1-2 理由
あの勝負のあと、どうしても気になることが1つあった。妹のことだ。何であんなことができるの?いつそんなことができるようになったの?疑問ばかりが出てくる。俺もあんな技欲しいな。俺は教室に向かいながら考えた。
「お兄ちゃん、早くしてよ!」
「わかってるって。もう少しだから」
俺は速足で教室に向かい、パソコンのキーボードを手に取り、妹に手渡した。
「ありがとう!やっと帰ってきた」
俺はキーボードを、渡す代わりにと1つ条件をつけた。それは、妹のあの能力のことだ。放課後にまた来てもらい、話をしてもらうことになった。
(あなたの妹さん何者?)
(俺に言われてもわからんよ。)
授業が始まった。俺はいつも以上に緊張している。今日からゲームを課題で作るのだ。ジャンルなどは問わず、自由に作ってくれと、ただそれだけを残して先生は教室を回り始めた。俺はもう何を作るか決めていた。だが、神影がついてきたことにより、それを作る気が失せてしまった。ジャンルは俗に言う恋愛シミュレーションだった。それを作るのを渋々諦めてアクションゲームを作ることにした。
(へぇー。龍君ってこんな勉強してるんだね)
(そうだよ。まだ基礎中の基礎だけどね)
(それでもゲームを作れるなんて凄いじゃん)
(ありがとよ)
プログラミングを1日中、それが約3ヶ月行う。
そして、放課後。妹と約束をしている学校のカフェに向かった。妹はすでに来ていた。もちろん神影もついてきた。
「で、今回の本題なんだけど、お前のあの能力って何なの?」
「精神破壊。相手の精神を汚染させて心を病ませてから、体が蒸発するくらいの熱を発生させ、骨までも消す。そんな能力だよ」
「お前らしいと言えばお前らしいな。なんせ0人の男子にコクられて全員をフったっていう……」
「その話は関係ない!」
神子は少し怒りぎみだった。
「で、次にその能力はどうやって手に入れた?」
「えっとねえ、夢を見たんだ。白の使いとかいう人がこの能力を与えますって」
「白の使いだと?」
「お兄ちゃん知ってるの?」
「ああ。俺はつい昨日のことだ。白の呪いを与えられるようにしましたよって言われたよ」
「で、その白の使いに精神破壊の能力と、発動方法を教わった」
(白の使いって神か?)
神影にも白の使いについて聞いてみた。
(神様だよ。あんなの神様に決まってる)
よし、白の使いを呼んでみることにしよう。強く白の使いをイメージして、
(白の使い様おいでください)
「私を呼ぶのはあなたですか?」
白の使いだ。昨日の夢に出たあの人だ。
「ああ。聞きたいことがある。俺の他に妹の神子と神影にも見えるようにしてほしい」
「わかりました」
白の使いの回りに光が集まり、眩しいと感じたあと、神子と神影が驚いたような顔をしていた。
「白の使い様」
「はい。そうですよ。あなた達にしか見えないので、聞きたいことを念じてください」
(何であなたは私たちにこんな能力を与えたんですか?)
(確かに。俺も疑問に思ってた。そして、俺の戦闘系の能力はなにかも知りたい)
(わかりました。あなた達は我々白の呪いの力に選ばれたのです。すると、黒の呪いの組織と戦う使命を課せられるのです。そのために防衛術としてあなた達に能力を与えたのです。そして、もうひとつの質問についてもお答えします。龍さんの能力は白の呪いを与える他にいくつかあります。そのうちの1つを教えましょう)
(それは、何だ?)
(チャージブラストです)
(チャージ……ブラスト……)
(能力の詳細は名前の通りです。力を貯めれば貯めるほど強くなる範囲攻撃です。通常、0.1秒で勝敗が決まってしまうあのフィールドではあまり役に立たないかもしれません。ですが、そこの神影さんに手伝ってもらえば、必ず成功するでしょう。ちなみにチャージブラストの威力が最大になるまでは10秒です。そうすると、半径1キロメートルの範囲で攻撃が可能です。爆発系で町が蒸発しますよ)
いや、今軽々とすごいこと言われたような気がする。だけど、これがあれば……。
(ありがとうございました。白の使い様)
(いいのですよ。また必要になったら呼んでくださいね)
(はい!)
また白の使いが光に包まれて何処かへと消え去った。
「え、私達選ばれちゃったの?この戦い続ける運命に」
「そうみたいだね。まぁ、これから一緒に頑張ろう!」
「それはそうと、神影さんがここにいるの?」
「ああ。ここにいる。俺にしか見えないけど、憑依っていう能力を持っている」
「じゃあこの3人で頑張っていこう!」
神子は張り切っている。
これからどんな世界が待ってるんだろう。どんな戦いがあるんだろう。俺も楽しみだ。ひとまず現時点で一番強いのは俺の妹の神子って訳か。黒の呪いの組織よ、待ってろ!
次回以降にについて
白の使いによって黒の呪いの組織と戦う使命を課せられた、龍達。幹部の1人、アイルを倒したことによって狂っていく龍達のセカイ。進軍を開始した黒の呪いの組織に3人は勝つことができるのか。
出来るだけ速いペースで書いていこうと思っていますが、都合上アップできない日もあると思いますが、この小説をちゃんとした作品としたいのでこれからもよろしくお願いします。