第5話 〜『絶滅』〜
「う……ん? なんだこれ」
今日、朝起きた時俺のベットの横の机に魔王の玉座に来いという書置きがあった。
そしてその上には新調の装備と赤い石がついた謎のブレスレット、俺が使い古した木刀が置いてあった。
なんでこんな事をしてあるんだと考えると、1つのことが浮かんだ。
今日は年に4回ある魔王軍会議が行われる日だ。
もしかしたら俺は魔王軍幹部になれるのではないかと、ワクワクしながら防具を着る。
◇◇◇◇◇
魔王城、魔王の玉座。ここで魔王軍会議は行われる。
金で構成された大きい扉……いや大きすぎる扉。
「『制御』解除」
こんなに重い扉を開けるには『制御』を解除せざる負えないな。
「ふんんんんんんんんっ!」
片方の扉を全力で開ける。人一人分の隙間が開き、俺は玉座の間に入る。
玉座の間に入ると、扉は重低音と共に閉まる。
遠目でも分かったが、魔王軍幹部12人と四天王の4人が魔王様の後ろに横一列に並んで立っていた。
「魔王様どうしたんですか? 急に呼び出して」
「アイラ、君は僕達を家族と思っているかい?」
俺は何を当たり前のことを言っているんだと思いながら魔王様の質問に返答する。
「思ってるよ。みんなが俺の家族で架け替えの無いものだって」
「そうか…………」
魔王様は俺の方へ右手の手のひらを向けた。
俺は瞬時に魔王様の右手に膨大の魔力が集中しているのをすぐに理解する。
「ファイア」
次の瞬間、俺の方へと圧倒的な強さの炎が放たれた。
「ファイア!」
俺は無意識下で『制御』を解除し、全魔力を使ってファイアを放った。
魔王様のファイアと俺のファイアは相殺し合い、火花が雨のように魔王の玉座へと降り散る。
「何やってんだよ魔王様!? 危うく死ぬところだったぞ!?」
魔王様は俺の目を見て、そして皆も俺の目を見て重い声色でこう答えた。
「「「「「「アイラ・ミーラ、私達は君を世界一の最弱勇者として認めよう」」」」」」」
みんなが声を合わせて言った言葉、最弱勇者?
どうい——————
「ッッッッッッッッ————————!?」
次の瞬間俺に圧倒的な殺意が纒わり付く。それは魔王様、それは魔王軍幹部から、それは四天王から。
その圧倒的な殺意に俺は怖気付かない、だって家族だから。ただのイタズラだろ? ただの遊びだろ?
「世界一の最弱勇者? みんなどうしたんだよ」
でも誰も俺の質問には答えようとしない。意味が分からない、どういうことだよ!
「炎獣王様 貴方様の力を借りたい 紅炎魔法」
「地中より湧出し大地の力 泥魔法」
「我の力を最大限に引き出せ 力魔法」
「「私達の影を作り出せ 光魔法」」
「防御の至高を 防御魔法」
「無に還れ 無効魔法」
魔王様の後ろに並んでいたみんながさっきの魔王様みたいに右手の手のひらを俺に向けてきた。
さっきの魔王様と同様、魔力が集まっているのが分かる。
「師匠! ハラさん! ミケラン! メラ、ラメ! みんな! どうしたんだよ!?」
こんな魔力、訓練では見たことない!みんな俺を殺す気で撃つ気だ!?
「どうしたんだよ!? そうか操られてるんだよな!? 待ってろ! 今すぐにそいつをぶっ倒してやるから!」
おかしい! こんなみんなの姿見たことない!?
どうして俺に向かって魔法を撃とうとしてるんだよ!?
「「「「「「「「「魔族魔法『絶滅』」」」」」」」」」
次の瞬間、アイラに眩い光と共に圧倒的すぎる魔法が放たれた。
『絶滅』魔族には一切害はなく、人間の細胞という細胞を破壊し原子という原子を全て破壊する。
場合によっては一国を再起不能に出来るほど。
まさに禁術魔法。
だがこの魔法を放つにも代償がある。
「くはぁ~~~~、魔力もうなんもねぇや」
「にゃ~~~~、体の脱力感が半端ないにゃ~」
圧倒的魔力量を誇る魔王軍幹部、四天王達が一気に倒れ込む。
魔王、魔王軍幹部、四天王が全ての魔力を使わないといけない。
これが『絶滅』の欠点。
『絶滅』を使った後は体の脱力感が物凄く1歩も動ける者はいなくなる。
圧倒的な威力と共に、魔王の要である者たちが全て再起不能になる。その時に魔王城へと攻め込めば呆気なく魔王軍は崩壊するだろう。
「みんなお疲れ様、アイラの盛大なお別れは終わったね」
だがそこにも例外がいる。
歴代魔王の中で最強の魔王、その魔王は何事も無かったような顔をしている。
「「魔王様なんで立ってられるの~」」
「世界最強とはそういうものだよ」
「へへへへきききもわるいぃぃぃぃぃぃ」
魔王はへたれこむ仲間に笑いながらアイラが”消えた”場所を見る。
「さぁ、勇者よ。君はどんな答えを出す?」
はい追放されました。可哀想ですね、どうなってしまうんだろこの先……まぁ今回はそんぐらいしか小説のことは喋れないですね。
それより私が思ったのは皆は詠唱をどうやってかっこよくしてるんだろうなーと思いました。
語彙力皆無の俺にはカッコイイ詠唱は書けないんですよね。
まぁそんなことはどうでもいい。小説の名前が全然しっくり来ない! なんかこれと言ったやつはないのか!?考えても分からない……どうすればいいのか……もう分からない……話は180°変わるのですが、俺は重大なミスを冒しました。この先の話に女の子が全然出てこない!どうしよう、男子多めなんだけど、女子は? 日常生活で陰キャ生活してるそのせいか……絶対にそうだ!
まぁ出てくるは出てくるのですが……
by 今日は2本投稿、明日は1本投稿したいと思っている犬三郎