表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

105/340

第105話「二度目のお見舞い」

今話から、閑章の2つ目に入ります。

よろしくお願いします。

守里: じゃあね。



美月: バイバイ!!



珠美: はい!!さようなら!!



新里: お疲れ様です!!



梅澤: じゃ。




学校を出た守里と美月は、梅澤達と別れ、家への道を歩く。




美月: 珠美ちゃんと連絡先交換できた〜



守里: 笑、そんなに嬉しい?



美月: そりゃあ、だって、珠美ちゃんは初めて仲良くなった後輩なんだもん!



守里: そっか笑



美月: ってか、若様部隊なのに、若月先輩抜きでグループ作るのは、変だよね笑



守里: なら、今度の風紀委員の仕事の時に、頼んでみたら?



美月: 次は金曜日か。



守里: そうだよ。



美月: よし、やってみる。もし成功したら、初めて先輩と連絡先を交換することになるな〜



守里: この機会に、葵波さんと愛衣さんのも貰っとけば?



美月: 分かった!!



守里: 笑



美月: どうしたの?



守里: いや、なんか美月の交友関係が広がってるのを見ると、嬉しくて笑



美月: 笑、守里のおかげだよ!



守里: そう?笑。でも1番は、美月の頑張りのおかげだって。



美月: 毎回このやり取りになるね笑



守里: 確かに笑



美月: あ〜今日の晩ご飯何かな〜



守里: 昨日がミートスパゲティだったから…



美月: カルボナーラ?



守里: さすがに麺類連続はないんじゃない?



美月: なら、オムライス?



守里: 一昨日食べたじゃん笑



美月: そっか笑、じゃあ…





パチ






守里: …



美月: ハンバーグ!



守里: うん。



美月: あれ?なんか反応薄いな〜笑。守里はハンバーグ大好きでしょ?



守里: うん。



美月: ?



守里: 病院…病院に行かないと。



美月: 病院?っ!!(まさか、守里。)




守里が立ち止まり、伊衛能病院に向かおうとし始める。




美月: ちょっ、ちょっと待って!守里!!



守里: なに?



美月: 私も行く!



守里: …分かった。



美月: (守里の家族として、ちゃんと向き合っていかないと…よし、まずは、お姉ちゃん達に連絡しよう。)




そうして、美月は結真に連絡を送りながら、守里の後について行き、伊衛能病院へ。



◈◈◈



伊衛能病院




看護師: 森崎君、こんにちは。



守里: こんにちは。



看護師: 今回も、御家族の方がいらしたんですね。



守里: はい。



美月: こんにちは。



看護師: こんにちは。では、こちらをどうぞ。



守里: どうも。



美月: ありがとうございます。




前回と同じく、エレベーター付近にいる看護師から、許可証を受け取る2人。




看護師: こちらにお乗り下さい。



守里: 美月、行くよ。



美月: うん。




3人はエレベーターに乗り、地下に向かう。



美月は、守里の隣でエレベーターの床を見つめる。



なんか、緊張する。


この看護師さんの雰囲気も異様だし、今の守里も、まだよく分からないし。



やっぱり、1人で来るのは…



いや、私は守里の家族なんだ。


心を強く持とう!!



チーン



エレベーターの扉が開く。




看護師: どうぞ。



守里: ありがとうございます。



美月: ありがとうございます…




守里は看護師にお礼を言うと、実の姉である優茉の病室に向かって、歩き始め、美月もそれについて行く。



改めて見ると、やっぱりここの病院おかしいよね…


看護師さんも全然見当たらないし、何より人がいなさすぎる。



普通ならっていうか、ここの上にある入院棟は、結構、看護師さんが廊下を歩いてるし、お見舞いに来た人とかもいる。



でも、ここは、そういう人が全くいない。




守里: …



美月: …




この状態の守里には、感情がないんだよね。


それと、お姉さんの記憶としては、名前と年齢しか残ってなくて、それ以外のことは覚えてない…



それで、春時や飛香が言うには、もしかしたら私達と一緒にいることで、記憶が戻るかもしれないと。


そのことも、一応確かめないとだ。



そうして、美月と守里は、優茉の病室に到着する。



ガラガラ




守里: 失礼します。



美月: 失礼します…




病室の中に入ると、前回と変わらず、部屋の中央にあるベッドで、優茉が安らかに眠っていた。




守里: 1ヶ月ぶり、姉ちゃん。



美月: こんにちは、お姉さん。



守里: 今日は美月を連れて来た。



美月: 改めて、どうも。白城美月です。守里の…う〜ん、姉?妹?…同い歳です。よろしくお願いします。



守里: 今月は色々とあって、悪いヤツを捕まえたりした。



美月: 中々大変だったよね。



守里: うん。



美月: 守里、大活躍だったんですよ笑



守里: 美月も。



美月: 笑、ありがと。



守里: うん。




その後も、守里は淡々と、この1ヶ月で起こったことを話し、美月はそれに相槌を打ったり、感想を言ったりして…




守里: よし、そろそろ。



美月: ねぇ、守里。




記憶が戻ってるかどうかを確かめなきゃ。




守里: なに?



