第28話 〜拳術〜
『主戦班の第1パーティー、第4パーティー、第5パーティーは西へ! 第3パーティー、第10パーティーは東へ! 東と西で戦闘が始まり次第、遊撃班が後ろから襲撃をする! 他、主戦班のパーティーは目の前から来る敵を撃て!』
『『『『了解!』』』』
「始まったな流石、【知の聖騎士】完璧に予想していたな」
「黙れ弱者。無駄口はよせ」
「せっかく緊張をほぐそうと思ったのになんだよその言い草は」
「私が緊張すると言ってる時点でお前は弱者だ。私は滅多なこと以外、緊張をすることはない」
「へいへい俺が馬鹿でした、俺は精神統一でもしてるか」
俺はメガネがどこかへ行けと言うまで出撃は出来ない。だからやることは体の状態を最善にしておくことだ。
皆、頑張ってくれ。
◇◇◇◇◇
『東のキュロス教国の部隊とエラスラン王国の部隊が戦い始めた! ダイル、バーリーは今すぐ後ろから相手を撹乱、作戦通りにいけ!』
『『了解 (だよ)!』』
「行くぞダイル!」
「筋力増加の薬飲みまーーーす!」
バーリーは走り、ダイルは薬を飲みながら走る。目の前からは魔法の爆発音や剣が弾き合う音が響く。
「全てを冷やせ 全てを凍らせ 全てを零度にさせろ 氷の力を
私の体に覆い尽くせ 冷たい力は私を強くさせる 冷たくなった私は下民を驚かせ 下民は貴方様を崇拝しよう さぁキュロス教共を驚かせ 凍死させ レザリオ様名をとどろかせ! 氷魔法『絶対零度の体』!」
長文詠唱終えたあと、バーリーの周辺は凍りはじめる。歩いた場所が氷になり、手を振るだけで肺が凍る。
正に絶対零度の体。
普通は近くにいるだけで体が冷え、肌は低温火傷する。
だがすぐ隣にいるダイルは凍るどころか、周りにも分かるほど魔力の気が体から溢れている。
それは何故か?
ダイルは常日頃から異常なほど薬物を飲んでいる。それは毒になるものもあるし、治療にもなるものがある。
今まで死にそうになったことは何度もあるが、ダイルは薬物を飲む度に体の状態異常が高くなるという特殊体質に産まれたのだ。
薬物を飲み続けて17年の時が過ぎ、ダイルの体は異常をきたした。特殊体質にも耐えられないぐらいの薬物を摂取しすぎたのだ。体温が下がり30度を下回った時、さすがに死ぬと思った。
だがその時、ダイルの体は進化した。体温が下がると力が湧き出たのだ。魔力、力、俊敏、耐性。全ての能力値が爆発的に成長したのだ。
ダイルは自分の体温が下がると強くなる。正にバーリーと居れば鬼に金棒。
「ダイルいくぞ!」
キュロス教国は目の前のエラスラン王国の部隊との戦いで後ろの2人には気づきもしなかった。唯一気づいたのは体の冷えだった。そこで気づけば被害は最低限に抑えられたのかもしれないが……もう遅い。
「ダイル流 拳術 『百裂風拳』」
ダイルはキュロス教国の部隊が見えた時、パワーアップしたステータスと共に物凄い量の気を拳へ流し込む。
そして拳をキュロス教の部隊に向けてとてつもない速さで連続的に殴る。
『第2部隊はキュロス教国との戦いを中止、一旦距離を離せ!』
『『『了解!』』』
グールの指示により、キュロス教国と戦っていた第2部隊は一旦離れる。
キュロス教国はその後退の意味も知らずに、エラスラン王国の部隊を追うとするが……
「ぐあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ダイルの気の拳に当たった者はまるで何回も殴られているように体が凹む。
キュロス教国の部隊からは100メートルも離れている。そのためどこから何かが撃たれているか分からなかった。
「よし! 引くぞダ————」
「かはっっっっっっっっっ!?」
バーリーがダイルの方を見たら、ダイルのお腹には剣が刺さっていた。
「貫け 穿て レザリオ様の氷の破片を撃て! 氷魔法 『氷柱』!」
バーリーは空中に氷の大きい氷柱を出し、謎の者に放つ。
だがその氷柱は溶けてしまう。
「炎系の魔法使いか!?」
「せいかーーーい。どお? 俺っちすごいでしょ」
「今すぐにダイルから離れろ!」
「離れてもいいけど……この子の心臓俺が貫いちゃった」
「いやお前のために言ってるんだが」
「は? どうい————」
「ダイル流 拳術 『百裂突き』!」
ダイルは謎の人物に正拳突きを喰らわす。
「かはっっっっっっっっ!?」
謎の男はダイルの正拳突きによって吹っ飛ぶ。
「あーあっぶないなー。俺じゃなかったら死んでたよ」
ダイルは刺さった剣を引き抜く。そしてその剣を折る。
ダイルの刺傷を見てみるとどんどん再生していくのが分かる。これがダイルが先程の飲んだ薬物の1つの効果。大量の魔力を消費する代わりに体の回復速度が異常なほどな速さになる。
その魔力も体温が低くなれば直ぐに回復する。バーリーと居たら不死身といっても過言ではないだろう。
「安心するのはまだ早いぞダイル、あいつは強いぞ」
「分かってるよー。しかもあいつ炎系の魔法使うじゃん、俺たちと相性激悪」
謎の人物が飛ばされ舞った砂埃が晴れた時、謎の人物は姿を現す。
「ほーーーー炎の鎧は予想外だ」
先程は何も着ていなかった体に炎の鎧が身についていた。
「あ〜あ、痛いなー」
う〜ん、最近筆から乗らないとかカッコイイことを言ってみました。
最新作が難しいんですよね〜って事で23時、0時にも投稿させていただきます!
by 今回めちゃくちゃ後書き短いなーと思った犬三郎




