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餓えたおデブ姫帝国軍を殲滅

修正しました。

「ハレルヤ軍5万がフシ川を越えたとのことです」

「何だと、いつの間にハレルヤ軍は数が10倍になったのだ。」


チャイチュアは機嫌が最悪だった。

圧勝するはずが、怪獣の出現により、完敗してしまったのだ。

濁流からなんとか這い上がったものの

ボロボロになってやっとチェラム城に帰って来れた。

ここまでは攻めてこまいと。楽観していた所、あっさりとフシ川を越えて来たと報告があがって来たのだ。

「チェラム人が続々と寝返っているそうです」

「チェラムの者だと!

おのれ、今迄の恩を仇で返すとは」

青筋を立ててチャイチュアは怒った。

まああそこまで酷い事をしていれば当然寝返るわな!

周りの兵士は皆思ったことだったが、ネジ曲がったチャイチュアには裏切りに思えた。


「申し上げます。チェラム北部で農民の暴動が起こった模様です。」

「直ちに兵を向かわせろ」

「今出すとチェラム防衛の部隊がいなくなりますが」

「申し上げます。西部の貯蔵倉庫が襲われたそうです」

「守っていた部隊はどうした」

「チェラム出身の兵士らが加わることによって壊滅した模様です。」

瓦礫が崩れるように帝国軍の神通力がなくなり出した。

「牢に入れていたブンヤサックを引きずり出して城壁の上の柱にくくりつけろ。」

チャイチュアは悪魔の笑みを浮かべた。


ハルが率いた本軍5万は道々沿道の人々を次々に吸収していった。


チェラムの降伏兵が各村にハルが演説した伝説を更に脚色し賢王ならぬ賢王女、親孝行で臥薪嘗胆し、質素倹約、人民に慈愛を施す王女になっていた。


「姫様、本日のケーキでございます。」

チンは行軍の途中3時のおやつにハルの前に巨大なケーキを置いた。

ハルはゴディパのケーキが食べる喜びの為だけにここまで行軍していた。

食べる事が唯一の楽しみなのだ。

「いただきます。」

と言ってまさに食べようとした時だ。

そのケーキをさっとチンが取り上げる。

ガチンと空を切ったナイフとフォークが机を叩いた。


「何するのよ」

ハルは怒った顔でチンを見る。

「ゴホンッ」

チンが咳をする。

「何っ」

ハルはチンを見る。

「ゴホンッゴホンッ」

チンは周りを見ろと目配せをする。


「チン、風邪をひいたの。」

ハルは無視して聞く。


「ゴホンッゴホンッゴホンッ」

チンは目を怒らせて顎で先を指す。


嫌そうにハルはチンの顎の先を見ると沿道には子供たちの群れがいた。

ケーキを食い入るように見ている。

口の周りにはよだれが垂れていた。


ハルはチンを見た。

「姫様。ここは我慢です。」

チンはしたり顔でいった。

「でも」

「チェラムを解放したら死ぬほど食べられます。」

「でも・・・」

「お腹に散々脂肪がついているので1週間食べなくても姫様は死にません。」

その瞬間ハルのストレートがチンを直撃した。ケーキを残してチンは吹き飛ぶ。


ハルはケーキを見た。

そして飢えた子供たちも。


「みんなお腹減っているの?」

子供たちは頷いた。

ハルは名残り惜しそうにケーキを見た。

次いで子供たちを。

そして、

「マナ。子供たちにケーキを」

死亡宣言を告げられたように力なく言った。

ハル姫にまた一つ伝説が加えられた。


ブンヤサックの目は霞んでいた。

食料も与えられずに城壁に建てられた柱に縛り付けられて既に1週間がたった。

その間、怒り狂ったチャイチュアに散々殴られ鞭打たれた。


そして反乱軍が囲んだ昨日からは、更に柱が付け加えられ、王城に残っていたチェラム出身の子供や女官が縛られた柱がつけ加えられた。


「チェラムの反乱軍どもにこの者たちが殺されたくなければ直ちに武装解除せよと伝えよ。

武装解除しない場合は1人ずつこの者たちを殺していくと。」

ギラギラした目でチャイチュアは言った。

「ついに狂ったかチャイチュアよ」

ブンヤサックが叫んでいいた。

「何っ」

チャイチュアの鞭がブンヤサックに飛ぶ。

「愚かな奴よ。殺せるものなら殺してみよ」

ブンヤサックは心に決めた。

もうお遊びは終わりだと。

本来の力を出す時が来たと。


「良かろう。お前から殺してやるわ」

血走った目で睨みつけたチャイチュアは剣を抜いていた。

しかし、ブンヤサックの目はチャイチュアを見ていなかった。

その後ろから巨体が飛んできたのだ。


ハルはふらふら歩いていた。

食べ物やケーキは餓えている子供たちに分け与えた。

「食べなくても死なない」とのチンの悪魔の一言で。

「何のために脂肪がついていると思っているんです。」

「無い腰の括れにまでついている脂肪があれば死にません。」

そのたびにチンを張り倒したが、もう今はその力もない。


「姫様。あの豚を倒せばゴディパのケーキが食べられます。」

やっと王城に着いた時にチンが刀を振り上げているチャイチュアを指して言った。

「何!ケーキ!」

ハルの体はその一言であっという間に戦闘モードになった。

脂肪が次々に燃焼しエネルギーに変わっていく。

「ウォー――――」

ハルは駆けだした。

帝国軍の軍使がチャイチュアの言葉を伝える間も無かった。

その軍使を弾き飛ばして剣を抜いて駆ける。

「突撃!」

慌てて後続の士官たちが叫ぶ。

30万の軍勢がハルを先頭に突進した。

「飯!!!」

ハルは城壁を飛び越えてチャイチュアに突進した。

ズッドーン

ハルに刀を抜いたままのチャイチュアは弾き飛ばされた。


ズドン

そして縛られたブンヤサックに激突する。

「ぐおっ」

ブンヤサックは声を上げる。


ズッドーン

そこにハルがさらに飛んできた。


チャイチュアはハルとブンヤサックに挟まれて圧死した。


帝国軍は抵抗する間もなく餓えたハル姫らに殲滅された。



大幅修正です。

次は連休明けに更新します。

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