第六十部「僧侶も世界を救いたい」
何も考えていないと思ったか?
第六十部「僧侶も世界を救いたい」
「イト!!」
部屋には……いないか。
今、男僧侶のシュイロは女騎士のイトを探している。
先ほどまで自分を殺そうとしていたイトを。
それは何故か。
簡単だ。
イトを理解するため。
「どこにいるんだ……あいつ……。」
よく分からないが、イトは重要な事を隠している。
その重要な事に気付きかけたから、俺は『また』死にそうになったのだ。
……また?
いやいや、死にそうになったのは初めてで、実際には何度も死んでいる。
……正確には殺されている、が。
「心当たりは無いんだよな……。」
図書館?商店街?
酒場?神殿?
……どこでもいい。
とにかく探そう。
あっちが殺す気でも、こっちは死ぬつもりはない。
「……ふぅ。」
一つだけ息を吐き……。
そして大きく息を吸った。
「よし。」
シュイロは駆けた。
彼女を探すため。
・・・・・・・・・
「居ねぇじゃねえか!!」
日が沈みきる、夕暮れ。
膝と手を突きうなだれるシュイロ。
結局どこを探しても、彼女を見つけられなかった。
「……どこ行ったんだよ……あいつ……。」
まさか……死…………いやいや、あいつはそんなタマじゃない。
「大丈夫……会える……絶対……!!」
どうしたら、あいつに会える……?
あいつに会う気が無いのかもしれない。
それならいくらこちらが動こうと無駄だ。
諦めさせる。
向こうから来てもらうように仕向ける。
…………。
考えろ、あいつは何故、俺を殺し続けてきた?
魔王を倒すためだ。
それに失敗し続けてきたからだ。
……じゃあ、魔王を倒せばアイツとまた会えるのか?
「それだ。」
それしかない。
イトに会うには……魔王を倒す。
つまりは世界を救えばいいんだ。
元々は俺だって勇者を目指していた。
でもダメだった。
それでも諦めずに僧侶になったんだ。
やってやる。
勇者だけじゃない。
俺も……僧侶も世界を救いたいんだ。
僧侶も世界を救いたいを読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
…………。
ごめん、何も考えていなかった。
それではまた2日後。
Thank You。




