2-11 混沌の王
長時間アップできなくて申し訳ありませんでした。これからも応援いただけたら幸いです。
「開門!」
俺はそう唱え、いつも通りの「終わりを迎えた世界」へと入った。今から戦うべき相手、カオスを倒すことが今回の目的だ。
「あなたがカオスですか。」
「うん、そうだよ?何かあったかね?」
こいつ軽すぎる。ほんとにこいつが神なのかね。なんかチョロそう。
「ちなみに能力ってなんですかね?」
「繋ぎ合わせだぜ。これが俺の力だぜ!」
こいつ楽すぎるぅ!イチコロだなこいつ。
「一気に畳み掛けるぞ!神子、神影!」
「おーけい!」
「任せて!」
「いけぇ!」
「精神破壊!」
(あんた神とか言いながらバカすぎんだろ。神じゃなくて、紙じゃね?カオスだからこんなことされても無駄だよな?)
「んぐぐ……」
効いてるし。なんなのこいつ。ほんとに神かよ。
「わ、私はどうすればいいのよ?」
あ、ツクヨミのこと思いっきり忘れてた。
「七星剣で、切り刻んでくれ」
「い、言われなくてもわかってるわよ!」
なんか逆ギレされたんですけど。
「じゃあなんで聞いてきたんだよ」
「し、知らない!どうでもいいでしょ!あいつを倒してすぐに戻る。これだけでしょ!」
なんか勝手に話が進んだな。まぁいいか。
「覚醒!チャージブラスト!」
「ニヒッ!」
ん?何か今カオスが笑ったように見えた。まさか!?
「この時を待っていたぜ!白の呪いの継承者よぉ!この俺の力にひれ伏せよおい!」
口悪いな。けどこれで本性はわかった。
「本当のカオスを現したな」
「何!?どうゆうことなの?龍くん!」
「こいつ、今までのやつが全て偽り、つまり演技だったんだ!」
「だ、だから精神破壊も効いてたってことなのか!」
「フッフッフ!その通り。こんなもんが効くわけねぇだろ。さて、俺の能力を見せてやろうじゃねぇか」
「さっき言ってた通りなら繋ぎ合わせを使うはずだ。能力の内容は不明だ」
「厳重警戒でいくわ!」
「「了解!」」
ツクヨミと神子もやる気満々だ。俺もその能力に備える。
「ハッハッハ!いくぜ!繋ぎ合わせ!」
カオスから発動されたその能力、恐らく……。
突然上半身に重量感を感じた。それと同時に神影、神子共に何か変な感じがするように俺を見つめる。
「ッ!?はうぅぅ……!?」
神子も気づいたようだが何かがおかしい。急に座った。しかも、前を隠しているように見える。ま、まさか!?
「お、お、お兄ちゃんのが、わわ私のと変わってる!」
「や、やっぱり。この能力って」
「そうさ。俺の能力、繋ぎ合わせは体を入れ替えるのさ。さて、どうするかね?白の呪いの継承者よぉ」
「さっきから白の呪いの継承者って言ってるけどなぁそんなこと知らねえよ!」
俺は猛反発するも今の状況を考え、倒すことだけを考えた。てか、ツクヨミって誰とも体が入れ替わってねえ。
「いけるか、神影、神子、ツクヨミ!」
「「「いける!」」」
3人は声を揃える。ならやってやろうじゃねえか。俺達の目標、この世界のために!
「うおぉぉぉ!召喚、バハムート!」
いつも通りだ。あの竜を出せば負けなしだ!
「そんなことしたって無駄さ。繋ぎ合わせ!」
次はなんと、バハムートの体に上半身と頭が付いた。
「え、こんなことしちゃっていいんですかぁ?あんた失敗したんじゃないのぉ?」
「何を言っているのだ。これは成功したは……ってえぇぇ!?龍騎士になってるじゃねえか。俺って何をしたんだね?いやなにもしてない。そうだ、なにもしてない。お前、なにやったんだよ!」
「いやお前がやったんだよ!こんな能力持ってねぇし。とぼけるのもいい加減にしといたほうがいいぜ!」
「何をするつもりだ!」
「いくぞ、バハムート!」
「グオォォォォ!」
バハムートを従い、カオスへと突進した。
「それで考えたつもりかぁ!」
思いっきり跳ね返された。
「私の剣なら通じるッ!」
ツクヨミが今度は攻撃する。しかし、ツクヨミの剣も通じるどころか、倍にして返され、地面に叩きつけられる。
「ツクヨミ、大丈夫か!?」
「わ、私は大丈夫よ!こんなことしてないで、あんたはあいつを倒しなさいよ!」
「よくもツクヨミをっ!成敗してくれる!」
しかし、その攻撃もむなしく跳ね返される。あれ?俺はふと気づいた。体が入れ替わってるなら、能力も使えるんじゃないか?よし、これにかけるしかない!
「神子、今から言うことをやってくれ!」
「うん、わかった!」
「チャージブラストをやってくれ。体が入れ替わってるなら使えるはずだ!」
「わかった。チャージブラスト!」
すると、神子の手に光が集まり、ビーム、つまりチャージブラストが放たれた。
「こんな攻撃、当たるわけない!」
くそ!これだと一直線にしか当たらない。避けられて終わりだ。
「それはどうかしら。この力うまく使ってるわよ!」
なんと、カオスをチャージブラストが追い始めた。まさか!?
「ほ、ホーミング!?魔法でもなんでもない。チャージブラストをうまく使ったんだ!」
「その通りよ」
「そんなばかなぁぁぁ!」
カオスに当たり、体が蒸発した。それと同時に、カオスの能力が解け、体も元通りになった。
次回予告
やっとの思いでカオスを倒すことができた龍達。しかし、今回の戦いで改めて神の強さを痛感する。最終目的であるスルトを倒すことはできるのか。