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野獣王死す

ハルは「剣」

と言ってチンに手を出した。


「はっ人を殴っておいて」


ぶつぶつ言いつつ貧乏神は懐から剣を取り出した。


「おのれ、野蛮王覚悟!」


ハルは剣を掲げると駆けだした。


「おい、待てよ」

慌ててチンも追いかける。


ハルは剣を大上段に構える。


そして動けない野獣王の頭の上に振り下ろした。


カチン。


しかし、鎧をかぶっている野獣王はびくともしない。


「おのれ」


ハルは何回も剣を振り上げて肩とか胴を切りつけるがやはりびくともしない。

「チン!全然斬れないじゃない!」

「当たり前だろ!誰がお前を無敵の戦士にすると言った?」

「でも無敗の将軍にするって」

敵を前に言い合うふたり。

唖然としていた野獣王だが、その姫の剣をひょいと捕まえるとにやっと笑って姫から取り上げる。


「えっ」

ハルは唖然とした。


うそっ。格が違いすぎる

「愚か者め」

ニヤリと笑うやその剣を後ろに放り投げる。


しかし野獣王はその剣の飛んだ先を見ていなかった。

その剣は真上にあるシャンデリアの6本あるうちの一本の紐を切っていた。何で野戦指揮所にシャンデリアがあったのか良く判らなかったが、そのシャンデリアを支えている紐のうちの一本を切った。


たかだか一本だがこれが運命の分かれ道だった。


野獣王はにやっと笑うと自らの野蛮刀を振り上げた。


そしてハルめがけて振り下ろそうとする。


「ビンボ」

後ろでチンが呪文のようなものを唱える。

なんとも様にならない呪文だが、貧乏神の必殺技だ。

次の瞬間、上空で揺れていたシャンデリアの2本のワイヤが切れて残ったワイヤを支柱にして半分落ちてきた。

バシン!

それは正に刀を振り下ろそうとしていた野蛮王の顔面に前からもろヒットして後ろに弾き飛ばした。


野蛮刀も弾き飛ばされて上空に飛ぶ。


くるくる回転した野蛮刀は高度を落として落ちてくる。


その真下に倒れた野獣王がいた。


野蛮刀は勢い余って野獣王の胸を貫いていた。


帝国最強の異名を誇っていたスラバ帝国の野獣王ことスラバ14世はここに倒された。


自分が豚姫と馬鹿にしたハルによって。


いや自ら振り上げた蛮刀によって。


これにより帝国に伝説ができる。豚はバカにしてはいけないという。


どんなに醜くてもそれに好意を持っている奴がいるかもしれない。


むやみに馬鹿にすると傍らにいる好意を持っている奴にとんでもない目にあわされると。


野獣王が殺された。

遠くから見ていた戦士達は唖然とした。


そしてそのよこでおデブ姫が嬉しさのあまり雄叫びを上げだ。

「ガオウ!」


遠目には怪獣が野獣王を殺して雄叫びをあげているように見えた。シャンデリアを野獣王に投げつけて張り倒し、取り上げた蛮刀で野獣王を刺し殺したように。


恐竜より強いと思われた野獣王があっさりと殺されて、その怪獣が次の獲物を見て雄叫びを上げているのを見て帝国本軍5万人は恐慌に陥った。慌てて蜘蛛の子をちらすように退散を始めた。


「ハレルヤには野獣王を捻り殺した化物姫がいる」

帝国中に激震が走った。

ここからおデブ姫と貧乏神の苦戦が始まります。

請うご期待!

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