美月: お姉さんの好きな食べ物ってなんなの?



守里: 好きな食べ物………あ、オムライスだったかな。小さい時、よく食べてたし、僕に作ってくれてたりもしたよ。



美月: っ!!!!そ、そう…




答えてくれた!


前回は、分からないって言ってたはずだから…やっぱり、記憶が少し戻ってる。



よし、もう少し質問してみよう。




美月: じゃあさ、お姉さんと遊びに行ったりしたことある?



守里: 遊びにか……ギフトモールに買い物に行ったことはある。確かその時に…



美月: その時に?



守里: …グッ



美月: 大丈夫?!




守里が頭を押さえる。




守里: …うん。その時に、姉ちゃんに言われたんだ。女の子の荷物は持ってあげなきゃダメだよ、って。



美月: へぇ。




部分的に思い出してるって感じなのかな…



にしてもお姉さんは、そんなことを、守里に言ってたんだ。


守里はお姉さんのことを覚えてなくても、お姉さんに言われたことは守ってるみたい。




美月: じゃあさ、お姉さんと守里と、日向子達みんなで遊んだことってあるの?




春時達の話では、小さい時はよく、みんなで遊んでたみたいだから…




守里: …うん、あった?……いや、あった。遊んだことある。



美月: 何をして遊んでたの?



守里: …分からない。



美月: そっか。




ここまでか…


じゃあ、最後に…




美月: 守里はさ、お母さんのこと覚えてる?



守里: お母さん?……分からない。



美月: …分かった。




やっぱり、お母さんのことは、全く記憶が無いんだ。


でも、このままいけば、いずれ、お母さんのことも思い出すことになるのかな。




美月: ありがとう、守里。教えてくれて。



守里: うん。質問は終わり?



美月: そうだよ。



守里: なら、帰ろうか。




そう言って、守里は扉の方に向かう。




美月: お姉さん。




美月は優茉の眠るベッドに近づく。




美月: お姉さんが目覚めるまでは、私が守里を支えますから。でも、私も早くお姉さんと、お話してみたいです。



守里: 何してるの?行くよ、美月。



美月: うん!




そうして、2人はエレベーターの所まで戻り、看護師と共に、1階に到着する。




看護師: では、また。



守里: はい。




守里が病院の入口に向かう。




美月: あの…



看護師: どうされましたか?



美月: 守里についてのお話を…



看護師: 私は答えることができません。




美月は、看護師に話を聞こうとしたが、看護師はそれを断る。




美月: …そうですか。すみません。



看護師: いえ…



美月: では…



看護師: …森崎君を支えてあげてください。



美月: え?



看護師: 森崎君は、中学2年生の頃から毎月、ここに来ています。



美月: …



看護師: 私は、その様子をずっと見てきました。しかし、1度も森崎君が笑ったところを見たことがありません。森崎君にどのような事情があるのかは知りませんが、私は、森崎君の笑顔を見てみたいんです。



美月: 守里に何があったのか、知らないんですか?



看護師: はい。私は末端ですから。




末端?


どういうことなんだろう…




看護師: 先月来た御家族の皆さんや、今日の貴女を見て、多分、貴女達なら森崎君を、変えることができると思いました。



美月: っ!!



看護師: 私が言うのも変ですが、森崎君をよろしくお願いします。



美月: はい、任せて下さい!



看護師: 笑



美月: っ!笑




初めて、この看護師さんの笑顔を見れた。




看護師: 森崎君が、待ってますよ。早く行ってあげてください。



美月: そうですね笑。じゃあまた来ます!



看護師: はい。




そうして、美月は看護師の元を離れ、病院から出る。


すると、守里が病院の前で立ち止まり、キョロキョロしていた。




美月: 守里〜



守里: あれ?美月。どうしてここに…



美月: まぁいいじゃん!帰ろ!



守里: 笑、そうだね!



美月: それで、さっきの会話の続きなんだけどさ。



守里: さっきの会話って、確か…



美月: 今日の晩ご飯の話だよ!



守里: あぁ〜そういえば、そうだった。



美月: なんだと思う?



守里: う〜ん、ハンバーグだったら嬉しいな!!



美月: 笑、そっか。ハンバーグだったら良いね。




こうして、2人は家に帰ったのだった。





to be continued






ありがとうございました。

まだまだ続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