第十一部「帰郷」
故郷はよき。
第十一部「帰郷」
勇者一行よりも先に魔王を倒すべく、旅に出た男僧侶のシュイロと女騎士のイト、そして戦士のヤマガイ。
三人は薄暗い森を探索して迷子になっていたのだが……。
「ふぅ。」
「やれやれだな!」
「……。」
「落ち着く。」
「ああ!やっぱり地元が一番だぜ!」
「……なあ。」
「雲の国最高。」
「なあってば。」
「何?」
「いや、何じゃなくてさ。は?ちょっ、何で俺たち雲の国にいるわけ?」
「帰ってきたから。」
「いやそうなんだけども。そうじゃないんだよ。」
「そうじゃないってなんだよ!!説明しろよ!!」
「いやもう、五月蝿いな。何、そんな大声で。聞こえてるよ。」
「じゃあ説明しろよ。」
「だから、何故帰ってきたかを聞いてるんだよ。」
「迷子になったから。」
「だよなイトちゃん。」
「それがおかしいんだよ!!進めよ!何で隣国にすらたどり着けないんだよ!?」
「そこに森があるから。」
「理解不能!!」
「そしてここにはヤマガイがいるのさ!!!」
「いやもう、五月蝿いな。ちょっと黙ってろよお前。」
「……。」
黙ってしまった。
別にいいけど。
「元の道に戻れたのなら進めばよかっただろ?何で帰ってきちゃうんだよ。」
「……。だって。」
「ん?イト、納得のいく説明が出来るのか?」
「三日貰えたら。」
「待てません。故にあげません。」
「ケチ。」
「論点ずれてます。」
「そもそも悪いのはシュイロ。」
「そうだそうだ!!」
「……。何で俺なんだよ。あと黙ってろって言ったろ。」
「……。」
「俺の何が悪かったんだよ。」
「顔。」
「関係無ぇし、生まれつきだし、っていうかそこそこ自信あるし!」
「……。」
「一歩下がるな一歩。」「「……。」
「二歩下がれって言ってるんじゃないんだよ!!」
「飛ぶな飛ぶな的なアレかと。」
「それ押すな押すなだろ。何だよ飛ぶな飛ぶなって。どこから!?」
「空。」
「真面目に答えなくてよろしい!」
僧侶も世界を救いたいを読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
バレンタインデーとか知らん。
それでは、また2日後。
Thank You。




