第26話 〜ミー〜
「第2回キュロス教国侵略軍対抗部隊作戦会議を始める!」」
聖騎士長の大きな声で始まった第2回会議。もちろん進行はメガネがやる。
「この1週間で皆さんのパーティーの連携、信頼は深まったことでしょう。そこで今回はキュロス教国がどう攻めて来てもいいように作戦1〜50まで考えさせて頂きました。それは目の前の紙をご覧下さい」
俺は目の前の紙の束に軽く目を通す。
ほうほう大まかなとこは変わらないが、ある程度何が起こってもいいように細かいとこが違うのか。
「ある程度の事でいいですので50頁全て目を通し頭に入れて頂きたい。司令塔の人は全て頭に入れてください。作戦の変更はこちらの魔法『念話』で指示します」
もしもの時のために俺も頭に入れといた方がいいな。
「では今度は大まかな陣形を発表させていただきます。皆さん、ここに入ってきた時に渡された番号札が貴方たちのパーティーの番号です。今から映し出される映像に番号がありますのでそこが貴方たちの守るべき場所です」
俺が貰った番号は11番か。本部隊とは離れているな、やはり俺たちは遊撃部隊なのか。
「キュロス教国が王都に忍んだいる可能性もあるので聖騎士団はある程度しか出撃できません。ですがもしもの自体に備えて聖騎士長様は私達に加勢できる場所で待機してくれます」
やはり聖騎士団はある程度しか出撃できないか。まぁそれはしょうがない。それでもこちらにはSランク冒険者も聖騎士もいるらしいし、戦力としては申し分ないだろう。
「後は作戦通りに行動していただければ勝てる戦になっています。まだ相手の目的が分かっていない以上、怖さもありますし、攻めてくる時間も分かりません。ですが最低、後5日、最高7日以内に攻めてくると私は確信しています」
ほぼ1週間で攻めてくるか……。これは覚悟しないとな。
「それでは質問がある人はいますか?」
奥に座っている誰かが手を挙げる。
「どうぞ【灰色針】さん」
「作戦が書いてある紙を目を通してみたが何故か攻めてくる場所が分かっている、それ以外の陣地の場所の作戦はいいのか?」
「攻めてくる場所はそこだと100パーセント言い切れます。そこは私を信じてくれ……としか言えませんが」
「それなら大丈夫だ。【知の聖騎士】がいうなら間違いない」
「では他に質問はありますか?」
「どうぞ、そこの赤い服の人」
「今回はキュロス教国が攻めてくるということだが、もしキュロス教国が他の小国家と手を組んで攻めてくるとしたらどうする?」
「それは考えられませんね。キュロス教国が小国家と手を組むという馬鹿な小国家はいないでしょう。しかもキュロス教国は独立国家、他と群れるのを嫌っています」
冒険者の質問に全て答えるメガネ。あいつあんな敬語使えるなら俺の時でも使えよと心の中で悪態をつく。
◇◇◇◇◇
「くはぁ〜疲れたーーーー! 会議があんなに長引くとは思わなかったな」
メガネに一緒に帰るかと気色悪いことを言ってみたがあいつは案の定「気色悪いこと言うな弱者」といい睨まれるだけで終わってしまった。
「そういえばサファイア元気にしてるかな〜、何も言わずに1週間ぐらい行ってないけど……まぁあいつのことだし別にいいと思ってるだろ」
それにしても第7騎士団の活動区画は街灯が少ないな。普通なら犯行行為や悪者達がたむろってるはずだけど……それがないのはバーリーさんのお陰だろう。
「………………………………てかここどこだよ」
この1週間この区画の隅々で巡回したが……圧倒的方向音痴にはそんなもんは関係ない。この区画まで迷わないで来れたのが凄いと誇ってもいいだろう。
「まぁ屋根の上に登れば簡単に見つかるけど、時間も時間だから音がうるさいんだよな」
屋根に登って歩く音は案外、家の中に響くらしいとダイルさんに言われた。
「まぁ歩くしかないか」
あんなデカい屋敷だ、歩けば見えるだろ……と思ってた俺が馬鹿だった。もう1時間ぐらい歩き回っている。そんなに迷うことはないはずなんだけどな〜。
「参ったな。どうしよう」
困り果てた時、暗闇の中から足音が聞こえた。
「………………!」
「あ、ミーさん!」
街灯に照らし出されたのはミーさんだった。
◇◇◇◇◇
作戦会議が行われた次の日、第7騎士団と俺とナルはバーリーさんに連れられ屋敷の会議室まで来た。
「これから遊撃の特別作戦の詳細、パーティーの編成を行う」
机の上に出されたのはエラスラン王国の首都周辺の地図と、針の上部分に丸い球体が付いた色とりどりの針。これが、部隊がどこにどうなるかってやつだろう。
「ちょっと始める前に1ついいか?」
「なんだ弱者?」
「ワイは作戦に入れられないのか?」
「無理だ。あいつはお前より弱い」
「でもあいつもこの1週間で確実に強くなったぞ?」
「任務に私情を入れるなと何度言ったら分かるのだ。 あいつは弱い、しかもあいつの自由奔放な戦い方それを私達がカバーしろというのか?」
メガネの言い分は確かに的をいている。だがワイを入れても得は充分にある。あいつは窮地に陥ると確実に進化する。今だって任務に入ろうと頑張って努力してこの短時間で進化をした。
あいつには俺やナルにはない特別な才能がある。
「そうだな……。どうせあの圧倒的弱者は今日、私に抗議しに来るだろう。それ次第で決めてやる、全てはあいつ次第だ」
うんうん……うーーーーーーーーーーん。
うんうんうん。たんたんんんんんんんんん
ごごごごごごごごごごごこごご
ばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
そんなことはどうでもいい。
私、最近ゲームにどっぷりとハマりましてやばいです。サッカー嫌いなのにサッカーゲームを、FPSゲーム苦手なのにFPSゲームを……マジでゲーム楽しい!
by んばーーーーーーーーーーーー犬三郎




