2-5 猛威
やっとの思いでラーを倒した俺達はすぐにもとの世界へと帰還し、次の目標を探す。すると、転移したあとに広がった景色に俺達は腰を抜かしそうになった。そこには、王都の回りの森一体がほとんど消えている。
「こりゃヤバイな。急いでやってかないと時間が持たなくなる」
「そうだね。よし、次はあの天使を倒さない?」
もとからそのつもりだ。しかし、天使が飛んでいる位置はとてつもなく高い。仕方がない。
「召喚!ドラゴン!」
俺はドラゴンを3体召喚し、ドラゴンの首に乗り、
「あそこの天使のところまで連れていってくれ!」
「グウォォッ!」
すぐに天使の元へと向かった。しかし、そこまで行くのにも大変だ。ただでさえ雷雨だというのに、そこから更に天使の矢の攻撃が重なる。くそっ!設定で強化するしかないか。
「設定!対象、ドラゴン3体!耐久力とスピードをアップ!」
そして、やっとの思いで天使の元へとたどり着いた。そして、そのまま
「開門!」
と叫び、すべての天使を「終わりを迎えた世界」へと引き込んだ。この天使を召喚した神も入ってきてるはずだ。分析で確認すると、案の定この世界に入ってきているが、能力などはわからない。まずは天使からってことか。そう思い、天使を狙うことにした。
「神影!天使に憑依できるか?」
「できるけど……。数が多すぎる!」
それもそうだ。天使の数は数えきれないほど無数にいる。今の俺達には何もできない。やはりチャージブラストで一掃するしか方法がないようだ。
「設定!対象、自分自身!全パラメータを限界まで上昇!」
そして、俺はチャージブラストを限界までため始めた。しかし、
「ファァァァァァァァァァ」
天使が何か話しているようだが、言語が認識できない。すると、天使は弓矢を構え始め、弓を引いた。無限にもいる天使の矢が俺めがけて放たれた。俺はチャージを続けながら飛んでくる矢を避ける。しかし、一本一本が重すぎて手で止めても止めきれない。
「お、重い!ならば!」
俺は思い付いたことをすぐに実行した。
「分析!対象、天使!そして、設定!対象、召喚の能力!天使の能力をコピーし、天使を召喚!」
そして、俺は天使を召喚し続けた。俺が召喚した天使も弓矢を構え、矢を放つ。しかし、俺が召喚した天使の矢が軽すぎるのか、相手の矢が当たったとき、矢が消滅してしまう。と、そうこうしてるうちにチャージブラストのチャージが完了した。
「チャージ……ブラストォォォォォッ!」
相手の天使の中心部にうまく当たり、範囲的に二分の一程倒すことができた。しかし、俺は先のラー戦で体力をひどく消耗していた。すると、神影が、
「Heel Stamina Max」
と、詠唱し、俺の体力を回復させてくれた。おかげで、チャージブラストがもう一度撃てるようになった。
「ありがとう!神影!」
「ううん。お互い様だよ!」
よし、もう一度チャージ開始だ。今度こそ天使をすべて倒す。そう思ったときだった。
「龍さん、頑張っていますね」
白の使いが俺の脳に直接語りかけてきた。
「白の使い様!」
「今のあなたにはこの能力でしかあの天使を倒すことができないでしょう。前はうまく制御できなかったせいで、意識を失ってしまいましたが、今回は特訓を行ったお陰で、覚醒しても倒れることはないですよ」
「ありがとうございます!」
俺はあのときの覚醒の能力を思い出し、
「ウォォォォォォォォッ!」
そう叫ぶと、神の色が黒髪から赤髪に変化し、力が湧いてくる。これなら!
「チャージブラスト!」
俺はチャージなしで発動し、天使めがけて打ち放った。そして、莫大な範囲を黒煙が覆った。煙が晴れると、そこには天使はどこにもいない。やった!俺が天使を一掃した!
しかし、この戦いはまだ終わっていない。そう、天使を召喚した神がいるのだ。辺りを見回すと、とても大きな大剣を片手で持ちそれをもう一本、もう一方の手で持っている。いわゆる双剣使いというやつだ。しかし何かが違う。先のラー戦と違い、迫力がある。そして、分析がまるで通じない。
「我が天使を倒したのはそなたらか」
「そうだ!俺は今枝龍!この戦争を終わらせる!」
「何っ!?ゴッドウォーズを終わらせるだと!?そんなことはさせない!私は戦争の神オーディン!」
「んなっ!?オ、オーディンだと!?」
オーディン、北欧神話の神にして、兄弟と共に巨人ユミルを倒したとされている。こんなのにどうやって勝つんだよ!
「くそっ!!俺はまだ覚醒中だ!召喚!バハムート!」
俺は巨人を倒したとされる神相手にバハムートを召喚した。だが、オーディンが剣を一振りしただけで竜巻が出来て、バハムートを飲み込んだ。そして、バハムートは竜巻が消えたときには、もういなかった。強すぎだ、こいつ!どうすれば……。
ついに天使を殲滅することができた龍達。しかし、次に立ちはだかったのは戦争の神、オーディンだった。双剣の力にどうすることもできない。そこで神子がとった行動とは。




