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第18話「猪突猛進型のおバカ」

よろしくお願いします。

守里が風紀委員室を出た後も、まだ風紀委員室に残り、若月達の前に立つ美月。




美月: …



若月: 美月はまだ帰らないの?



美月: いや、その…



葵波: 守里のことを聞きたいんでしょ。



愛衣: まぁ流石に聞きたくもなるよね、あれは。



美月: はい…



若月: でも、私達もそこまであいつのことは知らないんだ。



愛衣: 異常に我慢強くて、喧嘩がめっぽう弱いってことしか分からないの。



葵波: さっきも言ったと思うが、誰かに絡まれても、自分は全く攻撃せず、ただ相手の攻撃を受け続けるんだよね。



愛衣: まぁそのおかげで、私達風紀委員が現場に駆けつけて、相手を捕まえることができるんだけど。



若月: 守里は、去年もこういう感じで絡まれることが多かったから、私達風紀委員と関わりが深いんだよね。



美月: そうだったんですか。



若月: 確かに、あいつは私達から見ても、異常で不気味だけど、絶対に悪いやつじゃないから。



葵波: そうそう、優しいやつだよ。



若月: だから、これからもあいつの相方として、一緒に居てあげてね。



美月: 分かりました。



愛衣: あ、でも守里のことを詳しく知りたいなら、なぁちゃんに聞けばいいかもね。



美月: なぁちゃん…さんと言うと?…



若月: 今の生徒会副会長だよ。なぁちゃんは守里と昔からの友達だから。



美月: へぇ…



若月: 機会があれば、聞いてみると良いんじゃない?



美月: はい。色々とお話して下さって、ありがとうございました。



葵波: いえいえ。



愛衣: どういたしまして。



若月: これからも、なんか相談事があれば、聞いて。答えられることなら答えるから。



美月: はい!じゃあ失礼します。




そうして美月も風紀委員室を出ていった。



◈◈◈



家に帰る道中で美月は考える。



守里君はどういう人なんだろうな。


優しい人だってことは分かるけど。


私を守ってくれたし…



でも、結局、他の人の力を借りてる。


絶対に守るって言ってたけど、守里君1人じゃ守れないんじゃん。



美月は守里の言葉に疑念を抱きつつも、普段通りにみんなと接する。




ガチャ




美月: ただいま。



◇◇◇◇



ガチャ




守里: ただいま。




保健室での手当てを終え、自宅に帰ってきた守里。




蓮花: おかえり、お兄ちゃんーーって何その怪我!!!



守里: ん?ああ、これはちょっと色々あってね。



蓮花: え…痛くないの?



守里: うん、大丈夫だよ。



蓮花: ほんとに?




蓮花が不安そうな顔をする。



これは、いつも通りを演出しないと…




守里: うん。だからほら、おいで。




そう言って守里は手を広げる。




蓮花: うん。




蓮花は守里に抱きつく。



いや〜我ながら妹には弱いな笑




守里: さ、リビングに行こうか。



蓮花: うん!




守里は怪我をものともせず、蓮花を抱き抱えてリビングへ。




ガチャ




守里: ただいま〜



結真: おかえりって守里!大丈夫なの?!



桜: お、お兄ちゃんおかえ…



美月: …



守里: うん、大丈夫だよ。



結真: いやいや、流石に大丈夫じゃないでしょ、それは…蓮花も早く離れなさいよ!



守里: いや、本当になんともないから、結真姉さん。あと、蓮花ちゃんには、僕から抱きついたから。



結真: そ、そうなの…で何があったの?



桜: …(蓮花ズルい…)



守里: あぁ…それはね…



美月: 私を助けてくれたの。



結真: え?



美月: 私がヤンキーに絡まれてるところを守里君が助けてくれたのよ。



結真: そうだったんだ。



守里: 僕は喧嘩が弱いからね。こうなっちゃったんだ。でも美月さんを無事守れて良かったよ。



美月: …



桜: お、お兄ちゃん、ほんとに痛くないんだよね?



