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第20話 〜合併〜

「がはははははは! まぁ座れ、若造! 活気溢れるのはいいがここじゃあ悪手だろー!」


聖騎士長の言葉と簡単に俺の渾身の一撃を止められたことに対して、冷静になり俺は体の力を抜く。


「…………『制御(リミッター)』解除」


しかしあの眼鏡、種族は小人族(パルウム)だぞ?


小人族は弱い種族で体が小さく力も発揮できない。


云わば劣化種族。小人族は冒険者や戦闘系の職業は得られることなく、商業系の職が与えられるのが一般的だ。その小人族に俺の『斬撃』が止められた。茶色の髪に茶色の目、これといった特徴はないが。


小人族がここまで強いとは教えられてないぞ。


「失礼しました聖騎士長様。あの程度の技を止めるために机に立った事をお詫び申します」


「がはははははは! 大丈夫だ! それより! 今からキュロス教国侵略軍対抗部隊編成会議を始める!」



◇◇◇◇◇



「まぁアイラ君、座ろうか」


俺は会議室の椅子に座る。


「まずはキュロス教国の不死隊が街に侵入していることが分かった」


長い机の上に映像が映し出される。これは映像魔法、この世に5人しかいないという貴重な魔法。

攻撃魔法を一切覚えない代わりに、国に情報という武器を瞬時を得られる貴重な魔法だ。映像魔法の適正人は希少で小さい頃から映像魔法を教えられても覚えられないのが大半だ。


映像魔法を覚えられるのは正に才能が備わった人物であることには間違いない。


「先週の一夜に聖騎士が3人殺された。首、足、腕、指、全てが細々と刻まれていた」


いけ好かない小人族が進行している中、映像に映し出される人間の死体。あまりにもの気持ち悪い画像が俺の目に焼き付けられる。


「犯人を探したところ犯人は見つからなかった……だが! この殺害現場に僅かな信仰魔法の魔力を感じた。その信仰魔法の信仰者が信仰していたのはキュロスだった」


信仰魔法。神を信じ、神にお祈りを捧げることによって福音が訪れる魔法だ。通常の魔法の詠唱に信仰している神の名前を入れることによってその神からの福音が魔法に宿る。


この間のブラックウルフとの戦いの中でナルが分身魔法を使ったが、本来分身魔法とは自分の分身を作り出すだけの魔法だ。


そこに神の信仰が加わることによって魔法の威力が絶大にあがかる。


そんな中で最も有名な神は、世界の通貨の名称にもされているキュロス。キュロスとは世界に命を宿した神とされている。


その神を異常な程信仰しているのがキュロス教国。


なにやらキュロスに言葉では表せないほど信仰すれば無限の命が手に入るとか……。キュロスからの福音を受け取ったもの達、永遠の命を手に入れた者達で結成されたのが不死隊らしい。


そういえば昔、魔王軍がキュロス教国に危機感を覚え、キュロス教国に攻め入ったことがあるらしい。


幹部6人、四天王2人、レベル400以上の魔物10万匹と共にキュロス教国へ攻め入った。


結果は魔王軍の惨敗。幹部が4人、四天王が1人、10万匹の魔物達全員が死亡。


それほどキュロス教国は異常なのだ。


「キュロスの信仰魔法が使えるということはキュロス教国では相当な手誰だ。そんな奴が我らが王都に侵入している。考えられるのは2つ、我が王城への侵入が目的なのか、それとも何者かを殺そうとしているのか」


メガネが言ったこの2つの中から可能性があるのは……まさか。


「私はこの2つ目の何者かを殺そうとしている、これが1番可能性が高いと考える」


気に食わないが俺もそう思っていた。キュロス教国は頭がイカれた奴らだが、何故か他国には攻撃しない。


だが1人の標的ができたら全ての戦力を使ってでも殺しにかかってくる。そんな連中だ。


「まだ誰を狙っているか分からない。だが確実に市民には被害が出る。私達、聖騎士団はそれを絶対に阻止しなければならない。だが私達でも流石に限度がある、その為に今日は冒険者に手伝って欲しい。その説得もこの会議の内容に入っている」


まずはBランク以上の人達から仲間にしようとする魂胆か。


「報奨金は活躍に応じてこちらから出させてもらう。1人に最低1万キュロス、最高1000万キュロスだ」


メガネの言葉を聞いて周り、Bランク以上の冒険者達がざわつき始める。普通はパーティにお金が支払われるはずだ。なのに1人、1人に何万というキュロスが支払われるとは……


