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第9話 〜あっっっっっ!?〜

「安心するのであります。私は第2聖騎士団、団長の命令で貴殿の実力を測りに来たのであります」


ナルは首を一回転させ、腰にかけてあった細いレイピアを手に取りアイラに向ける。


「2つ名【最弱勇者】職業が違えど魔族から認められた4人目の勇者。それがどれほどの者かと見定めきたのでありますが……こんなに魔物の匂いをぷんぷんさせてたので驚いたのであります」


いやもう俺の情報バレてる。あのギルドマスターが情報を教えたに違いない。まぁBランク冒険者になったら名前は直ぐに広まるからいいのだが……。


しかし聖騎士が直々に見に来て俺を見定め……実力を確かめようとしに来たらまさかの匂いが臭すぎて本気の戦いになってるって事か。


「見定めはもうギルドマスターにやられたぞ? そんなことをする必要があるのか?」


「Bランクの冒険者となることは良しとしますであります。だが……気に入らないであります」


「要はギルドマスターは許しても、まだ聖騎士団は許さないと?」


「そうであります」


「じゃあ俺はどうすれば認められる?」


「そうでありますね。例えばこの愚か者を助けるとかでありますかね?」


ナルはカインケルの首に刃を向ける。


「仲間じゃないのか?」


「仲間でありますよ。だけどこんな礼儀も知らない聖騎士要らないのであります」


「だから殺すっていうのか?」


「そうであります。こんなに弱いやつ要らないのであります」


ナルはカインケルを蹴る。それはゴミを扱うような雑な蹴り方。


俺だって一端の魔王軍、1人の人間ぐらい死んでも大したことはない。もしかしたら殺すというのは嘘かもしれない。


まて今は冷静に考えろ。ここで逃げても俺には損しかない。魔王城を見つけるためにはこの国か何処か国を拠点にしないといけない。聖騎士に嫌われたら何をされるか分からない。


「分かった。見定めというやつをやってるよ」


「良かったであります。これでこいつが死ぬという確率は少なくなったであります」


「少なくなった……どういうことだ?」


「今から私はこいつを殺すであります。それを助けるのであります」


「はぁ!? そいつが助かるっていうから———」


「では始めるのであります!」


「クソッ! 『制御』解除!」


アイラは木刀を抜く。その間にナルはカインケルに向けて刃を振り落とす。


「ウィンド!」


アイラはナルに向かって突風を放つ。風の勢いでナルは体勢を崩し、後ろへよろける。


「ウィンド!」


カインケルと地面の間に突風を起こしカインケルをアイラの後ろへと飛ばした。


「わたくしめに私の片割れを下さい 双方の容姿は瓜二つ」


直ぐにその状況を理解し、ナルは詠唱を始める。


全ての魔法には詠唱は必須だ。その力が大きくなるほど詠唱は長くなり、集中力も必要となり、それ以上に膨れ上がる魔力の扱いに長けるようにならなければいかない。


詠唱は魔法使いが安全圏で行うもの、剣士は先程のカインケルように短い詠唱の魔法を使う。


それでも魔法を使うのは————


魔法とは云わば逆境から立ち上がる為の最強の一手だからだ。


その為、猛者な剣士ほど戦い中に長い詠唱を始める。


魔法詠唱に全神経をつぎ込みつつ、敵と正面から剣でぶつかる。剣での戦いは確かにムラができる。だが逆にいえば詠唱が終われば勝つ確率が一段と上がるのだ。


それほど詠唱が入っている魔法を使えば勝敗を分けるものになる。


もし相手が詠唱を始めたらこちらも詠唱を始めるか、詠唱に気を取られている者を攻撃しまくって詠唱を止めさせるか。


アイラは詠唱魔法など高度な魔法は1つも覚えられないため後者を選ぶ。


アイラは木刀に念じる、重さよ大きくなと。木刀の重さは重くなる。


「シュライン流剣術 『薙ぎ払い』!」


アイラはナルに近付きナルの横腹に剣を振る


ナルはアイラの攻撃を細剣で防御する。


それは圧倒的愚策。150キロ以上の打撃に直撃すれば剣は折れナルの横腹は凹む。


————カァン!


「なにっっ!?」


だがナルはその威力溢れる剣を受け流し、アイラの木刀をはじき返す。


「片方には火の力を 片方には破壊の力を」


ナルは後ろへ後退し、詠唱を続ける。


アイラは驚いたふりをしたがそれも予想通り、考察に考察を重ね絶対に受け流され後退すると分かっていた。


あの重さの剣が勢いよく受け流されためアイラは若干体勢を崩されるが、瞬時に木刀の重さを軽くし直ぐに立て直す。


「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」


後ろに後退したナルに向かってアイラは大きくジャンプする。


アイラは空中で綺麗に縦に回転し始める。回転は1回、2回、3回と回る度に速さを増す。その理由は木刀の重さを回る度に重くしているからだ。


「全ての片割れに平等に力を与えよ」


アイラの見え見えの攻撃に対してナルは笑ってしまう。また大きく後退した後に、着地をしたアイラの硬直時間に攻撃をすればいいだけ、それを分かっているナルは後ろにさがり攻撃の隙を伺う筈が……


「ウィンド!」


「ッッッッッッ—————!?」


アイラの超絶初級魔法ウィンドによって阻止される。ナルが後方に後退した瞬間、風魔法を放ち強制的に剣が当たる所まで誘導した。


アイラは先程から手をかざしながら魔法を放っていたため、ウィンドという選択肢を無意識に外していたナル。その圧倒的な才覚と感覚が仇となり戦況が大きく動いた。


「シュライン流 剣術 『回転斬り』!」


アイラのウィンドによって体勢が崩れたナルはアイラの全身全霊の攻撃を受け止めるしかなかった。


「くっっっっっっっ———————!?」


細剣からは火花が散り、剣のあまりもの重さに細剣は壊れる。そのままナルの右肩に木刀が直撃する。


「あっっっっっっっ!?」


ギシギシギシギシ! という不快音を出しなナルは脚を曲げ地べたに倒れる。


普通なら右脚が粉砕し地べたに倒れるレベルの威力だったが、ナルの天性の才によってアイラの木刀が当たった瞬間、脚を瞬時に曲げそれを阻止した。


しかし脚を守ったところで肩には有り得ないほどの威力の打撃が入った。


ナルは意識を失い白目を向く。


「あっぶな!? こいつ強すぎるだろ!?」


俺は内心めちゃくちゃ焦っていた。最初の『薙ぎ払い』で絶対に勝てたと思ったがあれを受け流して詠唱をまだ続けるって……多分詠唱が終わっていたら俺が負けてただろう。


————パチパチパチ


その時、裏路地の角から知らない女が出てきた。その女の種族はエルフ、めちゃくちゃ美人で焦る俺。


「見事だった。これで試験は合格だ」


俺は先程のことがあったのでまた木刀に手を掛ける。


「あははは、大丈夫だよ。もう私達は貴方に敵意はない」


社交界の挨拶のように目の前の女はお辞儀する。


「私は第2騎士団、団長のミイナ・シャーロットだ」

アイラって強いんだな〜、まぁそれはそうですよ。魔王軍で幹部達と戦ってきたら強くなるわ。

聖騎士を簡単にあしらいましたね。


もう私は第1章を全て書き終えたのですが、途中話がつまらんことに気がつきました。もうこれはどうしようもない! ということで頑張ります。


by 車酔いしそうな犬三郎

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