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続色吉捕物帖  作者: 真蛸
鬼黙団
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 太助とふたりの捕方は通りに出ていき、のたうち回っている怪我人を立たせ、肩を貸した。店から爆発音がして、体の横を空気を切り裂きながらなにかがかすめていった。

「ちくしょう、撃ってきやがった」

 怪我人を引きずるようにして慌てて退散する。

「親分が撃つなら撃て、なんて言うからでしょうが」

 捕方のひとりが言った。

「ああ言やあ、ふつう撃ってこねえもんだろが。意気に感じるってことを知らねえのか」

「ええ……」

 岸摩屋には戻らず、そのまま摂津屋から遠ざかる。それを追うように二回、銃声がしたが、いずれも弾は誰にもあたらなかった。

 少し離れたところに、気の利くやつが戸板を三枚用意していた。怪我人を任せると、太助はさっきの路地に入っていった。

「その後どうでえ」

 摂津屋の明り取りを見上げている卒太に小さく声をかける。

「なにもありやせん」

 窓を見あげたまま卒太が答えた。

「そうか」

 これからどうしたものか。店のまえを通って宇井野のもとに戻るのは危険だ。太助も明り取りを見あげ、腕を組んだ。


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