第五十八部「殺せる」
まあ、実際ね。
第五十八部「殺せる」
勇者一行よりも先に魔王を倒すべく、旅に出たはずだった男僧侶のシュイロ。
気付けば、何度も旅に出た。
何度も何度も『やり直させられた』。
自分の意思ではない。
仲間……である女騎士のイトが、どうやら秘密を握っているらしいが……。
・・・・・・・・・
「ハァ……ハァ……ハァ……!!」
一目散に逃げている。
イトから。
仲間……だったはずのイトから、逃げている。
逃げなきゃいけない。
そう思ったのだ。
イトの目。
あれは、人を殺せる目だ。
今まで彼女と向き合ったことはあっただろうか。
少なくとも、『この世界』では先ほど目線を交わした。
怖かったけど。
行くあては?
無い。
安全だと思える場所が分からない。
怖い、怖い、怖い!!
「はぁ……!はぁ……!」
突然の裏切りがあんなに怖いなんて、思ってもみなかった。
ショックの方が大きいからか、涙がポロポロとこぼれ落ちる。
「イト……なんで……。」
僧侶も世界を救いたいを読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
三本はキツいよなぁ。
それでは、また2日後。
Thank You。




