第102話「奈々未の考え」
よろしくお願いします。
結真と桜、そして奈々未が朝食を食べ始めてからしばらくして…
ガチャ
美月: おはよう。
蓮花: おはよう!!!
元気な2人がリビングへとやって来る。
結真: 笑、おはよう。今日は2人同時だったんだ。
美月: うん。扉を開けたら同じタイミングだった笑
蓮花: びっくりしたよ!
奈々未: 朝から元気ね笑
蓮花: 奈々未さん!!おはようございます!!!
美月: おはようございます。昨日はありがとうございました。
奈々未: おはよう。どういたしまして、美月。
結真: 2人もご飯食べなさい。
蓮花: はーい!!!
美月: うん。
桜: モグモグ…おはよう。
美月: おはよう、桜。
蓮花: おはよう!!!ってあれ?お兄ちゃんは?!!!
美月: あ、確かに。
結真: まだ降りてきてないわよ。
美月: へぇ、珍しい。
蓮花: やった!!お兄ちゃんより早起きできた!!!
結真: 守里も疲れてるんでしょ。まだ時間はあるし、ギリギリまで寝かしときましょ。
奈々未: だね。
蓮花: はーい!!
美月: うん。
桜: モグモグ
美月 蓮花: いただきます!!!
2人も朝ご飯を食べ始める。
奈々未: 今日は、風紀委員の仕事があるんでしょ?美月。
美月: はい。あります!
奈々未: 是非、うちの店に寄ってね笑
美月: 私は行きたいです!!
奈々未: …守里が嫌がる?笑
美月: それもですけど、香蓮の方が…
奈々未: 梅刺奴欺ちゃん?
美月: 梅刺奴欺ちゃんって…はい、そうです。あの子が行くっていうかどうか…
奈々未: だったら、店長が挑戦を待ってるって言ってみてよ笑
美月: あ、それなら大丈夫そうですね笑
奈々未: 店長、あの時から張り切っちゃって笑
美月: へぇ、完成したんですか?
奈々未: つい昨日。店長が満足気な顔して報告してきた笑
美月: 笑、楽しみです。今日は絶対に行きます。
奈々未: 待ってる笑
結真: ねぇ。さっき話に出てきた梅刺奴欺ちゃんって…
奈々未: あの有名な、梅刺奴欺ちゃんよ。
結真: 前に色んなところで暴れてた、中学生の女の子か。覚えてる。
奈々未: 結真、興味持ってたもんね。
結真: だって、凄くない?中学生ながら、年上の荒くれ共に喧嘩売ってたんだよ。根性ある!
奈々未: 笑、結真は会ったことあったっけ?
結真: 遠目からなら。
奈々未: 結構な美人さんだよ。
結真: へぇ。
奈々未: ちょっと結真に似てたかな笑
結真: それは気になる笑
美月: 怒ってる時のお姉ちゃんって感じ。
蓮花: 怖っ…
結真: ん?
奈々未: 確かに笑
桜: 梅澤さん、見たことあるけど、すごいオーラまとってた…
美月: 笑、前はそうだったけど、今はそんなだよ。意外と可愛いところもあるし。
奈々未: 随分と仲良くなったんだね。
美月: はい!!
蓮花: ってか、お兄ちゃんそろそろ起こさないとヤバくない?!
結真: ほんとだ、もう時間が…
美月: 私いってきます!!
結真: いや、美月はまだ食べてる途中でしょ。
美月: ブー
奈々未: 笑
蓮花: なら蓮花が!!モグモグ
結真: ダメ。早く食べなさい。ってことで、桜。よろしく。
桜: 分かった。
朝ご飯を食べ終わっていた桜が、守里を起こしに行く。
コンコン
桜: お兄ちゃん。
シーン
桜: まだ、寝てる…よし。
ガチャ
桜: 失礼します…
部屋に入った桜は、守里が寝るベッドの方へ。
桜: お兄ちゃ…っ!!
スヤスヤと眠る守里を見た桜は、驚愕の表情を浮かべる。
桜: (夜の間に何があったの?!昨日、寝る前はこんな怪我してなかったのに…)
桜は、守里の顔の手当を受けた部分に触れる。
守里: zzzz
桜: 起こさないとだよね…お兄ちゃん。
守里の肩を揺らす。
守里: う、う〜ん…
桜: お兄ちゃん、朝だよ。
守里: …桜?
桜: そうだよ。起きて。学校に行く時間だよ〜
守里: うん…
守里はベッドから体を起こす。
桜: おはよう、お兄ちゃん。
守里: おはよ〜桜。
桜: …ねぇ、お兄ちゃん。聞きたいことがあるんだけど…
守里: なに〜?
桜: その…怪我…どうしたの?
守里: あ…
うわっ考えてなかった…
昨日、部屋に戻ってきてから、すぐ眠気が来てベッドに入っちゃったんだよな。
どう、答えよう…
守里: …
と、守里が悩んでいると…
桜: …下に降りてからだね。
守里: そ、そうだね。
桜: …行こ。
守里: うん…
守里と桜はリビングへ。
ガチャ
桜: 連れて来たよ…
守里: お、おはよう…
結真: おはよう、守里…
蓮花: お兄ちゃん!!おは…っ!!
