第12話 〜ふふふふふふふふふ!〜
「なんで淫魔が!?」
「あれ? あんた人間じゃん。幹部達の匂いするからてっきり私を連れ戻しに来たかと思ったじゃん」
ドアを開けるとそこは酒場みたいな……というかなんでサキュバスがいる? 青色の長髪に紫の目、そして黒いしっぽが生えている。確実にサキュバスだ。だがどうしてだ? ここは王都だぞ。
「まずは落ち着け……なんでサキュバスが王都にいる?」
「え〜それ聞く〜? 乙女の心にずけずけ入ってくるのは良くないと思うけどな〜。話して欲しいんだったら話し———」
「いや嫌だったら話さなくていいんだが」
「ずけーーーー! 話さなくていいんかい!」
サキュバスが話したくないようなので話は聞かない。そりゃあ魔族でも話したくない話はあるだろう。それを無理やり聞くのは良くない。
「っていうかここ宿なのか? 宿なら泊まらせてくれよ」
「いや話の切り替え早すぎない!?」
それより何故、地下にこんな木造の宿があるのか?
ライさんは多分幻術だったのだろう。それにしては高度な幻術だった。全く幻術だとは気づかなかった。
「まぁ一応宿屋だけど……。泊まってく?」
サキュバスはカウンターの傍にある椅子に座っており、そのまわりには椅子と丸い机がある。
一般的な宿屋とそう変わらない。
「ああ、泊まらせてくれ。金は一応あるけど、なんキュロスだ?」
「あー大丈夫大丈夫。サキュバスは精気を貰うだけで十分だから」
俺はそれを聞いた瞬間、血の気が引く。思い出されるのは昔の記憶、サキュバスが魔物に————
「ひっっっっっ!? あんなことはされたくない!?
「あーあんた、下級サキュバスの精気の取り方みたんでしょ? あれは特殊だから、私は上級サキュバスだから大丈夫」
「いや俺は信じない!?」
俺は急いで後ろを向きドアを開けようとする。だがそのドアは頑丈に閉まっていて開けられない。
開け! 開け! サキュバスに体を委ねたらそこでもうお終いだ! あんなことをされたら……!?
「クソっ!? 『制御』解除してんのになんで開かないんだよ!?」
何回もドアを引いているのにドアが開かない! 何故だ!? さっきはあんなに簡単に開いたのに!?
「ふふふふふ! 久方ぶりに来たお客様を逃がすわけないでしょ」
サキュバスの声が一段と聞こえやすくなった。俺はもしやと思い後ろを向くとサキュバスがもう俺の後ろまで来ていた。両手をくしゃくしゃにしながら近づいてくる!? 先程、歓楽街で見たジジイと一緒の動きだ!?
「やめろ!? 来るな! 来るな!」
「ふふふふ! ふふふふふふふふふふふ!」
「やめろ! やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
ーー2時間後ーー
「いや……もう最高じゃん」
「でしょ? 私のサービスは至極だよ」
もうあの後めちゃくちゃされた。まずは今日一日中動いた汗を綺麗なお風呂で洗い流し、その後に美味しいご飯を食べ、客室のベットに俺はうつ伏せになりサキュバスもベット乗っかりマッサージをしてもらっている。
俺が知っている最悪の結果じゃなくて良かった……。
「上級サキュバスは人が幸せになるほど出る極上の精気を吸い取るの。だから強いサキュバスほどサービスは凄いんだよ」
「あ〜、俺が知ってたのはサキュバスの尻尾を体内に入れて極上の快楽を得るやつだからな……あれじゃなくて良かった」
「あれがやりたいならやってあげようか? 私もあれいっぱいやったよ」
「冗談はやめてくれ……このマッサージの方が数段気持ちいい」
サキュバスのマッサージは今日というより今までの疲れを吹っ飛ばすような気持ちよさだ。
「そういえばお前の名前はなんていうんだ?」
「あー私? 私なんて魔王軍から勘当された身だから名前なんて剥奪されたよ」
「じゃあ俺があだ名付けてもいいか?」
「いいよ、名前なんてなんでもいいし」
「う〜ん。じゃあサファイアはどうだ?」
「いいじゃん、サファイア。私の髪の色も蒼いし」
完璧なネタ会です。昔はラブコメに馬鹿みたいにボケとツッコミを入れていたのを思い出しました。サファイアのツッコミ……楽しかったのを覚えています。
ということで明日はなんと、なんと! 新キャラが出ます。いや〜新キャラでますよ。なんと髪型は……まさかのあの髪型です。
by 新キャラが出ると喜んでいる犬三郎は新キャラが出るから喜んでいるんですよと小泉さんみたく言う犬三郎




