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2-13 因縁

いよいよツクヨミと天照大神の因縁の勝負が始まろうとしていた。ツクヨミは天照大神の居場所を気で感じることができているらしく、見つけるのは簡単だった。

「ここに天照大神がいる」

「こ、ここに……天照大神がいるのか?」

そこはどこか日本の寺のようにも見える。松明が入り口に2本掛けられている。木造の建物だ。

「うん。気ではここにいると感じられるよ。気を付けてね。天照大神はとても強かったから」

ツクヨミから注意を促される。俺は万全の体勢であることを確認し、乗り込むことを決意した。

「神子、神影、準備はいいか?」

俺は仲間に聞いてみる。

「私は大丈夫だよ」

神影が真っ先に答える。

「わ、私も大丈夫」

神子も少し緊張している様に見えるが大丈夫と答えた。

「なら行くか。気を付けろよ!」

「「「おう!」」」

寺らしき建物の門をくぐり、天照大神がいるであろう建物の内部に入った。なかに人影がみえる。教科書で見たことがあるような、平安時代の十二単(じゅうにひとえ)を着ているように見える。

「あなたが天照大神か?」

「私だよ。ツクヨミだよ。わかる?」

その影はゆっくりと俺達の方へ向こうと体を捻らせる。それを見るなりツクヨミは驚愕の顔を見せる。

「アマテラス!あんたなにかやったでしょ!」

アマテラス、それはツクヨミから見て妹のことをそう呼んでいたからふと出たのだろう。

天照大神の目は赤く光っていて、その表情からは狂暴さが目に見える。

「ああ、姉さんか。フッフッフ、なにかやったってか?そんなこと姉さんには関係ないでしょ?」

「関係ないわけない!」

ツクヨミがいきなり大きな声を出したため、俺達はビクッとした。

「アマテラス、あんたは間違ってる。家族なんだよ?お願いだから何があったか言って!」

「は?言うわけないでしょ。今は姉さんを倒すことしか考えてないんだから!」

「ま、まさかあんた、ゴッドウォーズに参加した理由って、私を倒すためなの?」

「そんなことどうだっていい。この勝負でなにもかも終わらせよう」

「ダメだ。説得じゃうまく行かない。あっちに行って戦うしかない。やるぞ!」

「「「「開門(パラディアン)!」」」」

今回は4人揃って放った言葉には覚悟というものも物語っているように感じた。



場所が変わり、「終わりを迎えた世界」に入る。天照大神の姿がしっかりととらえられた。その姿は大きな着物を羽織り、優雅に浮かんでいる。本当に太陽のように感じられている。

「ここで決着をつけよう、アマテラス!」

「それはこっちの台詞だ!あんたを殺す!」

「いざ、勝負!」

俺と神子はチャージブラストの準備に取りかかる。神影はなんとか憑依できないかと頑張って近づこうとする。しかし、大きなバリアを張っているらしく、神影は思うように近づけていないようだ。

「龍君、天照大神は強い。今回は龍君に憑依して、強化するよ!」

「おまえ、いつのまにそんな能力覚えたのかよ。まあいい、頼んだ!」

そう言うと、神影は真っ先に俺の方へ来て憑依した。なんだか少し力が湧くような気がした。

「これなら」

「私もいけるよ。」

「「チャージブラスト!」」

2人で撃つ。しかしそれもバリアによって阻まれるどころか、反射してきた。避けるにも避けられず、爆風を俺達は浴びた。意識がもうろうとしてきた。



私、ツクヨミの妹、天照大神を倒すにはやはり私の剣しかないのか。七星剣を装備し、天照大神に突っ込む。

「うぉーりゃあー!」

激しい轟音と火花が散る。さらに激しい光も放たれる。眩しいどころか目がつぶれそうだ。私の七星剣が少しずつバリアを侵食する。

「くっ!姉さん、なかなかやるね。じゃあ次は私の番ね!」

天照大神は両手を天に掲げると、

「太陽よ、炎の爆発になりて舞い降りよ!」

すると、上空遥か彼方から私の想像を遥かに越えるまばゆい光がこちらに向かってきた。

「姉さん、これで終わりよ!」

「く、どうすれば?」

最後のあがきと言わんばかりに剣を飛ばす。しかし、炎は消えずまっすぐに私の方へ向かってくる。

「この炎はね、あの人の力なのよ。わかるよね?姉さん」

「あんた、まさか、スルトと!?」

「ええ。この力は本物よ。これで姉さんを倒すんだから!姉さんを越えるのよ!」

「そんなことはさせない!」

そう叫んだのは、意識がもうろうとしながらも、立ち上がった龍だった。

「俺の、俺の魔法で!」

すると、龍は覚醒したと言わんばかりに髪の色が変わる。

「噂では聞いていたけど、本当だったんだね、龍君」

「え、噂って?」

とぼけているように見えるが、これが本当のことだと解釈し、

「まあいいや」

と答える。龍は少し気になっているように見えたが、それよりもということで、天照大神に向き直った。

「ちなみに魔法って?」

私は聞いてみる。

「まぁ、見てたらわかるよ」

「う、うん。わかった」

龍は構えの姿勢を取り、あの火を消すことだけを考えているらしく、瞑想を行っている。時間がない。お願い龍君。あの火を消してアマテラスを救って!

次回予告

スルトの力によって火の力を得てツクヨミに襲いかかる。

龍がそれを突破するための魔法とは・・・・・・

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