第三十部「師匠との再会」
師匠といえば。
第三十部「師匠との再会」
勇者一行よりも先に魔王を倒すべく、旅に出た男僧侶のシュイロと女騎士のイト、戦士のヤマガイ。
状態異常回復の魔法を覚えるため、シュイロとイトはとある神殿にやってきていたのだが……。
・・・・・・・・・
「あっ、師匠。」
「なんじゃ貴様。」
この白髪ジジイは、シュイロの師匠である。
……どうやら覚えてないらしいが。
「俺ですよ、俺。」
「オレオレ詐欺には引っ掛からんぞ!!」
「こんな堂々としたオレオレ詐欺がどこにあるんだよ……。」
「ん?しかしよく見ると……どこかで……。ああっ!!」
「おっ、思い出しました?」
「タカハシじゃないか!」
「お約束だな!違うわ!!」
「じゃあ誰じゃ!!」
「シュイロです。ほら、僧侶の。」
「ああ、男僧侶とかいう需要無い職業に就いたからな。よく覚えとるわ。」
「忘れてただろ!!あと悲しい事言うなよ!!」
……実際、男僧侶だったから勇者一行に付いていけなかったのだ。
「それでシュイロ。何の用じゃ。」
「何の用って……。師匠は外の様子を知らないんですか?町中ゾンビだらけですよ。」
「何!?ではワシの妻も!?」
「可能性はありますね。」
「やっほーい!!」
「やっほーい!?」
「これで愛人と暮らせるぞーい!」
「お前人間としてどうかと思うぞ!?」
「師匠をお前呼ばわりか!!」
「俺を覚えてるのか覚えてないのかハッキリしてくれ……。」
相変わらずの師匠だ。
「で、シュイロ。お前はワシに助けを求めに来たのか?」
「まあ、そんなところです。ゾンビ化を治療するために状態異常回復の魔法を覚えたいんですよ。」
「へえ。」
「……いや、へえじゃなくて。教えてください。」
「でも妻も治すじゃん。」
「当たり前でしょ。」
「じゃあ教えんわ。」
「……。愛人もゾンビなってるかもな。」
「シュイロ。厳しくいくぞ。」
「切り換え早っ!!」
僧侶も世界を救いたいを読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
ふひー。
それでは、またお会いしましょう!
Thank You。




