2-1 異世界へ
ここは?俺達は気付くとのどかな街へと着いていた。そうだ、強制転移で、異世界へ転移したんだった。
「いらっしゃい。おお、旅をされているのですか?」
「まあ、そうゆうところだ。ところでこの街の名前は何て言うんですか?」
「ここは、レントオール。見ての通り商人と騎士の街だ」
辺りを見回してみると、商人が店を開き、騎士が街を歩き回っている。すると、どこかで暴動が起こったらしく、人だかりができているところがあった。それを見てみると、誰かが詠唱を始めている。そして、一通りの詠唱が終わったとき、炎が出てきた。どうやらこの世界には魔法があるらしい。仮にその魔法を「メテオ」としておこう。
暴動が収まったあと、魔法を発動した人を探し、声をかけてみた。
「あの、さっき魔法を発動しましまよね?」
「ええ、それがどうかされたんですか?」
「是非とも魔法を教えていただきたいのですが……」
「いいですよ。普通に詠唱すれば発動できるはずなんですが」
「え?そうだったんですか?ならばやってみます」
「じゃあ試しにさっき出した炎属性の魔法、ファイヤを出してみましょう。私の声のあとに続いて詠唱してください」
「わかりました」
そう言うと、長々と詠唱をし始めた。それに続いて詠唱してみる。そして、最後にファイヤと叫んだとたん手から火が出てきた。神子と神影もやってみる。神子の炎が極端に大きく、俺の目の前まで火で埋め尽くされた。
「なんと、あなた達、何者ですか?」
「実は……」
俺達は異世界から転移してきたこと、今まで敵対する黒の呪いの組織と戦ってきたことを話した。
「なるほど、それは大変でしたね。お金とかもないでしょう。私の家に来ますか?」
「いいんですか?」
「はい。大丈夫ですよ」
「私の名前はハルル。この世界にある王都、ステルスで働いている騎士です」
「俺は今枝龍。こっちが妹の神子です」
「あなたの隣にもう一人いるのでは?」
なんと。神影が見えているらしい。
「こっちは神野神影って言います」
「龍君に神子さん、神影さんですね」
「ついでに弟子にしてもらうことはできませんか?」
「私でよければ是非」
「ありがとうございます。ハルルさん」
「ハルでいいですよ」
「ではハル、これからよろしくお願いします」
「こちらこそよろしく」
神子も嬉しそうだ。
「ここが私の家だよ。自由に使ってね」
ここはとてつもなく広い大豪邸だった。
「そんなに広い家に住ませていただくなんて。本当にありがとうございます」
「では、明日から修行していきましょう」
「はい!」
その夜、神子はなかなか眠ることができないようで、俺の部屋に来た。
「ハルルさん、いい人で良かったね」
「そうだな。明日から修行して、グラールを倒そう!」
「うん!」
翌日、ハルルと修行を始める前に、俺達の能力について知りたいと言っていたので最初に俺達が使える能力について出来る限りの事を教えた。
「すごい方達ですね。まさか、実戦の経験もあったんですか?」
「はい。今まで何度か戦ってきました。ですが、そこには犠牲も……。味方が5人殺されました。そして、トップ4というとても強い敵と戦ったときに初めて負けてしまい、修行するためにこの世界に来たんです」
「では、その能力をまず強化しましょう。魔法はそのあとです」
「わかりました」
それから俺達は来る日も来る日も俺はチャージブラストを、神子は精神破壊を神子は憑依を特訓した。
それなのに、この数日後にあんなことが起きるなんて今の俺達は考えもしなかった。
次回予告
ハルルと共に能力の特訓を開始した龍達。しかし、この世界でも龍達に試練は襲ってくる。龍達は強くなることができて、グラールを倒すことができるのか。