第三十一部「治癒神」
仕方無いよね。
第三十一部「治癒神」
勇者一行よりも先に魔王を倒すべく、旅に出た男僧侶のシュイロと女騎士のイト、戦士のヤマガイ。
ヤマガイを始めゾンビ化した町の人々を救うため、シュイロは状態異常回復の魔法を教わっていた。
・・・・・・・・・
「ソレモナオール!」
「……あれ?俺は一体……?」
とある青年が呪文を唱えると、ゾンビになっていたヤマガイが元に戻った。
……厳しくしごかれてから数日。
シュイロは状態異常回復の魔法『ソレモナオール』を習得した。
「戻ったか、ヤマガイ。」
「シュイロ……!?お前、何を……?っていうか何で俺、こんなボロボロの服を……!?」
「色々と言うな。一個ずつ説明していってやるから。」
「いや待て!……理解した!お前、俺を襲おうとしてたな!?」
「一ミリも理解してないな!寧ろ俺が襲われそうだったよ!」
「ええ!?俺が攻めなの!?」
「知らないし違うわ!ヤマガイ、何も覚えてないのか……?」
「えっと…………………………………………………………。」
「重要な事忘れていたときかよ。」
「……待て……もう少しで思い出せそうなんだ……やめろ……やめてくれぇぇ!!」
「お前は何かと戦っているのか?」
「っは!そうだ!確かイトちゃんに……!」
「ああ、思い出したか。イトの策略でヤマガイはゾンビにされたんだよ。」
「ああ……照れるぜ。」
「照れるな反省しろよ。あれ!?お前そんなにアホだったっけ!?」
「俺は元からこうだろ。」
「ああ……そうか。そうだったな。」
「否定しろよ!?一応親友だろ!?」
「そんな設定覚えてる読者がどこにいるんだよ。っていうか、あらすじで旅に出たって言ってるけど旅なんか出てないよね!?」
「出たよ。」
「すぐ引き返しただろ!」
「でも出た。」
「屁理屈って言うんだよそういうのを!」
「いいじゃん、屁理屈最高!フウウ!」
「ダメだこいつ。治す必要無かったな。」
「シュイロぉ。俺達の仲だろ許せよ~。」
スッ……とシュイロは離れていった。
「嘘だろぉ!?」
・・・・・・・・・
そんなこんなで、シュイロは町の人々を治し続けた。
そのおかげか、いつしか彼は治癒神とかいうダッサイ二つ名で称えられるのだが……それはまた後のお話。
萌葱色の変奏曲を…………じゃないわ。
マジで間違えた。
僧侶も世界を救いたいを読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
ふいー。
それでは、また二日後。
Thank You。




