第21話 〜シュン!〜
第7騎士団、団員数はたったの4人。第1〜第6騎士団は見習含めて平均団員数約150人前後。
普通はそれぐらい居なきゃ機能しない騎士団なのに第7騎士団はたったの4人で切り盛りしている。
圧倒的実力と頭脳を兼ね備えた、個では最強の部隊と魔王軍では教わった……
てかあのメガネ第7騎士団だったのかよ!?
「なんだと? まさか新人が第7騎士団に……」
「終わったなあいつ」
「気の毒にもうこの街では生きていけねぇよ」
「あははははははははははははははははは! おわっっったぁぁぁぁははははははははははははははは!」
更に更に会議室がざわつき始める。そんなに第7騎士団ってやばいのか?
「まずはパーティーの親睦を深めてくれ。一週間後また会議を開催させてもらう」
◇◇◇◇◇
「おい弱者、お前は明日ここにお前のパーティーと一緒に来い」
こいつ弱者とか言いやがって何様だよ!? 俺の渾身の一撃を止めただけなのに、渾身の一撃を止めただけなくせに!
「分かった。ここに何時に行けばいい?」
俺は下唇を噛みながら敬語を使う俺の苦痛ったらないぞ!?
「そんなことは自分で考えろ」
そんなん教えられないと分からねぇだろこのクソメガネ!
とイライラした気持ちを抑えられず心の中で暴言を吐いてしまった……俺らしくないが……無性にこいつの言い方はムカついてしまう。
「………………そうだな。じゃあ8時ぐらい行くがいいか?」
「好きにしろ」
それでいいぞとかも言えねぇのかこいつは…………
「では、聖騎士長様。私はこれで失礼します」
「今日はご苦労だったな!」
「いえ、至極真っ当なことをしただけです。それでは失礼します」
メガネは最後に俺を見て嘲笑しながら会議室の扉を開け、消えていった。
「じゃあギルドマスターに聖騎士長、俺は行くよ」
「がははははは! 我に敬語を使わない奴は久しぶりにみた!」
会議室に響き渡る、聖騎士長の声。まだその場にいた冒険者達は俺のことを冷たい目で見る。
俺はそんなことを気にせず会議室の扉を開ける。
会議室から出ようとした時、後ろからまた聖騎士長の声が聞こえた。
「若造! 折れるなよ!」
◇◇◇◇◇
「第1騎士団〜第7騎士団にはそれぞれに活動区画があり、第7騎士団は王都の外れにあると言っていたが……場違いすぎるだろ」
「凄いでありますね」
王都は王宮から離れていくとどんどん、家が貧相になっていく。だがスラムはなく、少し賃金が低い家になるぐらいだ。
だが第7騎士団の家は豪華絢爛と言っても過言ではないぐらい凄い綺麗な家だ。
それ以上にこの家の中からメガネからも感じた、強者の匂いがする。
「何2人ともビビってんだよ。俺は入るぞ!」
「いやワイ! 入るな!」
————シュン!
「ッッッッッッ———————!」
ワイが門に手を掛けた瞬間、ワイの顔に刃が飛んできた。
ワイはギリギリの所で刃を躱したが、ワイの頬からは血が垂れていた。
「あっっっっっっっっっぶな!?」
ワイは慌てて後ろにさがり、傷ついた頬を触る。
「言い忘れてたけど、第7騎士団の1人【カラクリの聖騎士】の趣味でこの家全体がからくり屋敷だぞ」
「早く言えよ! 死ぬところだったろ!?」
「人の話を最後まで聞かないのが悪いのであります」
「ああ!? うっせぇっよ!」
「うるさいのはどっちでありますか!?」
いつもの如くまた喧嘩する2人に少々呆れながら俺は門の取手に手をかける。
「うだうだ言ってないで早く行くぞ」
アイラは門の扉を開ける。すると屋敷の至る所から刃が飛んできた。
アイラは『制御』解除無しですべて刃を避け、避けきれない刃は受け止めている。10年以上の修行により研ぎ澄まされた感覚と、瞬発力で簡単に避ける。
「待つでありますよー!」
アイラに続くのがナル。ナルも第2聖騎士団の騎士。これぐらいの刃ならステータスと相まって余裕である。
屋敷の扉の前に着いたのはアイラ、その20秒後にナル。
「くそ! 俺だって行ってやる!」
ワイは思いっきり玄関まで走り抜ける、それは雑な走り方だが感覚で飛んでくる刃を避ける。だが避けきれない刃も出始め、ワイの体には新傷が付き始める。
「だぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
約15メートルを1分という時間をかけてやっと辿り着いたワイ。ワイは達成感と共に大量の体力を使い、疲労する。
「お前らやべぇよ」
「まぁ、これぐらいできないとな」
「そうでありますね、これぐらいできないとでありますね」
「うっ…………くそ……!」
ここをアイラと同等の早さでクリアしてやるとワイは心に決める。
そんなことをアイラは知らずに、玄関の扉をノックする。
————ドンドン
と叩いた瞬間に扉が開く。
「……………………」
扉が開いた先に居たのはピンク色の髪をした女の子だった。
「おはようございますであります! 【からくりの聖騎士】殿!」
「……………………」
あっ……懐かしい。俺の心はその感情で埋め尽くされた。この無言を突き通す感じ、この人見知りだけど本当はずっごく喋りたいという感情をもってる人。
まさに……師匠そのものだ!
