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第23話 〜葛藤〜

「今回の作戦では私達の任務は遊撃です。キュロス教国の部隊を私達が錯乱し、場合によっては殺す。この任務においてそこの2人……ナルさんはギリギリ。ワイさんに関しては任務には連れて行けません」


「はぁなんでだよ!?」


ワイが反抗するのは当たり前だ。ワイの本質をみてくれたらバーリーさんだって賛成してくれるはずだ。


「バーリーさん、それはワイの力をみてな———」


「アイラさんは黙っててください。ワイくん、貴方自身も分かっているのではないですか? レッドウルフとの戦いとこの館に来て自分の実力を」


バーリーさんの話は的をいている。だけどワイはこの数週間で確実に前より強くなった。これはふざけた事だ。


「バーリーさ———」


「どうですか、ワイくん?」


またもや俺の言葉を遮り、ワイの目を見てバーリーさんは問う。


「くっ………………わーったよ。俺はこの任務を抜けさせてもらう」


ワイは立ち上がり、この屋敷からこの部屋から出ようとする。


「任務には連れていけない、ですが一応私達との関係は築かせてもらいます」


「はぁ? 任務に行けねぇんだったらお前らと一緒にいる理由はねぇよ」


イラついているワイ。そんなワイを見たからか冷静になり、そしてバーリーさんの言葉の裏には緻密な作戦があると確信する。


「そんなこと言わずにやってみたらどうだワイ?」


「…………お前が言うなら」


「なら決まりです。では、早速行きましょう」


「え、何処へ?」


「人助けですよ」



◇◇◇◇◇



俺とミーさんとバーリーさん、ナルとダイル、ワイとグール。この3班に別れ、何をするか緊張して付いていくとそれは……


「おばあさんこんにちは、手伝いに来ました」


「あらありがとね。じゃあ洗濯物をお願いしましょうかね」


「はい洗濯物ですね。アイラ君お願い」


「あ、はい分かりました!」


雑用とも言いきれない事をやらされている。

民家をまわりお年寄りの介護、家事の手伝いや子供に勉強を教えたり家の修理をしたり、全く訳の分からないことをやらされている。


ハラさんがいっていた聖騎士は自尊心の塊だって言ってたけど……それはナルやナルのお姉さん、カインケルなどから伝わっていたからそうだと信じていたが、この第7騎士団は……というか第7騎士団が特殊なのだろう。


聖騎士団は基本的に街の安全、訓練。このように民人に構ってる暇はないはずだ。


「毎日ありがとね〜。お茶しか出せないけど、そちらの新人さんもどうぞどうぞ」


「あ、ありがとうございます」


洗濯物や家の掃除を終えおばあさんからお茶が出された。バーリーさんも頂こうといい、お茶を飲む。


「私達のことを変な奴らだと思ってるでしょ?」


「いや変な人というか特殊な人達だなって」


「あはははは。ミーは喋らないし、ダイルは馬鹿だし、グールは頭はいいけど性格はひね曲がってるし、私も私で頼りのない副団長だし」


「いやいや、メガネ以外の皆さんはとても素晴らしい人達だと思ってますけど……なんでこんなことをするんですか?」


バーリーさんは少し驚いた顔をして、俺の質問にどう答えようか少し悩み笑顔で答える。


「聖騎士団は人の安全を守る団。だけど1個の聖騎士団ぐらい民人の為に尽くす団も居てもいいかなってグールが……というより第7騎士団を設立した人が決めたんだ」


「へぇ〜そんな理由があったんですね。私の知識では他の団からの厄介者達が集められた騎士団と聞いていたんですが」


俺の少し嫌味が入った物言いにバーリーさんは「あははは」と苦笑いをする。


「それは合ってるようで間違ってるね。グールが直々に私達の団に入ってくれないかってほかの団に誘いにいくんだよ。その人達がたまたまその団の厄介者だっただけだってはなしだよ」


