っ赤な長髪の女性が居た。

『な、なにその汚い子』

彼女は僕を指さして言った

『トリン、風呂』

レイさんはそう言って僕の方を見てから次にリビングのテーブルを指さした、多分そこでじっとしとけて事だろう

トリンさんがお風呂を準備してる間にレイさんは食事の準備をしていた、料理のいい香りが充満してきた時

『ガキ、あんた先に入りな一人で入れるよね?』

僕はうんと頷いた

風呂場の鏡に映る自分を見て

…確かに汚い、髪はボサボサ デコにはいつ付いたかわからない泥、僕は出来るだけ丁寧に綺麗に汚さない様にお風呂に入った。


手を合わせて僕達は食事に箸をつけた

『それでこの子何なの』

トリンは僕の方を見ながら言った

『奴隷の子さ運搬中に逃げ出したんだろう』

『あんた名前は?歳は?どこ出身なのさ?』

『カブラキハク 12歳出身とかは何も覚えてない気づいたらレイさんに助けられてた』

『助けた覚えはないがな』

『どうするつもりなのさ、父さん奴隷の子なんて面倒な事に巻き込まれても知らないよ』

『何を言ってるんだこれからその奴隷商人を探して送り届けるつもりなんだぞ、感謝される事があってもいちゃもんつけられる筋合いはない』

トリンはスープを一口飲んで言った

『酷い!せっかく逃げてきたのにまた送り返すの?』

レイさんは困った顔をして頭を掻いた

『どっちなんだお前は……それに家は奴隷を買う程裕福でもないし、匿って上げていざこざに対応出来るほど人脈も力もない、残酷だがそれが現実だ』

『嫌な現実』

トリンはムスッとした顔で言った

『それでハク何か少しでも覚えてる事ないの?居た場所の景色とか匂いとか』

僕は、求める答えが出来ないその上温かいご飯を頂いて迷惑をかけてるそんな感情から出た言葉だった。

『ごめんなさい』



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