2-6 進歩
オーディンによって俺が召喚したバハムートは倒されてしまった。何て強さだ!こんなのに勝てない……。だけどこの戦いに勝たなければ、この世界に明日はない。まずはあの双剣をどうにかしなければ……。よし、
「神影!憑依であの双剣を壊してくれ!」
「そんなの楽勝よ!」
神影はオーディンに憑依し、剣と剣をぶつけ、壊すことに成功した。
「そんなことしたって無駄さ!こんな双剣壊しても無意味さ。なんせ、本当の武器はこれだからな!」
オーディンは右手を前に出し、何かを持つ仕草をした。そして、その武器がどんどん具現化されていく。
「あ、あれは……」
オーディンが装備した武器は槍だ。オーディンに槍、これに共通するものと言えばあれしかないのだ。「グングニル」。その威力は凄まじく、グングニルを投げたあと、その槍は自動的に戻ってくるという。
「本番はここからだ!」
オーディンはそう言うと、グングニルを俺に向けて放ってきた。その速さは光よりも速い。ならば!
「Effect Guard Unlimited Barrier」
と詠唱し、俺たちの回りにバリアを展開した。そして、グングニルが迫ってくるが、俺のバリアは詠唱した通り、無限のバリアだ。しかし、そのバリアもむなしく、グングニルはバリアを貫通した。間一髪俺達には命中しなかったが、これを受けたらかすり傷じゃ済まない。くそっ!魔法も効かないのかよ!オーディンを狙うしかないのか。
「Effect Power Max」
と詠唱し、俺の力を最大にまで上げた。それに合わせて、
「設定!対象、自分自身!スピード、攻撃力をさらに上昇!」
設定でさらに強化をした。これなら、いける!
「ぐおりゃぁぁぁぁぁっ!」
俺はオーディンに突進するように攻撃を仕掛けた。
「そんなの無駄だ!
Effect Stop!」
「んな!?ス、スピードが……落ちた!?」
「そうさ、これが私の魔法だ!」
くそっ!こんな魔法があったら、近づくこともできない!
「くそっ!ならば、召喚!ゼウス!」
俺は今までで戦った中で一番強かったゼウスを召喚した。そのゼウスもグングニルによって消されるのは時間の問題だ。そのためにも!
「設定!対象、ゼウス!魔法耐久力及び物理攻撃の耐久力を上昇!さらに!
Feel Angry!」
ゼウスに神の怒りを付与した。これでオーディンに勝てる!
「ゼウス!いっけぇぇぇぇぇ!」
ゼウスは雷鳴をとどろかせた雲を呼び出し、オーディンに雷を落とした。よしっ!しかし、煙が晴れるとまだ立っている。しかも傷一つついていない。ならば!
「ぐうぉぉぉぉぉ!覚醒!」
俺は覚醒をしチャージブラストを溜め始めた。そして、限界まで溜まったとき、俺は
「チャージブラスト!」
と叫んだ。そのときに俺はぎょっとした。オーディンは不思議な笑みを浮かべている。こんなの余裕だと言わんばかりに。そして、グングニルを振りかざし、チャージブラストにぶつけた。範囲攻撃など意味がないと俺に伝わってくるほどだ。実際その通りだ。範囲攻撃が発動しない。やはり、魔法を止める、つまり能力を封じてるがために、俺のチャージブラストは発動していないのと同じだ。そして、グングニルが俺を貫いた。意識が遠くなる。俺の名前を呼ぶ神影と神子。すると、グングニルが貫いた傷の痛みが引いた。とうとう死んでしまったのか。いや、違う!神影の魔法を使ったのだ。体力が回復する。そして、目が覚めた。
「龍くん!大丈夫なの!?」
「お兄ちゃん、死んじゃいや!」
「大丈夫!俺は死なない!」
「オーディン!お兄ちゃんをこんな目に遭わせるなんて、酷すぎる!何でこんなことをするの!?」
「そんなことわかってるだろ?世界を救うんだよ!」
「こんなのが世界を救うわけない!世界が救えるならお兄ちゃんが死にそうになることなんてないんだからぁぁぁぁぁ!」
神子の回りに光が包まれ、神子の髪は青髪のままだが、髪の長さがさらに長くなり、服装も巫女の姿に近い。どうやら本物の巫女になったらしい。そして、
「オーディン!お前は間違っている!戦争の神ならわかるはずだ!私の力で思い知らせてやる!」
すると、神子が精神破壊を始めた。すると、オーディンに効いているらしく体から蒸気が発生した。そして、間もなくオーディンが蒸発した。俺の妹も覚醒した。何て強さだ!これならこの戦争、終わらせられる!
次回予告
神子の覚醒によってオーディンを倒すことができた龍達だが、まだ戦争が始まったばかりであり、戦争の終結にも光が当たっていない。これから先この世界はどうなってしまうのか。