「なんだこいつ、何も喋らないのか——— いった!?」
「お前【からくりの聖騎士】に失礼だろ!」
「そんなことで殴ることかよ!?」
師匠の面影を感じ、無礼をはたらいたワイの頭を思わずチョップしてしまった。
「…………………………」
【からくりの聖騎士】は俺達に背を向け屋敷の中を進んでいく。
「入っていいって事なのか?」
「そういうことだろ。また刃が飛んでこようと全て避けてやる!」
俺達は屋敷の中を進む。先程みたいに刃が飛んでくる感覚はなく、安心して進めると思っていた俺が馬鹿だった。
————シュン シュン シュン
「「「ッッッッッッ———————!」」」
先程の刃の数十倍の早さの刃がナル、俺、ワイに1本ずつ飛んできてた。
俺は無意識に『制御』を解除しギリギリの所で刃を掴み、ワイに飛んできた刃も掴む。
ナルは反応は出来ていたが、体が動かず刃を受けてしまった。
まぁ鎧を着ているためあれぐらいの刃は防げるから大丈夫だが……
しかしここの屋敷は……
「やべぇなこの屋敷」
今回からちょっと長く戦闘シーンもなくほのぼのかいみたいになります。いや……第7騎士団のキャラ達が濃すぎて話をいっぱい書いてしまった。それを抜けたらキュロス教国との戦闘です。
まぁそんなことはどうでもいい。
最近、私は鬼滅の刃にどハマりしたんですね。それである巻数の感想を皆はどう言ってるんだろうと思ったんでネットを見たんですよ。
そして鬼滅の刃大好きとか説明欄に書いてる人が居て、その人の投稿に 鬼滅の刃はギャグが無い方が絶対面白い! このギャグ顔とかマジでいらないだろと言ってる人がいたんですよね。
まず第一に鬼滅の刃の漫画の何が面白いかって。
緩急なんですよ。もうこの緩急が凄いのなんの!
敵と戦う時に希望からの圧倒的な絶望、それを覆してからのまた圧倒的絶望、そして勝利。この希望と絶望の緩急が本当に素晴らしいんですよね。これを少しでも分量を間違えていたら面白くなくなる……本当に素晴らしいバランスを保ってるんですよ。
多分、作者は無意識にやってると思うんですが……
ですがその緩急を大きくつける為にはほのぼの回が大切なんですよ。そのほのぼの回を最大限に活用するのがギャグなんですよ、そのギャグがあるからこそ主人公達の魅力が最大限に発揮されてしかも鬼滅の刃はいきなり戦闘シーンになるので、ここでまた緩急がつくので戦闘に心が惹き込まれるんですよ。
だからギャグは本当に必要なものだと思うと私は分析しました。
うん……まぁ、ただ自己完結してるだけのオタクの言い分なのですが……私は鬼滅の刃の面白い理由はこれだと思いましたね。鬼滅の刃どうとか言ってた人は鬼滅の刃を語りたいから適当に嘘つきました、すいやせん!
by 鬼滅の刃の19巻が手に入らない犬三郎




