1-7 敗北
「あれ?ここはどこだ?」
なぜか俺はどこか見覚えがあるところに立っていた。「終わりを迎えた世界」に立っているようだ。しかし、俺は開門していない。目の前で誰かが戦っている。あれは……ドリームズのみんなじゃないか!?神子も神影もいる。どうやらマリーナと戦っているところらしい。だけど、俺は力が出ず、動くことができない。そして、ドリームズ全員がマリーナに殺された。次にマリーナが狙ったのは神子と神影だ。
「やめろぉぉっ!」
俺は目が覚めた。なんだ、夢か。ここのところ同じ夢しか見なくなっていた。やはりあの時のことが忘れられないのか。昨日は神影に誘われ遊園地に行った。そのときは忘れてたのに忘れられるわけがないのだ。今日から修行をしようと思い、山にでも行こうと玄関を開けたとき、スマホの警告音が鳴った。黒の呪いの力を感知したようだ。すぐに神子を呼び、発動された場所へ向かった。そして
「開門」
と詠唱し、「終わりを迎えた世界」へと転移した。
「待っていたぞ、今枝龍。今まで戦った仲間達の敵討ちだ。私の名前はグラール・スタンシア。黒の呪いの組織のトップ4だ!」
「俺だってドリームズの敵討ちだ!」
そう言うと戦闘を開始した。
「分析!」
グラールの能力は……。えっ!?能力が分析できない!さすがトップ4と言うべきだろうか。
「分析ができない!神子、精神破壊で倒してくれ」
「わかった!
あんた、黒の呪いの組織のトップ4なんだって?前もトップ4の1人と戦ったけどチョロすぎだろうよ。グラールって言ったっけ?変な名前」
神子はそのようなことをずっと言っているが、グラールは効いていない。それどころか喜んでいる。こいつMだな。
「神子!もうやめといて!こいつMだから!」
「うへへ、嬉しいなぁ」
うわぁこいつヤベー。すると、グラールが動き出した。
「フッ!こんなの全然効かんわ!」
そう言うと俺に殴りかかってきた。お腹を殴ると、1キロほど飛ばされた。壁にぶつかり俺は倒れてしまった。ダメだ、このままじゃ神子が危ない。
「ぐぉぉぉぉぉ!召喚っ!」
と俺は叫び、歴代の偉人を召喚した。織田信長、徳川家康、豊臣秀吉は前召喚されてたから何となく召喚できた。俺は思い付いた人物、モンスターを思い描いた。そこに召喚されたのはバハムート、アーサー王など、空想のものも合わせて、約100程。
「総員、グラールに向かって進軍せよっ!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
雄叫びをあげながらグラールに向かって進み始めた。その間に俺は停止の能力を使うことにした。やはり分析の能力は一度戦えば、その能力が使えるようになるらしい。そして、急いで神を呼んだ。
「龍さんどうしたのですか?」
「あのグラールってやつ強すぎるよ。どうすれば勝てるんだよ」
「勝つ方法……ですか。そうですね、あなたの能力を1つ解放しますか」
「その能力ってのはなんですか?」
「強制転移です。ここは一時退却をすべきなんです。作戦を練るしかないですよ」
「そうすると黒の呪いの力が出て被害が出てしまう」
「そのための能力も使える出はないですか。バーストを使えばいいんですよ。バーストで黒の呪いの力を封じてから退却するんです」
「わかりました」
停止の能力を解除し
「神子、神影!ここは一時退却だ!」
「わかった!でもどうやって?」
「バースト!」
まずはグラールによる黒の呪いの力の侵食を封じた。そして、
「強制転移!」
体が光に包まれ、現実世界に戻った。そして、思いっきり走ってその場から逃げた。
「お兄ちゃん!あんなのどうやって倒すの?」
「1つだけ方法がある!異世界へ転移するしかない!」
「え!?どうやって?さっきやったように強制転移で、転移先を異世界に設定する!」
「わかった!いつ転移するの?」
「今だ!いくぞ!強制転移!」
また光に包まれ何処かの異世界へと向かった。
一方その頃……。
「フッフッフ。予定通りだな。よくやったぞ……の使い」
「ありがたきお言葉。これからも精進していきます」
次回予告
グラールを倒すことができず初めての敗北を味わった龍達。これから先、修行をするのは平和なところの方がいいと判断した龍は異世界への転移を決意する。転移先の異世界で龍達を待ち受ける運命とは。