守里: うん、問題ない。



蓮花: ありがとね、美月お姉ちゃんを守ってくれて。



結真: 私からもありがとう。



守里:いえいえ、家族として当然のことをしたまでだから。



桜: (カッコいいな…)



守里: じゃあ僕はお風呂に入ってくる。



結真: 分かった。晩ご飯用意しとくからね。



守里: はーい。




そう言って守里はお風呂に行った。





流石に怖がらせちゃったかな。


でも僕も、なんでこういう体なのか、分からないんだよね。



怪我はするけど、そんな痛くないし、相手の攻撃を受けても体がビクともしないし…


自分から攻撃をしようとしても、セーブがかかるというか、力が湧かないんだよな…



笑、こんなのが防衛団の次期団長だなんてね笑


父さんに聞けば、なんか分かるのかな…


でも、分かったところで何か変わるわけでもないし…



いつも通りにやっていこう。



◇◇◇◇◇



翌日



ガチャ




守里: おはよう〜



結真: おはよう、守里。今日は休日なのに早いわね。



守里: 早いって言っても8時だよ。



結真: 確かにね笑、でも他のみんなはまだ起きてこないのよ。昔からだけど。



守里: まぁ休日は遅くまで寝ときたいよね。



結真: 今日はなんか予定あるの?



守里: うん。っていうか土曜日は、朝から夕方までバイトだよ。



結真: あら、そうなの!大変ね笑



守里: うん笑、でもバイト先の人達も優しいし、面白いから苦ではないかな。



結真: それなら良かった。もう朝ご飯食べる?ってまだ作ってないんだけど笑



守里: じゃあ、久しぶりに僕が作るよ。



結真: そう?守里の料理は美味しいから嬉しい!



守里: 笑、楽しみに待っててね。




顔を洗った守里はキッチンへと向かう。




結真: ねぇ守里、学校はどうなの?




料理をしている守里に結真が話しかける。




守里: うん、楽しいよ。いつメンとずっと喋ってる。



結真: いつメンって言うと、日向子ちゃんと、この前話してた、山室さんと木村君ね。



守里: そうそう。昔から仲良いからね。



結真: へぇ〜



守里: ずっと傍にいてくれたし。



結真: 美月は学校ではどんな感じなの?あの子あんまり話してくれなくてね。



守里: うーんと、あんまりクラスの子と、話してはないかな。僕達も話しかけに行こうかなって思ったんだけど、美月さんは家族だってことを秘密にしたいって言ってたし、1人が好きな子なのかなって思って。



結真: ふーん…



守里: でも、ちゃんと友達として仲良くできるように頑張るよ!!



結真: うん!よろしく。





しばらく時間が経って…



朝ご飯を食べ終わり、バイトに向かう時間になる。




守里: そろそろ出ようかな。



結真: 結局誰も降りてこなかったね笑



守里: そうだね笑



結真: せっかく守里が朝食作ってくれたのに…



守里: まぁみんな引っ越したばっかりで、疲れてたんでしょ。



結真: それもそうか。



守里: じゃ、いってきます!!



結真: うん、いってらっしゃい。




そう言って守里は家を出ていった。



そしてそのすぐ後…




蓮花: おはよう…




目を擦りながら、蓮花がリビングに来る。




結真: 笑、蓮花おはよう。朝ご飯食べる?



蓮花: うん…



結真: フフ、まだ完全に起きてはないみたいね笑



蓮花: お兄ちゃんは?



結真: もうバイトに行ったわよ、みんなの朝ご飯作って。



蓮花: え!!そうなの!!!



結真: うん。(一気にテンションが上がった笑)



蓮花: えーお見送りしたかったな〜



結真: 今度からは早めに起きる事ね笑



蓮花: 頑張ろ!



結真: じゃあほら、愛しのお兄ちゃんが作ってくれた朝ごはんを食べなさい笑



蓮花: はーい!!!



◇◇◇◇



カフェBINGO!



ガチャ




守里: おはようございます。



店長: 森崎君おはよう!



奈々未: 守里君、おはよう。



守里: 今日って珠美来るんですか?



店長: うん、来るよ。っていうか、森崎君のシフトと全く同じだよ。



守里: え、マジですか…



奈々未: なに笑、嫌なの?



守里: いや、そういうわけではないんですけど。




ガチャ




珠美: おっはようございまーーす!!!



奈々未: 噂をすればだね笑




タイミング悪すぎ…




店長: おはよう!中村さん、朝から元気だね。



珠美: はい!それが珠美の良いところなので!!



奈々未: 笑、おはよう。



守里: おはよう。



奈々未: ねぇねぇ珠美ちゃん。



珠美: なんですか?橘先輩。



奈々未: 今さっき守里君がね。



珠美: はい、守里先輩がどうしたんですか?




おいおい…




奈々未: 珠美ちゃんとシフトが同じなのが…



守里: 良いなーって言ってたんだよ!!!