美月: っ!!!!
守里: すみませんでした!!!
誤魔化し方が思いつかなかった守里は、すぐさま謝った。
蓮花: なんでそんな怪我してるの?!!!
美月: 寝る前はそんな怪我してなかったよね…
守里: はい。
美月: 夜に行ったのか…
守里: そうです。
蓮花: どういうこと?
桜: ?
結真: はぁ…前回以上にやられたみたいね。
守里: 敵が強かったんだ…
美月: …あんなに行かないでって言ったのに…
守里: ごめん…美月。どうしても行きたくて。
美月: 結果、それでしょ。私は守里に怪我して欲しくない…
守里: …
美月: なんで自分から危ないことに突っ込んでいくの?!安全な所で警察が捕まえてくれのを待っとけば良かったじゃん!!そうしたら、守里だって、痛い目に遭わなくて済んだのに…
守里: ごめん…
美月: …
結真: 美月…
リビングに重い空気が流れる。
すると…
奈々未: ごめん、美月。先に謝っとく。
美月: え?
奈々未: 私は、守里に頼まれて、美月の気を引くように言われてたんだ。
美月: …そうだったんですね。
奈々未: それで、美月が思ってることも十分理解できる。
美月: …
奈々未: でもさ、美月も一緒に過ごして分かったと思うけど、この森崎守里っていう人間は、とにかく負けず嫌いで親切なんだよ。
美月: …分かります。
え、分かるの?…
奈々未: 親切だから、困っている子がいたら助けようとするし、負けず嫌いだから、何がなんでも諦めないし、ちゃんと解決したいとか思っちゃう子なの。
美月: はい。
奈々未: これはもう、絶対に変わらないことなんだ。だってそれが、森崎守里を形作ってるピースなんだから。
美月: …守里が危ないことに首突っ込んで行くのは、仕方の無いことって言いたいんですか?
奈々未: うん。
美月: それは、分かってますよ。でも、嫌なんです。こんな傷ついた守里を見るのは…いつも元気な姿でいて欲しいんです。だって…守里は…
美月の言葉が詰まる。
奈々未: 美月の感情が許さないか…それに、美月は自分が何もしてあげられないことも、気にしてるんでしょ。
美月: はい…今回も、前に白仮面を捕まえようとした時も、守里は頑張ってるのに、私は何もできなかった。三高に行った時も、結局守里に頼ってしまった…そんな自分も嫌なんです…
結真: …(三高…)
奈々未: そっか…だから、守里を引き止めたかったの?守里が活躍できないよう、自分の傍において、これ以上自分が嫌いにならないように?
美月: っ!!そんなことは!
奈々未: 無いって言い切れるの?
美月: …
奈々未が俯いている美月の肩に手を置く。
奈々未: あんまり、自分を責めないの、美月。
美月: …
奈々未: 誰も、美月が何もできてないなんて思ってないよ。でしょ?守里。
守里: っ!!うん。もちろん。
奈々未: 私が保証する。美月は守里と同じように、誰かの役に立ってる。
美月: 奈々未さん…
奈々未: あの梅刺奴欺ちゃんも、美月が心を開かせたんでしょ?
美月: そんなことは…
守里: いや、香蓮は美月のこと大好きだよ。最初の頃からは信じられないぐらい笑
奈々未: でしょうね笑。カフェで美月と話してる時、凄く幸せそうだったもん。
美月: …
奈々未: だから、大丈夫。自分のできること、得意なことをやっていけば良いの。
美月: …はい。
奈々未: まぁまずは、守里君をサポートすることかな。
守里: え?
奈々未: だって、守里君が危ないことに首を突っ込んで行くのは仕方の無いことだとしても、そういう状況になる前に、対処しちゃえば良いだけじゃない。
美月: そう…ですね。
奈々未: そうすれば、守里君が動く必要は無くなるんだから。それでもし、そういう状況になってしまったら、守里君を信じて、守里君が元気に帰ってくるのを、ドンと構えて待っとけばいいのよ。
美月: 笑、分かりました。
やっと美月が笑った…
なんとかなったか…
奈々未: じゃあ、美月が信じて待っとけるようにも、守里君はできるだけ怪我をしないようにしないとだね笑
守里: ですね笑、頑張ります!
美月: ほんと、頼んだよ!
パシン
美月が守里の肩を思いっきり叩く。
守里: 笑、痛いって。
美月: この美月ちゃんを心配させたお仕置笑!
蓮花: なら蓮花も!!!!
パシン
守里: ちょっ蓮花まで…
ペチ
桜: ムー
守里: え、桜も?
バシン
守里: 痛っ!!結真姉さん?!
結真: 私も心配したのよ笑
奈々未: なら私も…
守里: っ!!どうかおやめ下さいお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いします…
バシン!!!!!!!!!!
守里: ブハッ!!
強烈なビンタを食らう守里であった。
to be continued
ありがとうございました。
まだまだ続きます。