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ネコで異世界を生きる  作者: 光晴さん


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第7話 本で学ぶネコ




「ファニャ~」

馬小屋の藁って、結構暖かいんだよな。ついつい寝すぎてしまう。


ここのところ、毎日レベル上げに夢中になっていたからお腹空いたな。

朝、門が開くと同時に町の中に入りこの馬小屋の藁に潜り込んで寝たから

感覚的には、お昼ちょっと過ぎといったところ。


今屋台巡りすれば、おこぼれがもらえそうだ。

さっそく出かけようか~




まずは、あの串焼きの屋台から…

「お、白いのじゃねぇか!」

白いのって、俺のことか? 確かに俺は白い全身だけど、安直な呼び名だな~


「ニャ~」

「最近どうしたんだ?姿を見ねぇって屋台のみんなが言ってたぜ?」

俺ってそんなに、顔が広かったのか…


おじさんは、串焼きから串を外し皿に盛って俺の目の前に置いてくれる。

うん、俺はそれを食べる! …うまっ!

「おっ、うまそうに食ってくれるな。

白いのがうまそうに食うと、売り上げが伸びるってジンクスがあるからな!」


おじさん、何そのジンクス!

それより、食っているところを撫でないでくれよ~

「後で、他の屋台にも顔を出すんだぜ~」


「お、さっそく客が来たぜ。いらっしゃい!」

おじさんは客の対応に戻ったし、これ食ったら他の屋台にも顔を出すかな。

……俺っていつの間に、幸運のネコになったのよ。




…屋台20件梯子は、さすがにやり過ぎた。

途中から、空間収納で食い物をしまいながらになっていたし…

今度からは、何日かに1度は顔を出しておこう。


しかも案の定、称号に『幸運を招くネコ』なんてあるし!

俺の運って、そんなに良かったかな?


とりあえず、お腹は膨れたし冒険者ギルドに本を返しに行くか。

無断でずっと借りっぱなしだったからな!



ん? こんな路地裏にネコが2匹倒れているな…

発見した俺は、そのネコに近寄ると傷だらけなのが見てわかる。

……まだ息はあるし、とりあえず治しておくか。


【ヒール】


前足を倒れているネコに置き、治癒魔法をかけるとたちまち回復する。

もう1匹のネコにも、前足を置き治癒魔法をかけて回復~

これで良し!


俺はすの場を離れてギルドに向かおうとすると、1人の獣人が立っていた。

「おいおい、こいつらを治したのはお前か?」

ふむ、犬獣人か……男のイヌミミは、かわいくないな。


「しかし、ネコが治癒魔法とは珍しい! こいつは高く売れるな!」

そう言うと、このおっさんは俺を捕まえようと襲ってくる。


俺はそれをひらりひらりとかわす。

「くっ!なんでっ!捕まえ!られねぇ!……クソッ!」

…しつこいおっさんは、嫌われるぞ?


【スリープ】


「…な」

犬獣人のおっさんは、その場に倒れて眠ってしまった。

それに、いつの間にか治療したネコ2匹もいなくなっているし…


俺は少し考えて、当初の目的通り冒険者ギルドへ向かった。

この路地裏の出来事は、ほんの些細なことだと思っていたが後々

あんなことになるなんて、この時の俺には予想できなかった……


…ってなるのが定番だな!



アホなテンプレを考えながら歩いていると、いつの間にかギルドに到着していた。

俺は前と同じように、忍び足でギルドに素早く入ると

そのまま、いつもの食堂の椅子の下へ潜り込む。


昼過ぎた頃のギルドは、人が少なかった。

この時間帯はみんな依頼を一生懸命こなしているときか…

ならば、2階の資料室へ忍び足で向かうか。



資料室前に到着。俺はすぐに周りを確認後、中へ忍び込む。

…相変わらず、職員の男は椅子を並べて寝ているし大丈夫か?


資料室の中は相変わらず、閑散としている。

脳筋冒険者よ、たまには利用しないと上のランクにいけないぞ?

まあ、そんな人の心配より俺の用事を済ませよう~


俺は本棚に借りていた本を戻し、読みたい本を物色する。

まずは、借りていた本の中級編を持ち出す。

『意外に便利な魔法 中級編』


おお、面白そうな魔法が盛りだくさんだな……あれ?生活魔法?

ちょっと待て、生活魔法ってなんだ?

初級編にも、あの屋敷で見つけた本にも載っていなかったぞ?


資料室にある魔法の本をあちこち見ていくと、あった!

何々、『火種、飲料水、トイレ、生活するうえで必要になる魔法。

教会で教えてもらえる』……マジか~


教会で教えてもらうわけにもいかないし、この本で覚えておいて後で実践だな。

いろんな魔法があるんだな…

いや、勉強になったぜ!



後は、このあたりの魔物の生態を…これかな?

『ビュルズ周辺の魔物 草原~森』

…もしかして、この町って『ビュルズ』って名前なのかな?

意外な発見だ!初めて町の名前が分かった。


それと、こいつを借りていくか。

『初心者入門 格闘技』

いい加減、魔法以外も覚えないとな。


ステータスを見ると、体も丈夫になったようだし習っておいても損はないだろう。

出来ないまでも、何かしら得るものがあると信じて借りていく。


『意外に便利な魔法 中級編』

『ビュルズ周辺の魔物 草原~森』

『初心者入門 格闘技』

この3冊を空間収納でしまって、あと調べておかないといけないことが…



あった、けど何このタイトル。

『ああ、神様』

何かどこかで聞いたようなタイトルだな…


とりあえず、俺についている加護の神様について調べておくか。


まずはユーキュリア様から…

創造神によって生み出された女神さま。この世界の魔法の生みの親。

創造神の使っていた古代魔法を、

すべての種族が使えるようにしたのもこの女神様。


なるほど、現代魔法の神様って感じか。

魔法をある程度使えるようになると、この女神さまの加護がもらえるようだ。

それで、俺にこの女神さまの加護が付いたのか…


次は、ネリネ様っと…

生命の神グルリアと種族の女神ミシューの間に生まれた女神。

すべての動物をこの世界に生み出した女神として有名だが

畜産関係の人たちからは、多産の神様として祀られている。


…なるほど。神様っていろんな祀られ方をしているんだな~

しかしこの本、神様のことを紹介しているだけで

加護のこととかは、詳しく分からなかったな。


いろんな本があるものだ……

それでは、調べることも調べたし無断ではあるが借りた本で実践するかな。








ここまで読んでくれてありがとう。


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