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ネコで異世界を生きる  作者: 光晴さん


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第72話 皇帝の弟の目的




もうすぐ夕方という町の中を、走る猫が1匹。

ネコの作った空間マンションには、奴隷の女性2人に京花たちが

話をしている。


ローネという女性を探していたことや、王国へ保護するなどの話をすると

今、奴隷商に捕まっている元貴族の令嬢も助けてくれないかとお願いされるが

京花たちは、返答に困っていた。


そこで、とりあえずローネさんを救出してから考えようということになった。

そのため、ネコの俺が苦労するはめになる…



20分ほど町中を走ってローネさんがいる屋敷に到着したが、

そこには、周りを兵士たちに囲まれた屋敷があった。


屋敷の玄関では、兵士2人と騎士が屋敷の執事ともめている。

今にも踏み込まれそうな屋敷に、俺は裏側から侵入した。


始めに入った場所は、屋敷のキッチン。

料理人が2人と、メイドさんが3人食事の用意をしている。

俺は料理の邪魔をしないように、そそくさとキッチンを出る。


次に侵入した場所は、食堂だ。

2人のメイドさんが掃除をしていた。

ここも、邪魔をしないようにそそくさと出て行く。


廊下を歩いていると、玄関付近で執事さんと騎士との言い争いが聞こえるが

俺はあえて無視して、ローネさんがいそうな2階へ上がっていく。



2階に上がり、部屋を1つ1つ覗いていくと執務室らしきところで

メイドさんとは違う女性を発見。

1人の秘書らしき女性と話し合いをしている。


近くによって聞き耳を立てると、秘書さんがローネ様と呼んでいることを確認。

ローネさんの側に寄ってみる。


「ローネ様、ここは地下から脱出をされた方がよろしいのでは?」

「…グレーベル様の目が、私に向いたということですか」

「はい、皇帝陛下の弟君はしつこいみたいですから…」


皇帝の弟は、グレーベルと言うみたいだな。


「例の件は、調べることができましたか?」

「ローネ様……はい、調べることはできました。

グレーベル様は、やはり勇者召喚をしていたようです。


しかも、召喚した勇者たちを奴隷として隷属しているようです」

「…それが、グレーベルの知恵袋ですか…」

「グレーベル様が、未知の力を使いだした時期と一致しています。


まず、間違いないと思われます」

「勇者召喚を個人でおこない、隷属させて酷使する…

何とか、解決させたかったのですがこれまでのようですね…」


…なるほど、外の騎士や兵士は皇帝の弟の命令か。

ん、廊下が騒がしくなったな…

兵士たちが誰かを探しているのか、あちこちのドアを開ける音が聞こえる。


「ローネ様!」

「落ち着きなさいフィーネ、ここは私に任せてあなたは手出ししないように」

「…はい」


その時、勢いよく執務室の扉が開けられる。

「いたぞ! ゴルデル様を呼んで来い!」

2人の兵士が扉の前で、戦闘態勢のまま待機している。



そこへ、大きな声で兵士に確認をとる騎士が執務室に入ってきた。

「おお、これはローネ男爵、このような所に閉じこもっていたのですか」

ローネは、冷めた目で騎士を見ると


「あなたは誰ですか? それと、なにゆえこのような真似を?」

騎士はニヤリと笑い、挨拶を始める。

「これは失礼、私はローネ様をとらえるために参りましたゴルデルと言います」


「私をとらえる? いったい何の罪で捕らえようというのですか?」

「それは、あなたがグレーベル様のなさろうとしていることを

邪魔しているからですよ」


「……どうやら、あなたは知っているようですね。

グレーベル様が、これから何をしようとしているのか」

さらに嫌らしい笑顔をローネに向けるゴルデル。


「勿論、知っているからこそ、こうしてここにいるわけですから」

そういうと、腰の剣を抜き構える。

「そして、こうも言われていますよ。


私の邪魔になるようなら殺せ! ともね…」

ゴルデルの顔から笑みが消えると、剣を構えて腰を落とす。

それを見たローネは、すぐに立ち上がり秘書のフィーネを押し倒す!


そして鈍い音とともに、さっきまでフィーネが立っていた場所を

ゴルデルの剣が通り過ぎていった。


「…私の初手をよけれる人がいるとは、これは興味深い」


ローネとフィーネは、警戒しながら立ち上がり

「グレーベルの周りの者のことも調べていましたからね…」

「皇帝陛下の弟君を、呼び捨てにするとは…」


「皇帝陛下暗殺を企てるグレーベルなど、呼び捨てで結構です!」

「…では、ここで死んでください!」

再びゴルデルが襲い掛かるが、それはいきなり襲いかかる。


【ガイアチェーン】


石の鎖がゴルデルに絡まり、身動きがとれなくなる。

「こんなもの!」


【アイアンチェーン】


だが、すぐに追い打ちをかけるように今度は鉄の鎖が絡みつき、

とうとうゴルデルを拘束した。

それを部屋の前で見ていた兵士たちが、部屋に入ろうとすると


【ショック】


短い声を上げて、白目をむいてその場に崩れ落ちた。

「くっ、なんだこれは! 動けないではないか!」

ジタバタして、何とか鎖を外そうとしているゴルデルに魔法が襲い掛かる。


【ショック】


「ぐがっ!」

短い言葉とともに、ゴルデルは白目をむいて気絶した。



「…た、助かったようね」

「ロ、ローネ様、お怪我はありませんか?」

フィーネは、自分をかばったローネを心配して声をかける。


お互いの無事を喜んでいるこの2人を、俺のマンション空間へご案内~

ローネたちの足元に魔法陣が浮かび、

一瞬の光とともにローネとフィーネは消えた。


俺は、ゴルデルに絡んでいる鎖を消すとソファの下に隠れる。

案の定、兵士3人が部屋の外で気絶している兵士2人を見つけ騒いでいる。

そして、部屋の中のゴルデルを発見しさらに騒いでいる。



その後、ゴルデルを屋敷の外に運び終えるとローネを捜索するが見つからず

兵士の1人が隠し通路を発見し、逃走したものと推測。

そのまま、ゴルデルの隊は引き揚げていった。







ここまで読んでくれてありがとう。


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