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おデブ姫首をはねられる?

まさか醜いからって殺されるってあり?

「そんなことして野獣王の怒りに火を付けなきゃ良いけど」

チンの危惧した事は現実となった。


「なんだと。この豚があの月の女神ラットリーの愛娘だと」

野獣王は太ったハルを見て怒り狂った。


ラットリーは本当に月の女神のように儚くうつくしかった。この豚のどこが愛しのラットリーに似ているのだ。全然面影もない。

「おのれハレルヤ王。そこまで朕を謀るか!」

怒りのあまり手が震える。ラットリーを手にして野獣王に対して得意そうに馬鹿にしていたハレルヤ王の顔を思い出して、スラバ王は切れていた。

「皇帝陛下。私は確かにハレルヤ王と月の女神と言われたラットリーの娘です。」

豚と言われたことでわなわな震えながら頭をあげてハルは言った。

「さようでございます。私、姫様がお生まれになったときから仕えております。偽物などとんでもございません。」

侍女長も頭を下げつつ言い訳する。


「そんなこと言っても火をつけるだけでは」

チンの独り言等無視して謁見の間に控えているハレルヤの親衛隊の三人も皆口々に姫は月の女神の娘だと言う。

「おのれ臣民揃って朕を謀るか。」

野獣王は完全に切れた。

「衛兵。その豚どもを押さえろ」

左右の兵士に命令する。

壁の無い巨大司令部に入れたのは侍女長、チンと三人の兵士。たちまち回りにいた兵士にとりかこまれた。

ハルは屈強の兵士二人に押さえつけられた。


そして野獣王は蛮刀を抜いた。


ハルはこんなことになるなんて思ってもいなかった。頭が一瞬で真っ白になる。野獣王の愛妾になるのは嫌だった。

あんな醜い王の愛妾になるなんて。

触られるのも嫌だった。

どんな酷い目に遭うか想像するに嫌だった。

でも太っていて醜いだけでいきなり首をはねられるなんて思いもしなかった。


野獣王が目の前に来る。


もっと甘いお菓子が一杯食べたかった。


えっ最後に思うのはそこかよ。





さすが食い意地はったお姫様

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