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八
「へえ」
色吉は感嘆した。「そいつはさっき旦那のおっしゃってた、ひとの心の不思議、ってやつですかねえ」
惣兵衛はにこにことうなずいた。
「わたしにとって、父に賭博をやめさせられるかどうか、というのはまさに賭けでございました。そしてそれに勝つことができて満足でした。ああ賭けごとというのはこういうものか、と商いとはまた違った面白さを感じたものでございます。そしてほんの少しだけ、親父殿の気持ちがわかった思いがしたのです」
「へえ」
色吉は感嘆した。「そいつはさっき旦那のおっしゃってた、ひとの心の不思議、ってやつですかねえ」
惣兵衛はにこにことうなずいた。
「わたしにとって、父に賭博をやめさせられるかどうか、というのはまさに賭けでございました。そしてそれに勝つことができて満足でした。ああ賭けごとというのはこういうものか、と商いとはまた違った面白さを感じたものでございます。そしてほんの少しだけ、親父殿の気持ちがわかった思いがしたのです」
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