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ネコで異世界を生きる  作者: 光晴さん


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第71話 奴隷の女性たち




帝国領内へ侵入して最初の町へ来た俺たちは、

その町でいなくなった奴隷2人を見つけ出し、保護することにした。

何故、逃げたのかは分からないが町の兵士があんなに必死に探していることから


何かあるのだろうと思ったからだ。

もしかしたら、俺たちが探している人たちへつながるかもしれない。



冒険者ギルドで飼われているネコのマルとシカクの話では、

この町の名はトルックナと言うらしい。

まあ、言いにくいし覚えていることはないだろう。


町の大きさは、帝国領内では小さく砦の代わりになるぐらいの町でしかないようだ。

人口はわからないが、町の周りに点在する村の避難場所にはなっているようだ。

だから、町の壁は丈夫そうな大きさだった。


町並みは普通で、中世の街並みはこんなものだろうという程度。

後、この町ならではと言うものは食材だろうか。


町の周りにたくさんの村が点在していて、いろんな作物を育てている。

その作物がこの町にすべて集まるため、食材に関しては他の町に引けを取らない。

ただ、その食材を生かす料理人がいないだけだなとマルが残念がっていた。



逃げている奴隷を探しながら、この町の食材を調べていると

今まで手に入らなかった食材が、なぜかこの町にゴロゴロとある。

俺は、路地裏で人化するといろんな食材を買いまくった。


普段からお金を使うことなんてあまりなかったため、かなり貯まっていた。

ここで買いまくってもいいだろう。




食材を一通り買い終わると、路地裏でネコの姿に戻り再び逃げた奴隷を探す。

すると、路地裏の奥で周りをやたら気にしている女性2人を発見した。

たぶん、あの2人が逃げ出した奴隷かな?


物陰に隠れている2人の近くを兵士の3人が通る。

2人の奴隷は緊張しながら、隠れている。

「どうだ? 手掛かりはあったか?」


「いや、あの奴隷を匿いそうなところは全部回ったがいなかった」

「こっちも、手掛かりすらなかった」

「そうか……あと逃げるとしたら、孤児院ぐらいか?」


「う~ん、とりあえず行ってみるか」

そういうと、兵士3人は連れ立ってその場を離れていった。

助かったと急に緊張が解けて、つい物音をたててしまう2人の奴隷。



「ん? 何かいるのか?」

そして気づいてしまう兵士の1人、お約束だな。

そして俺が姿を見せて、一鳴きすると「何だネコか」と兵士は去っていった。


兵士がいなくなったのを確認して、奴隷の女性の1人が俺を抱きしめる。

「ネコ君、ありがとう~」

もう1人の奴隷の女性も、俺の頭を撫でてお礼を言う。


「ホント、助かったよ」

そして、俺はそのまま2人を京花たちのいるマンション空間へ案内する。



いきなり周りの景色が変わり、戸惑う2人。

そこへ京花があいさつをしてくる。

「困っているようだったから、この空間へ案内させてもらいました」


俺を抱きしめたまま、京花に警戒して距離をとる2人の奴隷。

「ここは、どこですか?」

俺を抱きしめた女性が、質問をしてきた。


「ここは空間魔法で作られた空間よ、

言うなればアイテムボックスの中ってことかしら」

周りをキョロキョロする奴隷の2人。


「あなたは、私たちが何者か知っていますか?」

京花は首を横に振り

「いいえ、知らないわ。

私たちは今日この町に来たばかり、知らないのが当然でしょ」


奴隷の2人は少し警戒を解いたようだ。

「このあと私たちを、どうするんですか? 町の兵士に突き出しますか?」

「…それは、あなたたちの話を聞いてからでどう?」



2人の奴隷は話し合いを始めた。

「私は、この人たちを信じてもいいと思ったわ」

「それは、私も同じよ。この人たちは信用できると思う」


そして2人で頷きあい、京花に話し始める。

「まずは、私たちを助けてくれてありがとう。

私の名はニレーナ、そして、こっちでネコを抱いているのがロジー」


「私たちは元は帝国の貴族だったの、この間の王国侵攻とは別の王国侵攻に

大失敗したことから責任を取らされ、そのまま没落、私たちは借金の型に

奴隷商に売られたの。


ところが奴隷商には、私たちと同じような境遇の元貴族令嬢がたくさんいたの。

それで、これは何かあると思ってローネと言う奴隷商で知り合った人と一緒に

何があったのか調べ始めたの。


そしたら、どうやらここに集められた元令嬢は、勇者召喚をした王国へ

派遣された貴族たちの令嬢だってことが分かったわ。

しかも、勇者召喚した王国へ派遣される部隊はある男の一存で決められていることも」


京花は腕を組み聞いている。

「ある男とは?」

「そいつは、皇帝の弟。ある時を境に、兄よりも力をつけてきた人物」


「さらに皇帝の弟は、ローネさんの夫を暗殺させた人だとも言っていたね」

「あ、ローネさんというのは奴隷ではなく夫の後を継いで貴族になったんです。

あの日はたまたま奴隷商に来ていた時だったそうで、


私たちの話を真剣に聞いてくれて、しかも力を貸してくれたんです。

ローネさんの夫が、皇帝の弟に暗殺されたことは調べている途中でわかって…」

「それでも、私たちに協力してくれたし、私たちを奴隷商から逃がしてくれたし」



京花は彼女たちに質問をする。

「そのローネって人の居場所はわかるかい?」

「はい、私たちもローネさんの所で匿ってもらうはずでしたから…」


となると、見張られているかも。

しかし、探し人が見つかったはいいが大丈夫かな~








ここまで読んでくれてありがとう。


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