第19話 〜『斬撃』〜
「ああ、アイラ君……良く来てくれたね」
ギルドに着くと、直々にギルドマスターが迎えに来てくれた。相変わらずやつれているギルドマスターだが今日は一段とやつれている気がする。
「どこに行くんですか?」
「それはここでは言えないよ。それとナルちゃんとワイ君はここでお別れだ」
「はぁ!? 折角ここまで走ってきたんだぞ!? 俺も行かせろよ!」
5秒遅れで今丁度この会話を聞いたワイがギルドマスターに反抗し始めた。いやギルドマスターにその高圧的な態度ができるのはお前の魅力だが……
「黙るであります、私達が行ったら大変なことになるであります」
ナルの聞いたこともない声色にワイは少し顔をしかめるが、それでも行きたそうにしている。
「ワイ申し訳ないな。ギルドマスターとナルがこんな怖い顔してんだ」
「くっ……お前が言うなら仕方ねぇけどよ」
「ありがとうワイ君。じゃあアイラ君、奥に行こうか」
「分かりました」
ギルドマスターに付いていくとそこはギルドの裏側。職員しか入れないであろう所に入っていってる。
「あのワイ君をどうやって手懐けたのかな……?」
「あははは、なんかレッドウルフの件から懐かれまして。ある程度の注意は聞くようになりましたよ」
「そうなんだ、じゃあナルちゃんとはどうかな?」
「ナルですか? ナルとは結構打ち解けてきましたよ」
「ははは、それは良かった……と着いたよ」
与太話を交わえつつギルドマスターが多分目的の部屋の前へと止まった。それは鋼鉄の扉と言っても過言ではないほど重々しい扉だった。
「ここの部屋は連絡とテレポートが出来る部屋でね。しかも防音結界、盗聴防止結界など色々の結界が張ってある特別な部屋だよ」
「そういえば何をするか聞いていませんでしたけど、何をするんですか?」
「ああ、そういえばまだ言ってなかったね」
ギルドマスターは俺の話を聞きながら、両手で右の扉の取っ手を掴む。
重々しく開けるのかと思ったら、普通にパカッと開いた。
部屋の中を見ると応接間となんら変わらない内装だ。
「さぁ入って、入ったら全てが分かるよ」
「へ? あ、はい。分かりました」
俺は部屋の中へと入る。すると景色が一変する。
「おお! キタキタキターーーーーーーーー! 期待の新人がキターーーーーーーーー!」
「あはははははははははははははははははははははは!」
「きた………………お……そ……ぐはっっっっっっっ!」
「ひっっっっっ、魔物の臭いが鼻腔に!?」
「はいはい皆黙って〜、黙らないと殺すよ〜」
地獄絵図
この言葉が似合うのはこの光景だ。
しかしここはどこだ? さっき外から部屋を見たがこんな内装ではなかったし、部屋の大きさが変わっていた。
しかも大人数がこの部屋にいて、部屋の真ん中には長い机とその側面に椅子が沢山配置されていた。
だがその疑問以上に人に目がいく。個性豊かな銀色の鎧を纏った人が12人。その内、今俺が入って喋った人は第1から第6団までのどれかの団長だと確信する。
そして20人以上のBランク冒険者、多分Aランクもいるだろう。しかも力を隠しているが、Sランククラスの冒険者が3人。
その強者達を纏めているのが……
「がはははははは! 愉快、愉快!」
あいつが王国最強の聖騎士……!
あの豪胆無比、他とは比べられないほど猛者の雰囲気を醸し出しいる。聖騎士団の団長には1対1なら勝てる自信があった。
だがあれは……無理だ。魔王軍幹部クラスの実力は絶対にある、いやそれ以上あるのではないか?
「あはははは、びっくりしたかなアイラ君。ここは王城の中の会議室であれが……って聞いてる?」
「あはははは……くくくくくくくくくく!」
あいつと戦ってみたいその気持ちが俺の心を身体を支配する。
こんな気持ちは初めてだ、ハラさんやミケランジェロ、師匠、魔王様と対峙した時とは違うワクワク。
魔族は家族だと思って戦う意志はある程度しか出なかった。
だが人族の種族で圧倒的頂点に君臨するであろう目の前の敵に俺の遺伝子レベルから戦いと思ってしまう。
「あー……アイラ君……やめとこ?」
ギルドマスターの声が聞こえない。俺はもう目の前の奴しか見えない。
「『制御』解除」
エラスラン王国の全勢力が揃っていると言っても過言ではないこの会議室で聖騎士長に戦いを挑む。
「あははははははははははははははははは! ばっくっっあっっだあははははははははははははは!」
「ひっっっっっっっっ!? 馬鹿だっっっっっ!?」
「馬鹿……すぎ……る……かはっっっっっっ!?」
アイラは木刀に気を流す。
「シュライン流 剣術『斬撃』!」
木刀から気の斬撃が放たれる。アイラの渾身の一撃。
『斬撃』は一直線に聖騎士長に放たれる、
————カァン!
「これが【最弱勇者】か……笑わせる」
アイラの斬撃を触れないで消したのは眼鏡を掛けた小人族だった。
うーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
小説って難しい! この話を読んでみたけど……違うな……多分地の文が足りないんだろうなって思います。なんか自分で納得できてない感じでこの小説を出すのは嫌ですが……これでも1日直し続けたんですよ。
なんか私はこの小説の最初にこうやって書き続けるぞと思ったらずっーとその感じでいくんですよね。だから急に変えようとすると、何も文が浮かばなくなってしまうんですよ……あーーーー! この癖は……きつい!
by つっしゃーー! つっしゃーー! つっしゃーー! を流行らせたい犬三郎