珠美はイジけると何するか、分かったもんじゃないからな…




奈々未: 笑



珠美: ///えー、それって、守里先輩も運命を感じたってことですか?!!!



奈々未: うん笑、そうみたいだよ。



守里: ハハ…



珠美: 珠美嬉しいです!!!



奈々未: 笑、あと私の事は奈々未の方で呼んでね。



珠美: はい!分かりました!奈々未先輩!!!



奈々未: (先輩は取れないのね…)



店長: じゃ、そろそろ始めますか。



奈々未: 2人はまず着替えてきて。



守里 珠美: はい!





その後、お客さんも何人か来て…




店長: もうお昼だから、順番に休憩しようか。



奈々未: じゃあ珠美ちゃん、先に休憩入っていいよ。



珠美: 良いんですか?



奈々未: うん。先に休んでおいて。



珠美: 分かりました!!



守里: ふぅ…今日もお客さん少ないですね笑



奈々未: それはそうだけど、口に出さない。



店長: うん、思っても欲しくないかな笑



守里: はーい。




そう守里が言った瞬間…



ガチャ



ゾロゾロ



大勢の客が入ってきた。




守里: ん?あれは…



奈々未: 日向子ちゃん達だね。



守里: うるさいのが来たな…



奈々未: じゃあ、幼なじみの守里君よろしくね。店長も忙しくなりそうですよ。



守里: 分かりました…



店長: OK。




あくまで店員として対応…




守里: いらっしゃいませ。



日向子: おっす!!守里来てやったぜ!!!



守里: 何名様ですか?



日向子: もう!酷いやつだな!せっかく私が来てやったのに!!



守里: 何名様ですか?ニコッ



日向子: うっ…10人です。



守里: お好きな席にお座り下さい。



日向子: はい!




日向子は元気よく返事し、席に座った。




守里: ご注文がお決まりになりましたら、お呼びください。



日向子: 了解です!!




守里はキッチンの方へ向かう。




守里: やっぱ疲れるな…あ、店長、メロンソーダ用意しといて下さい。絶対あいつ頼むんで。あとドーナツも。



店長: 了解。



奈々未: 流石、幼なじみね笑



珠美: 帰ってきました〜ってめちゃくちゃお客さんいるじゃないですか!



奈々未: あら珠美ちゃん、おかえり。



日向子: すいませーーーん!!!



奈々未: 笑、早速だけど、注文取ってきてもらっても良い?



珠美: はい!!



奈々未: あと、守里君は休憩入っていいよ。日向子ちゃんと話してきな。



守里: 休憩は入りますけど、日向子のところには行かないです。



奈々未: あっそう?笑



日向子: 守里!!!カモン!!!!



奈々未: 呼ばれてるけど笑



守里: 珠美のやつ…



奈々未: こうなったら行かないと、どうなるか分からないね笑



守里: しょうがないか…



奈々未: 笑、いってらっしゃい笑




そうして、珠美が守里と入れ替わりで戻ってくる。




珠美: 注文はメロンソーダと・・・・・・、あと、ドーナツの盛り合わせ、・・・・・・です。



奈々未: 笑、守里君の言ってた通りだ。



珠美: そうなんですか?



奈々未: うん、日向子ちゃんが頼むもの全部当ててたよ笑



珠美: 凄いですね。



奈々未: にしても量多いな、守里君を休憩に入れなきゃ良かった。



珠美: 珠美頑張ります!!!




一方、守里は…




日向子: おっ、やっと来たな〜守里。さっきは冷たい態度を取りやがって、覚悟しろよ!!!




それぞれがワイワイと喋っている中、日向子が守里に話しかける。




守里: いや、僕バイト中だから。



日向子: ふん!!



守里: で、今日はこんな大勢引き連れて、どうしたの?



日向子: ふん!



守里: …



紗耶: 新部員の歓迎会らしいです。



守里: あ、紗耶ちゃん!ありがとね、教えてくれてニコッ



紗耶: ///いえ、とんでもないです。



守里: やっぱ、紗耶ちゃんは日向子とは違って優しいな〜



日向子: ムカッ



守里: 紗耶ちゃん、新入部員って何人なの?



紗耶: えーっと、紗耶含めて、6人ですね。



守里: へぇー、部活楽しい?



紗耶: はい!先輩達のおかげで!!



守里: 良い先輩なんだね笑



紗耶: はい!!



日向子: ニコニコ



守里: チラッ



日向子: !、ガルルル



守里: 笑



??: あの〜もしかして、守里先輩ですか?!



