第十九部「愛の逃避行」
愛なら仕方ない。
第十九部「愛の逃避行」
勇者一行よりも先に魔王を倒すべく、旅に出た男僧侶のシュイロと女騎士のイト、戦士のヤマガイ。
イトの愛により、彼らの生まれ育った町はほぼ壊滅。
ヤマガイを始めゾンビ化した町の人々を救うために、店を訪れたのだが……。
・・・・・・・・・
「無くね?状態異常を治す薬。」
「うん。」
「こらこら、ちょっと嬉しがるんじゃない。」
「えへっ。」
「緊急事態なの分かってるの!?」
「分かってる。」
「本当かよ……。」
分かっているが、望んだ結果だろう。
……あれ?今気付いたけど、この子相当ヤバくない?
「……イト。」
「なに?」
「…………。お前さ、本当に魔王倒す気ある?」
こくんと首肯する。
「ありまくり。」
「……。」
信じられない。
「シュイロ。」
「なんだよ?」
「後ろにゾンビ。」
「は?」
くるっと振り返る。
確かにそこにはゾンビ(町の人)がいた。
「……うおお!?逃げるぞイト!!」
「愛の逃避行。」
「言ってる場合かよ!!」
逃げる先は……ど、どうしよう……。
この町危険じゃないか……?
そんなこんなで逃げ出し、商店街へとやって来た二人。
勿論、ここにもゾンビたち(町の人々)は歩いているのだが……。
「屋根の上なら安全。」
「……ま、まあ……。」
イトの提案により、屋根の上へと登った。
「……いやまあ、見つからないけどさ……。」
「うん。」
「逆に降りられなくなっちゃったよ!?」
僧侶も世界を救いたいを読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
愛なら仕方ないよね。
それでは、また2日後。
Thank You。




