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ネコで異世界を生きる  作者: 光晴さん


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第74話 目的達成




俺は、ローネさんから聞いた皇帝の弟がいるという屋敷を目指していた。

そこは、帝国の帝都にあり皇帝が住む城の東側に建てられているという。


皇帝には6人の弟と妹がいて、帝都の東西南北に屋敷を構えて住んでいる。

ただ、弟や妹の中にはまだ幼いものもいて

そういうものは皇帝や皇帝の母親たちと一緒に、住んでいるそうだ。


今回皇帝暗殺を企てたのは、2番目の弟のグレーベル。

ローネさん曰く、グレーベルは何かと皇帝の兄と比較して

自分の方が優れているから俺が皇帝になるべきなのだといっているそうだ。


しかも、グレーベルの側近たちもまた皇帝はグレーベルの方がふさわしいと

騒いでいるようで、皇帝の側近たちとのもめ事が絶えないと

宰相さんたち大臣たちが、呆れていた。


他のご兄弟は、兄である皇帝を助けて帝国をよくしていこうと頑張っているのに

嘆かわしいことです…

と、嘆いていた。




町を出て、帝都へ向かう馬車に乗り進むこと6日。

ようやく帝都が見えてきた。

帝国って、領土が広いんだな。結構な町や村を過ぎてきたけど、


戦争の話なんて、出発した町から次の町までしか聞かなかったぞ。

後は、皇帝とその弟の不仲が話題になっていたな。

皇帝はどうするのかとか、弟を幽閉するのかとか、結構物騒な話もちらほらと。


でも、人々が望んでいるのは今の皇帝みたいだ。

けっこう、慕われているのね今の皇帝。




次の日、馬車はようやく帝都に入っていった。

門の所で、馬車の荷物検査などを行った兵士が御者席の下にいる俺に

驚いていたが「…なんだ、ネコか」と見逃してくれた。



帝都の東側にある皇帝の弟の屋敷が見えたところで馬車を降り、

屋敷へ走って近づく。


皇帝の弟の屋敷はかなり大きいらしく、なかなか近づけない。

ようやく近づけたと思ったら、高い塀が待っていた。

俺は、どこかに抜け道がないか探していると


北側の一角に、庭に木に隠れて目立たないところの塀が崩れているのを発見する。

俺はすぐにそこから侵入。

庭の中をしばらく進むと、屋敷と廊下でつながった見慣れない建物を見つけた。


何だろうな、と近づくとその建物には窓が小さすぎることが分かった。

まるで牢獄のようだなと、訝しげに見ていると

建物の中から声が漏れてきた。




「はぁ~、サトル君、あの2面作戦を提案してよかったの?」

女の子の声だな、少し高い声の持ち主だ。

「ん~、あの時は2面作戦のことを言うしかなかっただろう?」


今度は男の子だな、少し怒っているみたい。

「まあ、サトルもグレーベル様に女たちを夜の相手にさせたくなければなんて

脅されたら、考えるしかないだろう」


今度は大人の男みたいだ。

「…ごめんなさい、サトル君。あなたにばかり負担をかけてしまって…」

また最初の女の子だ。


「…みんなの力はこの隷属の首輪で封じられているんだ、しょうがないよ」

どうやら、3人がこの壁の近くで話し込んでいるようだな。

「しかし、グレーベル様はろくでもないお人のようだ。


あの2面作戦で、大量に没落する貴族が出るようにさらに練りこむとはね。

本当に、サトルの考えを参考に自分で考えてしまったよ」


「トシさんは、あのグレーベルって人を評価するんですか?」

「まあ、天才なのは間違いないが敵は多そうだから寿命は短そうだな」

「ゆみな、僕らはまだ中学生だ。人生経験が足りないからしょうがないんだよ」


「トシさんっていくつなんです?」

「俺か? 確か…ここに連れてこられてから日にちが分からないからな…

確か、召喚前が35だから…」


「もういいです、十分おじさんじゃないですか」

…なんか話がそれたが、皇帝の弟のグレーベルは天才みたいだ。

俺は、建物の中に侵入するため建物の周りをウロウロしてみる。



少しの間ウロウロしていると、誰かが廊下からこの建物に近づいてきた。

…どうやら食事のようだ。

俺は建物の中に運ばれていく食事のワゴンとともに潜り込んだ。



建物の中は、広い部屋が1つとその周りに各個人の部屋が作られている。

しかも2階建てかと思えるような天井の高さ。

おそらく、逃げられないようにこんな作りになっているんだろう。


さっき、外から聞こえていた声は広い部屋の片隅で集まっているあの3人だな。

3人の服装は、白色のシャツにズボン、それだけだ。

靴は履いていなくて代わりに片方の足首に、金属の輪がはめられていた。


何かの魔道具か? 居場所が分かるようにとか…

後は、首に大きめの首輪をしていた。

首輪だけじゃなくて、全身調べた方がいいかもしれないな…




個別の部屋からここの建物に捕まっている全員が集まって食事だ。


男女合わせて10人いる。

表情が暗く、何かをあきらめているようなやつもいるな。

しかし、今解放は難しい。


…いや、全員そろっている今しかないか?

俺は食事が終わり、食事を持ってきた兵士たち3人が建物を出ると同時に

俺のマンション空間へ引き入れた。



10人全員が建物の広い部屋から消える。

そして、俺は食事が運び込まれた扉の下のわずかな隙間から外へ。

そして、皇帝の弟を見つけ情報集をすることにした。








ここまで読んでくれてありがとう。


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