第六部「親友」
親しい友。
第六部「親友」
勇者一行よりも先に魔王を倒すべく、雲の国を旅立とうとした男僧侶のシュイロと女騎士のイト。
道具屋でろくに準備も整えることが出来なかった二人だったが……。
・・・・・・・・・
「うーん……。」
キョロキョロと、辺りを見回すシュイロ。
周りは人、人、人。
人だらけだが、目的の人物は見つけられない。
雲の商店街へとやって来たのだが、イトとはぐれてしまったのだ。
「イトのやつ……どこに行ったんだ?」
「あれ?シュイロじゃないか?」
「お。ヤマガイじゃないか。」
そこに現れたのは、斧使いの戦士ヤマガイ。
彼とは小さな頃からの友人だ。
彼の夢も勇者になることで、斧使いの勇者として名を轟かせようとした。
だが……。
彼は勇者に選ばれなかった。
仕方なく戦士として、シュイロのように勇者一行に加わろうとしたのだが……。
「斧使いの戦士って……かませだろ。」
その一言で全てが崩れ去った。
「懐かしいよな!今じゃ俺の技能は、伐採に使われて……。」
「お互い苦労してるよな……。」
力なく笑う二人。
しかし、久しぶりに再会したことは嬉しかった。
「シュイロは今、何をやってるんだ?」
「相変わらず僧侶だ。……まあ、実はある計画を立てたんだけど。」
「何だよそれ!なんかエロそうだな!」
「どこがだよ俗物が。……まあ、ヤマガイになら教えてもいいか。」
「あ、マジで?」
「いいか?ごにょごにょ……。」
「はへっ。やめろよ、耳元でボソボソと。」
「いや、はへって何だよ。気持ち悪いなオイ。」
「いいから、早く教えてくれよ!な!」
「元気がいいなぁ……。」
シュイロは耳打ちし、勇者一行よりも先に魔王を倒そうとしていることを伝えた。
「マジかよ!?そりゃ凄い事しようとしてんなぁ。」
今度は、はへっとならなかったようだ。
「フッ……。」
「俺には真似出来ねぇな。腕も鈍っちまってるだろうし。」
「……。そんな事言うなって。折角ならお前も来いよ。」
「はへっ。」
「今かよ。」
僧侶も世界を救いたいを読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
いやぁ、眠いね。
それでは、また2日後。
Thank You。