守里: え、うん。そうだけど。




紗耶の隣に座っている子が話しかける。




??: 噂通りのイケメンですね!!!



守里: え、あ、ありがとう。えっと君は?



??: あ、大変失礼しました。"馬道奈緒(うまみち なお)"です。1年生です!!



守里: 馬道さんね。



馬道: えー、奈緒も下の名前で呼んでくださいよ〜



守里: いや、さすがに初対面でそれは…



馬道: お願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いします…



守里: わかった、わかったから。




なんか僕の後輩、強引な子が多いような。



守里は最近会った後輩たちのことを、思い浮かべる。




守里: 奈緒ちゃんでいい?



馬道: はい!!お願いします!!



守里: 元気だね〜笑



紗耶: 練習中も奈緒は元気なんですよ!うるさいぐらいに。



守里: そうなんだ笑



馬道: うるさいとはなんだ、うるさいとは!



守里: 奈緒ちゃんはどう?バスケ部楽しい?



馬道: はい!もちろんです!!



守里: じゃあ日向子先輩はどうかな?



馬道: うーんとそうですね〜元気一杯ですね。




うん、先輩への評価ではないな笑




守里: そっか笑



日向子: ニコニコ




いや、嬉しいんかい笑




守里: チラッ



日向子: !、ガルルル




まだダメか…



日向子の機嫌が治らないまま、話していると…




??: もう早く仲直りしてよ!!歓迎会なんだからさ!!



守里: ごめんごめん




僕らと同級生で、バスケ部2年のまとめ役でもある"西条美咲(さいじょう みさき)"が痺れを切らした。




西条: 日向子が暗いと、こっちだってやりにくいんだって!!



守里: 分かったから、何とかするよ。




守里は日向子の正面に座る。




守里: あ〜いつもの日向子と話したいな〜



日向子: !



守里: ねぇみんなもそう思うよね?



紗耶: はい!元気な日向子先輩とお話したいです!!



日向子: !!



西条: 明るい日向子がいてくれたらな〜



日向子: !!!



馬道: うるさい日向子先輩が戻ってきて欲しいな〜



日向子: (怒)




おいおいせっかく良い調子だったのに…


奈緒ちゃんは爆弾だな。




守里: あ〜元気一杯で可愛い幼なじみと話したいな〜



日向子: !!!!!!!!!!!!!!!!!!



守里: チラッ



日向子: ニコニコニコニコニコニコ




よっしゃ上手くいった。




西条: さすが森崎君ね、日向子のツボを抑えてる。



紗耶: 日向子先輩めちゃくちゃ笑顔だ。



馬道: 奈緒のおかげですね。キラン




(((いや、それはない)))




守里: 日向子、部活楽しい?



日向子: うん!!!めっっっちゃ楽しいよ!!!



守里: そりゃよかった。



日向子: 見てよ!!この可愛い後輩達を!!!



守里: うん。日向子も先輩になったんだな!



日向子: エッヘン!!!



守里: じゃあほら、そんな可愛い後輩達のためにも歓迎会を盛り上げてあげて。



日向子: もちろんだよ!!まっかせなさい!!!




そう言って日向子は後輩達の方に向かった。




西条: ありがと、森崎君。



守里: いえいえ、いつもの事だから。



奈々未: 守里君、そろそろ!



守里: はーい!ってことで、僕呼ばれたから、行くね。



西条: うん。



日向子: 守里!!がんば!!



守里: じゃ、楽しんでね。




そうして守里はバイトへと戻った。





そしてバスケ部の歓迎会も終わり…




日向子: じゃあね!!守里!!!



守里: ありがとうございました。



日向子: また来るからね!!!!!



守里: ニコッ




ガチャ




守里: ふぅー、やっと帰った〜



珠美: さすがに疲れましたね。



奈々未: あの子達めちゃくちゃ注文するんだもん。



守里: 人数も多かったですしね。



奈々未: ほら見て、店長もぐったりしてるわ笑



守里: あ、ほんとだ、店長大丈夫ですか?!




守里がそう声をかけると、店長はグッドサインを掲げた。




守里: 何とかって感じですね。



奈々未: まぁでも、もうそろそろで閉店だから。



守里: そうですね。



珠美: 今日も無事終了ですね!!




このカフェは、平日は夜までやっているのに、土日は夕方には閉店する。


店長の都合らしいけど。



そして、ハードだった今日のバイトが終わった。





to be continued


ありがとうございました。

まだまだ続きます。

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