「あのメガネが……」


あのメガネがこの団を作っているんだったな。


「………………!」


俺とバーリーさんがお茶を飲んでいたテーブルにケーキが置かれる。誰が置いたのかと置いた人物をみてみると、そこにはミーさんがいた。

先程からミーさんが何かやってると思っていたが、ケーキを切っていたのか。


「このケーキ、ミーが作ったのか?」


「………………」


うんうんと首を縦に振るミーさん。師匠は無言でしかもなにも体で言葉を表そうともしなかったが、ミーさんは体で言葉を表現しようとする。それがミーさんの個性でとっても魅力的だと思う。


「食べていいそうだよ。アイラ君食べてあげてくれるかな?」


「はい。じゃあミーさんいただきますね」


————もぐもぐもぐもぐ


「うん、美味しいです」


「………………!」


「はははは、嬉しがってるようだよ」



◇◇◇◇◇



「ありがとーお兄ちゃんー!」


「うるせぇお前ら! 俺はお前らのためにやってねぇんだよ!」


「あはははははは! お兄ちゃんが怒ったー!」


クソ! なんで俺様がこんなことやんねぇといけねんだよ!


「ほら弱者、次行くぞ」


「あ、ああ分かった!」


「バイバイお兄ちゃーーーん!」


第7騎士団、団長とやらがどんなのか期待したが俺より小さくて無愛想で気に食わないやつだった。


だけど分かる、こいつは俺より強い。こんな小せぇやつでも俺より強くて皆から頼りにされてる……なんでだよクソ!



◇◇◇◇◇



「ふぅ〜そろそろ寝るか」


皆さんとご飯を食べ終え、個人個人の部屋にミーさんが案内された。部屋に備えつけられているお風呂入ったことだし、俺は意気揚々とベットに横たわる。


今日の疲れた体を癒そうと、俺は直ぐに眠りにつく。


————シュン!


「あっぶな!?」


俺の顔の横にナイフが刺さる。いやこの屋敷、寝る時もナイフ放ってくるのかよ!?


「いや、眠れるわけないだろおおおおぉぉぉぉぉぉ!?」



◇◇◇◇◇



「はぁ……はぁ……はぁ……。まだ全然足りねぇ、あいつには」


「こんな真夜中によくやるな」


「……グール」


俺の目の前に現れたのはグール、クソっ! 練習してるとこ見られるなんて……!


「ここはいい特訓の場になる。四方八方から飛んでくる刃、そのどれにも規則性は何も無い、感覚を研ぎ澄ませるにはもってこいの場所だ」


「そんな話をするぐらいならどっか行け、邪魔だ」


「…………」


俺がどっか行けと言ってもどこにもいかない、何なんだよこいつ。


「お前は獣の森でレッドウルフと遭遇し瀕死になったと聞いているが……そうなのか?」


「あ? それがなんだっていうんだよ」


「悔しいだろ」


何だよこいつ何様だよ。今まで俺と喋りもしなかったのに口を開いたら人の負けたことに対してグチグチいいやがって、うざってぇ。


「お前には関係ないだろ」


「今回の任務だってそうだ。お前だけがこのパーティーから外された」


「それがなんだって言うんだよ……!?」


「なんでお前が弱いか教えてやろうか?」


何だよこいつ! うぜぇうざってぇ! なんで俺が弱いかだって……? そんな力がないからに決まってるだろ!

レベルも経験も、技も全て全て何もねぇからだよ!


「俺が弱い理由なんてそんなもん分かってんだよ」


「分かってないな。お前は何も分かってない」


「は? 何がわかってないだよ、俺のことは1番俺が分かってんだよ!」


「いや分かってない。お前は自分の弱さを気づいてない」


「じゃあ言えよ! 俺の弱さを言えよ!?」


「お前には守るものがない」


「守るもの? なんだよそれ!?」


「それが分からなければお前はいつまでも強くなれない。まぁそれだけだ、頑張って特訓しろよ」


「なんなんだよ……」


いやーーーーーなんだろうな。やっぱり違う! 何回目だよこれ、でもなんか……違うなーー。

なんか自分で正解が出せない……うーーーん。小説って難しい!


まぁそんなことはどうでもいい。


今回はワイの成長を見て欲しい! アイラに出会う前ならグールとの会話にもっと声を荒らげていいのに最初、我慢してるんですよ! 久しぶりにこの話を見たらワイの成長に心打たれました。……でもまだワイの成長はいっぱいありますよ!


by 小説を書いてて楽しい犬三郎

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