でもそれは冒険者達の競争心に火がつくのではないかと思う。冒険者は荒くれ者の集まりだ、他を蹴落とし獲物を横取りする可能性もありえる。


「もちろん野蛮な奴も出てくるだろう。だが他を蹴落とした奴はこちらで確認できる者がいる。蹴落とした奴を確認したら直ぐに拘束、監獄行きだ。勿論、ここに集められたのは信用出来るBランク以上の冒険者。君たちが他の冒険者に危害を加えるとは私は思わない」


「ちょっといいかな?」


「どうしたんだ、ビークス」


「報奨金は嬉しいが、まさかキュロス教国の奴らにここにいる聖騎士団と冒険者でいくというのか?」


「もちろんだ」


メガネの言葉に更に場はざわつき始める。


「相手はキュロス教国だ。他人との連携もできない個が激しい相手だ。しかも先程言った通り、誰かの命を狙っているとした少数精鋭で攻めてくる来る可能性が高い……というのが私の推測だ。だが首都内は聖騎士団がとうにかする」


首都内は……とはどういことだ?


「冒険者を呼んだ理由はもう1つ。俺の見込みだと2週間後、王都を襲うと共にキュロス教国の大規模な部隊がこの国を襲撃すると考えている」


メガネの言葉にまた会議室はざわつき始めた。


「エラスラン王国、首都の中は勿論、外から襲来するキュロス教国の部隊を撃破する。これが今回の君達に出す『強制冒険者依頼(クエスト)』を依頼したい」


「いやクエスト自体は大丈夫だが、キュロス教国が攻めてくるという確信はあるのか?」


それは俺も思っていたことだ。キュロス教国が攻めてくるという情報はどこにも無い。しかも先程、メガネが言った通りキュロス教国は少数精鋭の部隊でしか動けない。


大部隊で攻めてくるということは無い……と思うが……


「私の見込みだと……97パーセント、キュロス教国は大部隊で攻めてきます」


メガネをくいと上げ、キメ顔で喋る。97パーセント、ほぼ確実に攻めてくると言っても過言ではない。

だがそんな1人の情報を信じるほど俺と皆は馬鹿じゃないだろ。


「グールが言うなら間違いないな!」


「ああそうだな!」


「グールが言うならそれは100パーセントだ!」


何故か冒険者達は全員、納得した。いやいやあいつの信頼度どうなってんだよ!?


「ああでもよ……キュロス教国の大部隊と戦闘にるってことは……」


「……合併するということか?」


「そういうこと」


「「「「「「「「「マジかよ…………」」」」」」」」」


冒険者同士が嫌うパーティー合併。


それをしろという指示も断りもせず少しの愚痴をいって終わる。


エラスラン王国冒険者は、物凄く義理堅い。それはこの国の自由さゆえだろう。キュロス教国という相手をするといって誰も断る人は居なかった。


俺はというとキュロス教国という強者に1回は戦ってみたいと思っていた。しかも魔王軍に帰った時に魔王軍に有益な情報も入るし一石二鳥だ。



◇◇◇◇◇



「では合併する冒険者パーティーを言う」


多分だがAランクの冒険者パーティーにBランクのパーティーが入るという形になるだろう。

そうなると俺は確実にAランクのパーティーに入るだろう。


「【癒しの種】のパーティーにソルーのパーティが入ってくれ。【炎の造り手】のパーティーに———」


次々とAランク以上のパーティー名をいい、どのパーティーがどこに入るか言っていく。俺はどこのパーティーに入るか、少しドキドキしつつ呼ばれのを待つ。


「よっしゃ! ハルーさんのパーティーか! 当たりだぞ!」


「マイルケルさんよろしくお願いします!」


「ああ、よろしく」


皆が和気あいあいと会話をし始める。


だが一向に俺の名前が呼ばれない。


「最後に【最弱勇者】は第7騎士団……私の騎士団の援護に入ってもらう」


「はぁ!?」




いや〜この話は私的にはしっくり来た……この話の何がよかったって主人公がよく心の内を話しているんですよね……う〜んそれを前話のやつに書けばいいが……今の実力だと難しい……!


まぁそんなことはどうでもいい。新キャラクター、グールが出てきましたね〜。このグールはなんだろうな……性格がひね曲がっていますね〜。


by ファーー! ファーー! ファーー! を流行らせたい犬三郎

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